バック駐車が苦手から得意になった30代主婦のメモ

バック駐車が苦手だった30代主婦が運転が得意になったコツのメモ

June 2019

私の新理論です(爆笑)。

バック駐車で一般的に言われているコツは、後方内側のタイヤが駐車枠のコーナー(ピボットエリヤなどと呼ばれています)を通るように車を傾け、そしてそこへ向かってバックしていく、という方法です。

確かにこれは正しいんだけど、最近デメリットを感じてきています。それは、内側が空き過ぎてしまう可能性が高いことです。

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この図の場合で言えば、左に寄り過ぎてしまって、また前に出て右の方へ幅寄せして切り返さないといけなくなるのです。

その原因は、ピボットエリアを気にし過ぎるのかなと、漠然と考えていたのですが、もっとはっきりした理由が思い当たったのでご紹介します。

内側より外側を駐車枠に入れるように意識した方が良い理由


内側を意識するデメリットの理由


確かに、内側のピボットエリアを気にし過ぎると、外側と駐車枠の位置関係を見落とす可能性が高くなります。しかし、問題の原因はもっと前の段階にあったのです。

あなたは車を傾ける時に、何を目安に行っていますか?
ピボットエリアにタイヤを近づけるようにですか?

多くの人がそうしていると思います。では、角度はどうしていますか?
できるだけ垂直方向に傾けるようにしていると思います。
それは正解ですが、完全な正解ではありません。結構いい加減な角度で傾けているのです。

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それは何故かというと、角度が違っても、内側後方のタイヤなり角は、間違いなくピボットエリアを向いているからです。これって、おかしくないですか?どちらかの角度が正しくないはずです。

正しくないというのは勇足でした。正確に言えば、どちらの角度も正しいけど、ピボットエリアを中心に回転を開始するタイミングが違ってくるという説明が適切です。

角度が小さい程、早く回転を始めないと駐車枠に収まりません。

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車は最小回転半径以上の円でないと回転できません。車を傾ける角度が小さい程、最小回転半径の円の軌道に乗るためにはピボットエリアから遠くでないと乗れないのです。

傾ける角度が小さいと、ピボットエリアから離れて回転しなければならないことの他に、駐車枠の奥でないと車体が垂直になりません。これは、最小回転半径の中心が、車の後部の車軸の延長線上にあるためです。

ですから、ピボットエリアと車の内側の後部の角やタイヤを意識すると、最適ではない角度に傾けてしまうことが起こり易いのです。

外側を意識するメリットの理由

外側の後方の角やタイヤが、駐車枠のコーナーに入るように意識すると、車を傾ける角度が最適になります。通路や道路の幅に合わせて、外側後部の角やタイヤが駐車枠のコーナーに収まる角度で最大の位置に来るように車を傾けることが出来ます。

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ですから、駐車枠からはみ出る確率が低くなります。

具体的な要領はこうです。傾け始めると駐車枠のコーナーは見えなくなります。そのため、傾ける前に駐車枠のコーナーを確認します。コーナーと車の角やタイヤを結んだラインを維持するようにして、通路や道路を一杯に使って車を傾けます。

こうすると、最大の角度で駐車枠から外れない角度という最適な角度になります。何度やっても角度が一定します。やってみると分かりますが、内側を意識していた時より、より手前で、より大きな角度になっていることに気がつきます。

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今までの内側を意識していた角度と外側を意識した角度の違いを確認してください。内側を意識していた角度は、外側の駐車枠からはみ出ていることがあったはずです。それだけ精度の低い角度で傾けていたのです。

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「いつも駐車枠に安定して収まらない」と嘆いていたあなた、是非一度この「新理論」(爆笑)をお試しあれ!

「前向き駐車指定のところで、きっちり守って前向きに駐車してますか?」

飲食店やコンビニだけでなく、色々な施設で前向き駐車の指定があるところが増えてきたような気がするのは、私だけでしょうか?

あるいは、以前の私の意識が低くて、気にしていなかったせいかも知れません。隣接する住人の立場を考えるようになったからでしょうか。

前向き駐車を指定している駐車場は、ほとんどが通路に余裕を持っています。しかし、中には、以前はバック駐車であったものが、前向き駐車に変わったところなどは、同じ通路幅のまま前向き駐車をする必要があります。

たっぷりのスペースがない駐車場では、前向き駐車に苦労している人がいます。

  • 斜めに突っ込んだまま身動きが取れなくなる。
  • 隣の車にぶつけてしまう。
  • 何度も切り返している。

前向き駐車を一発で上手く入れるコツや、何か目安みたいなものはあるでしょうか?

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前向き駐車にコツや目安はあるだろうか?

前向き駐車のコツと目安を考える前に、前向き駐車を物理的に眺めてみましょう。参考として、ニッサンノートの前向き駐車に必要な通路スペースや位置関係をみてみることにします。

ニッサンノートのサイズ

項目サイズ
全長4,100mm
全幅1,695mm
全高1,525mm
ホイールベース(前後の車軸中心間寸法)2,600mm
トレッド(左右のタイヤ中心間寸法)1,480/1,485mm
最小回転半径(最小回転時の外側前輪の描く円の半径)4.7m

参照したのは、ニッサンノートSタイプの諸元です。ちなみに、ニッサンノートは軽自動車以外で、2018年に最も売れた車だそうです。

ニッサンノートの前向き駐車に必要な条件

ニッサンノートが、一発で前向き駐車するのに必要な通路幅を求めてみましょう。なお、駐車スペースは標準的な、間口2.5m、奥行き5mと想定します。15度づつ回転しさせてみます。

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Nisan-Note-2

ニッサンノートの助手席側はサイドミラー分で200㎜(20㎝)の余裕をみました。必要な通路幅は7,020mmになりました。バック駐車した場合と比較してみましょう。

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なんと、3,914mm以上と狭くて済みます。その差3m以上あります。バック駐車のメリットが視覚的にも分かりますね。

これらのことから、前向き駐車のコツや目安は引き出せるでしょうか?

前向き駐車の目安

先に目安から見てみましょう。一発で前向き駐車できる通路幅7,020mmは、ニッサンノートの全長4,100mmの約1.7倍、全幅1,695mmの約4倍です。

バック駐車が可能な(直角バックが一発で可能な)通路幅3,914mmと比較すると、前向き駐車では約1.8倍必要です。

このような数値的なものは、現場ではほとんど役に立ちませんね。前向き駐車が一発で出来るかどうかの目安にするには無理があります。

むしろ感覚的な目安の方が有効かも知れません。駐車スペースから出来るだけ離れた位置に車を置いて、入り口まで前進で回転して、頭が入り込む時点で車が90度(真っ直ぐ)になるかどうか感じ取るのです。

ちょっと難しいですよね。他には今のところ思いつきません。

前向き駐車のコツ

図を描いてて気がついたのですが、一発で前進駐車をする時、回転の途中では、目的の駐車スぺ―スより外側(図では左隣の駐車スペース)に一旦入り込んでいます。ここに前向き駐車のコツがあるのではないかと感じました。

ギリギリ一発で入れるスペースがある時や、もう少し狭いスペースの時でも、前向き駐車する時に、意外と手前の方で回転しているのではないかという印象を持っています。図で言えば、もっと右側で前進回転をしているのでないかと思います。

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通路が狭くて、60度で左隣の駐車枠までしか回転できなかった場合の図です。ここでバックして切り返せば入れます。通路幅は5,536mmです。もし、回転する位置がもっと手前の場合はどうなるか見てみましょう。

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手前から回転すると、60度で車の右前部の角が右隣の駐車枠にぶつかると、通路幅は5,960mm必要になります。先ほどより5,960mm-5,536mm=424mm広くなります。

2つのケースを見てくると、両隣にぶつからないように、駐車スペースにもっと頭を入り込める位置があることが想像できます。

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60度で最大に入り込める位置を出して見ると、必要な通路幅は4,313mmまで小さくなります。実際にはここまで入り込む危険は冒しませんが、考え方としてはあり得ます。

何が言いたいのかというと、回転を開始する位置で、必要な通路幅は変わってくることです。少なくても、意識しているよりも前の方(今回の場合で言えば左方向)で、回転を始めた方が、入り込め安くなります。

一発で入れそうにない時は、切り返すとしても、無理して枠の中に頭を入れるようなことをせず、車の前部が隣(今回の場合で言えば左隣)の枠の角にぶつかる寸前で切り返すようなイメージが安全かと思います。この図の60度の位置ですね。

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この位置で切り返せば、右前部角が右隣の車にぶつかることはありません。隣の駐車スペースの入り口角に車の頭を近づけてから切り返す、これが私が考えるコツになります。この図では60度ですが、もっと狭い通路幅の駐車場では、もっと寝た角度(60度以下の角度)までしか傾けられませんが、切り返しの回数が増えたとしても、安全な切り返しができる方法です。

 

 

車が好きなわけではないけど、みんなが取るからと免許を取り、家族も友人たちも車を乗るのが当たり前と思って、何事もないように上手に運転している。

それに比べて自分は、

  • 狭い道で擦れ違う車や飛び出た電柱が怖い。
  • 側道から大通りへ合流するのが怖い。
  • タイミングよく右折するのが怖い。
  • 駐車場に止めるのが怖い。
  • 車線を変えるのが怖い。

怖い物だらけで、家族から買い物や遊びに行くので車に乗せて欲しいと言われるのも苦痛になっていく。免許なんか取らなければ、もっと呑気に生活できたのにと、こんんな風に思っていませんか?

人に相談すれば、「慣れだよ」の一言で終わってしまう。その慣れるまでの勇気が出ない。運転しようとするモチベーションが起こらない。それよりも怖い気持ちの方が強い。だから、いつのまにか運転しなくなっていく。でも、このままペーパードライバーになってしまうのも避けたいと思っている。だから、どうしていいか分からない。

私も貴女と同じでしたから良く分かります。そんな私からのささやかなアドバイスです。

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今でも運転は怖い

運転が怖いという感覚は今も変わりません。感覚自体は最初の頃と変わりません。ただ、怖いという感覚の受け止め方が違ってきていると思います。

怖い⇒運転したくない

という基本的な感情は心の底流には今も流れています。でも、その流れの上の方に、新しい流れが出来ているように感じます。その上を流れるのは、

怖い⇒そのために気を付けることをする⇒安全に運転できる⇒運転をしても平気

こんな意識が流れています。

これは技術的に問題を解決する方法です。それとは別に、心理的にも解決する必要があります。

怖いから下手なのではない

運転が怖いと極度に感じる人は、他人と比較して自分を過小評価する傾向が強いような気がします。私がそうですから。

どちらかというと完璧主義者で、同時に劣等感を持ちやすい性格です。「どうして、他の人のように出来ないんだろう?」と悩み、自己嫌悪に陥るタイプです。

でも、ものには両面があります。劣等感は工夫の母です。出来る人が感じない事を感じて、疑問に思って、どうすれば出来るようになるか、しつこく追及する長所にもなります。

たっぷり自己嫌悪に浸った後は、そこから這い上がる方法を、ネチネチ探るいやらしい根性を発揮しましょう。

周りを冷静に見渡してください。本当は上手でもないのに、マナーも碌に守ってないのに、堂々と運転をしているけど実際は下手な人が大勢います。

他人より自分が少しでも速く行きたい、他人よりも自分が少しでも得をしたいという欲望がむき出しになるのが運転です。私でも同じです。でも、恐怖心があると、ブレーキを掛けてくれることはメリットでもあるのです。

世の中には、下手でも威張る様に運転している人もいるのです。運転が怖いと思う心があると、良いドライバーになれる資質もあるのです。

自分は他人より運転が下手だという厳密な根拠はないのです。自分より下手なのに上手いと勘違いして乱暴な運転している人が多いのですから。

ですから、怖いから下手に違いない、怖いから周りに迷惑を掛けるのではないかとは、まったく思う必要がないのです。

怖いと思うのは悪いことではありませんし、怖くなくなる必要もないのです。怖いと思う気持ちにコンプレックスを抱かなくて良いのです。むしろ、怖い気持ちを大事にして欲しいくらいです。怖い気持ちを運転向上のエネルギーにしてください。これで心理的な問題は解決してください。

後は技術的に解決する方法です。

怖いと感じる原因を探る

運転が怖いのは、車を思い通りに操作できないからです。普段は自分の身体を自由に使って、無意識に動作を行っています。運転する時は、自分の身体の外側に車という機械を操って動作させる必要が出てきます。この操作が自由に出来ないから怖いのです。

なぜ操作出来ないかをもっと突き詰めると、 私は3点あると思います。

  • 車の外側がどこまであるか分からない。(車両感覚)
  • 車を横に移動させる操作ができない。(幅寄せ感覚)
  • どうすれば安全を確認できるか分からない。(安全感覚)

この3点を抑えられれば、怖い気持ちの上に安全運転の技術を覆いかぶせることが出来ます。

車両感覚は、車の前後左右の端がどこまであるのか、運転席から見た目安で感じる感覚です。知識的に知る方法はあります。
参考『エヌボックスやノアに乗ってた人がレクサスを運転する時に注意する事』

バック駐車や縦列駐車の要点は、突き詰めると車を横に移動させる操作です。車を前後に真っ直ぐ移動させることに苦労する人はいません。難しいのは横に移動させる操作、幅寄せの技術です。
参考『バック駐車で切り返しができない主婦は接触事故を起こす理由』

安全に裏付けされた運転をするには、安全を確認しながら運転するルーチン(習慣化された動作)を身に付けることです。
参考『車線変更と合流が怖い主婦の悩みを解決する1つのアドバイアス』
参考『【仮説】バック駐車で車を傾ける目安は内側でなく外側後輪か角では?』

安全運転の技術を身に付ける練習

怖いから下手なのではありませんが、何も工夫しなければ下手のままで終わってしまいます。怖さに備えた安全運転の対策が工夫になります。安全運転の技術は知識だけでは中々身に付きません。やはり練習が必要になります。

安全運転が出来るだけで、運転は上手くなります。多くの人は、安全運転から遠ざかる程、上手くなったと勘違いしますから。

車両感覚と幅寄せ感覚を同時に身に付ける方法

運転席から見た感覚で、車の前後左右の端がどこまであるのか身に付ける練習方法です。この方法は同時に幅寄せの操作も習得できます。

練習する場所が必要になります。車や人通りのないある程度のスペースがあって、壁かフェンスがある場所です。壁やフェンスがなければ段ボールなどを置いて代用します。

前後の車両感覚の練習

車のライトを点けて、壁に少しづつ近づきます。ライトの光の輪は壁に近づくほど小さくなっていきます。練習でぶつけてはまずいですが、ぶつかる程近づくと光の輪はかなり小さく濃くなるので、安全な距離が分かります。バックの時は、ルームミラー、サイドミラー、あるいはバックモニターの見方の練習にもなります。

左右の車両感覚の練習

壁を横にして、少し離れた位置から幅寄せして壁に近づけていきます。幅寄せは前進とバックそれぞれで行います。運転席側と助手席側の双方でも行います。

壁に幅寄せする練習は、バック駐車や縦列駐車の練習でもあります。バックの時にはサイドミラーを見る訓練にもなります。また、実際の駐車場での切り返しで、ハンドルをどっちに回したら良いのか分からなくなるということがなくなります。

安全確認のルーチンを身に付ける方法

安全を確認するやり方が、一定していなくて、その都度まちまちだから不安なのです。左折する時はこの手順、右折はこの手順、車線変更、合流、擦れ違いと、安全確認が必要とされる場面で、安全を確認するルーチンを自分で決めておきます。

決めたルーチンを身に付けるには、実際の運転の中で、声に出すのです。同乗者が居て声に出せない時は、心の中でつぶやきます。

電車のホームで駅員が指さし確認をしていますが、あれも安全確認のルーチンです。ルーチンは習慣になれば、楽で確実な方法なのです。以下は例です。

  • 左折の時は、「信号青よし」「巻き込みよし」「歩行者よし」
  • 右折の時は、「信号青よし」「前よし」「歩行者よし」
  • 車線変更の時は、「合図よし」「ルームミラーよし(後ろよし)」「サイドミラーよし(横よし)」
  • 合流の時は、「合図よし」「サイドミラーよし(右よし、or左よし)」
  • 擦れ違いの時は、「左よし」「待機」(左に寄り、対向車をやり過ごすのを基本にする。対向車が先に左に寄って譲ってくれた場合には、左側の電柱や壁などの障害物と対向車の中間に視点を向けて通過する。隙間が通れそうもない時は進まずに停車する)

自動車学校で習ったことを思い出して、安全のために自分なりのルーチンを決めてください。決めたら、それを声に出して動作をします。安全に裏打ちされたルーチンだと信じて運転します。

心理的にも技術的にも、怖いと思う原因を見つけて、怖い感覚を消すのではなく、仲良く付き合いながら、安全を優先した工夫を考えて、練習を繰り返す。以上が私から貴女へのアドバイスです。今の自分への戒めでもあります。

 

 

父親「停まったまま据え切りしちゃだめだよ」
娘「据え切りって?」
父親「タイヤが減るから、停まったままハンドル回さないで」
娘「駄目?下がりながらハンドル回すと、タイヤがどっち向いてるか分からなくなるから」

散歩の途中で見かけた光景です。娘さんは免許取り立てらしく、父親と車庫入れの練習をしているようです。見ていると、車のお尻を車庫に向け傾けた状態で、動かずにハンドルを回してタイヤの向きを真っ直ぐにしてから、車庫の入り口に向かってバックするとうまく行くようです。

車庫の前の道路は4m程で、エルグランドでバック駐車するには、何度か切り返しをしなければならないのですが、その度に娘さんは停まったまま据え切りをしていました。未だ新車のようなので、父親がタイヤの減るのを気にするのも分かります。一度の車庫入れに、何度も据え切りをしていたらタイヤの摩耗も早いでしょう。

私はふと思いました。「悪いのはタイヤが減ることだけなのか?」気になったので、ちょっと調べて見たら、他にも良くないことが分かりました。

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車重を支えるパーツと向きを変えるパーツに負担がかかるらしい

現在販売されているエルグランドの車両重量は、グレードによって多少バラツキは有りますが、1,950kg~2,180kgあります。約2トン前後もあります。これを4本のタイヤで均等に分散したとしても、1つに500㎏の重さが掛かります。車両重量は誰も乗車していない状態の重さなので、これに人が乗った分だけ重くなります。

500㎏の重さが加わったタイヤの向きを変えるには、相当の力が必要なのは想像できます。タイヤのゴムを減らすだけでなく、タイヤに掛かる車重を支えるパーツや、タイヤの方向を変えるパーツに負担がかかるらしいことが分かります。

車重を支えるパーツへの影響

車の重さが直接タイヤに伝わるのを和らげるクッションの働きをするパーツがあります。路面から受ける衝撃を抑えながら、それに伴う車重の掛かる反動が、直接タイヤに届かないようにしているサスペンションというパーツです。

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<出典画像:『サスペンション』https://www.webcartop.jp/2016/06/43962

サスペンションは直にタイヤにはつながっていません。一旦、アームと呼ばれるV字型のパーツで受け止め、そのアームのV字の頂点の所がタイヤにつながっています。このV字型のアームは鳥の胸の骨(肋骨)に似ていることから、この形のアームをウィッシュボーンと呼ぶそうです。

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<出典画像:『ウィッシュボーン型のロアアーム』https://www.webcartop.jp/2016/06/43962

この写真の車は1つのアームでサスペンションを支えています。下の方で支えているので正確にはロアアーム(lower arm)というそうです。高級車の中には、このようなウィッシュボーン型のアームをもう1つ上に設けて、2本のアームで支えている車があります。ダブルウィッシュボーンと呼ばれていて、上のアームをアッパーアーム(upper arm)と呼ぶそうです。

ダブルウィッシュボーン

<出典画像:『ダブルウィッシュボーンのアッパーアームとロアアーム』https://car-moby.jp/102247

エルグランドはどんなアームでサスペンションを支えているのか調べてみると、ウィッシュボーン型のアームではなく、もう少し平たくしたパーツ1つで支えているようです。

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<出典画像:『エルグランドのロアアーム』https://www.goo-net.com/pit/shop/0803825/blog/170642

エルグランドはロアアーム1つで500㎏の重さを支えていることになりますね。劣化すると異音がするようになるそうで、交換が必要になります。

サスペンションーエルグランド2

<出典画像:『エルグランドのロアアーム劣化による交換』https://www.goo-net.com/pit/shop/0803825/blog/170642

素人目には、これだけで500㎏を支えるのは大変だろうと感じます。

車の重さがサスペンションからアームに伝わり、アームからタイヤに伝わるわけですが、その間にタイヤを滑らかに回転させるベアリングという、金属のボールが集まったパーツがあります。過度な摺り切りの悪影響はベアリングにも及ぶ可能性があるそうです。

ベアリングが劣化すると、接触する金属に傷を付け、これも異音の原因になります。

<出典動画:『アクティ ハブベアリング交換前後の異音の変化』YouTube>

タイヤの向きを変えるパーツへの影響

車の重量を最終的に支えるタイヤの向きを変えるパーツにも相当な負担が生じます。パワーステアリングの方式には色々な方式があるようですが、原理的には、ハンドルの弱い力をタイヤに強い力として伝えるために、その間に力を増幅するパーツを経由させているわけです。その動力にオイルポンプだとかモーターだとかの違いがあるのです。

電子で油圧を制御するパラーステアリング

<出典画像:『電子で油圧を制御するパワーステアリング』http://ftpmirror.your.org/pub/wikimedia/images/wikipedia/commons/d/d9/パワー・ステアリングの解説.pdf>

モーターを原動力にするパワーステアリング

<出典画像:『モーターを原動力にするパワーステアリング』http://ftpmirror.your.org/pub/wikimedia/images/wikipedia/commons/d/d9/パワー・ステアリングの解説.pdf>

運転手が回したハンドルの小さな回転でも、オイルポンプやモーターの力に助けられて重たいタイヤでも動かすことが出来る仕組みです。

最初の写真で言えば、ロアアームの下でタイヤの伸びているシャフトが、ハンドルの回転をタイヤに伝えるタイ・ロッドというパーツです。タイ・ロッドが動いてタイヤの向きが変わります。

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<出典画像:『タイ・ロッド』https://www.webcartop.jp/2016/06/43962

車を停めたまま過度にハンドルを回してタイヤの向きを変えようとすると、油圧の場合には油の温度が上昇して気泡が発生して油圧が低下し、タイヤを動かす力が弱まります。劣化が進むとオイルポンプの油が漏れることもあるそうです。

モーターの場合には、モーターが過熱し過ぎるのを保護する回路が作動して、モーターが働かないようにします。どちらの場合も、暫くや済ませれば回復しますが、無駄な負担は良いことはありません。

据え切りは、車重を支えるパーツだけでなく、タイヤの向きを変えるパーツにも、余分な負荷を掛けることになります。据え切りは走行中に比べて、10倍以上の負担が各パーツに掛かっているという見解もあります。

停車状態でステアリングホイールを大きく転舵すること。駐車や車庫入れで使われることの多い操作で、走行中の操舵力に比べて10倍以上の力が必要とされる。とくにパワーステアリングの場合は操舵系に負担が多い。わずかでもクルマが動いていれば3分の1から4分の1程度、普通走行では10分の1以下の力で操舵できる。重くてハンドルが切れない場合は、少しでもクルマを動かしながら切ると軽い力ですむのはこのためである。(出典:『据え切り』by Weblio辞書 https://www.weblio.jp/content/据え切り)

タイヤの正常なアライメントにも影響

4つのタイヤの並び・傾き具合をホイール・アライメント(Wheel Alignment)というそうですが、据え切りはこれらにも影響を与えるようです。

車検の時などに、タイヤのローテーション(配置換え)をしますが、目的はタイヤの擦り減りの偏りを防ぐためです。そのぐらい4本のタイヤは、均等なバランスを維持するのが大切だということです。

普通の乗用車の4本のタイヤのアライメント(並び・傾き具合)には、4つの求められるポイントがあります。(スピードレースのための車などは別です)

  1. 車の上部から見てタイヤの向きが真っ直ぐであること(トー角 Toe Angle)
  2. 車の前部から見てタイヤがの角度が垂直(90度)であること(キャンバー角 Camber Angle)
  3. カーブを曲がる時、車の前部から見てサスペンションとタイヤの間の角度が適正であること(キングピン角 Kingpin Angle)
  4. 車を横から見てサスペンションの角度が適正であること(キャスター角 Caster Angle)

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例えば、トー角もキャンバー角も、傾いた方に車は進もうとします。正しくセッティングされていないと、車はガタツキますが当然ですよね。

若いお兄さんたちが、タイヤをハの字型に傾けて走っているのをたまに見かけます。あれは左右のタイヤのキャンバー角を内側に(マイナスの方向になります)傾けて、コーナリングを安定させる働きをさせるためですが、タイヤの摩耗が早く、直進の安定性は低下させます。

左右のタイヤのキャンバー角が内側(マイナス側)に向いているので、どちらのタイヤも傾いた方(内側)へ行こうと押し合うことになります。コーナーをスピードを出したまま曲がるのには角度的に納得できますが、直進の時は無駄な力が働いているのは想像できます。

据え切りの無駄な力は、これらのタイヤの向きや角度の最適なバランスを崩す要因になります。少しでも動きながらのハンドル操作は、タイヤに掛かる負担を大きく軽減させますので、全く動かさずにハンドルを回すのを避けるべきです。

アクセルを踏まなくても自然に車は動くので、ブレーキを加減してゆっくりバックしながら、ハンドルを回すようにした方が車には良いですね。

 

4年程前の春の頃の出来事です。休日に家族で花見に出かけました。車で1時間半ほどの所で、近隣では有名な花見の名所です。近くには大きな川が流れ、遊歩道のある土手沿いに植えられた桜並木には、2週に渡って沢山の露店が出ます。

年々客足が増え、この時も予想以上の人手で、無料駐車場は既に満車、有料の駐車場も近いところは空いていませんでした。駐車場の警備員に地図を渡され「すいません。一杯なんで、ここの駐車場へ行ってください」と言われました。私たちは「もっと早く出ればよかった」などと呟きながら、教えられた駐車場へ向かいました。

花見の土手から歩いて10分近くはかかると思われる場所に臨時駐車場はありました。臨時駐車場は1つではなく、3つくらいの区画に分かれていました。係員はいないらしく、3つの入り口のどこからも車は自由に入れるようでした。

ですから、どこに空きスペースがあるのかも分からず、どれかの区画に入って自分で探すしかありません。しかし、どの入り口にも何台かの車が入り切れずに待っている状態でした。

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家族を先に降ろして場所取り

「まいったなー」などと言い乍ら、とりあえず空いていそうに見えた一番奥の区画に並んでいました。順番が来て、区画の中に入って行こうとしていると、私たちの後に付いた車から、母親と中学生ぐらいの女の子が降りて、駐車場の中へ走って行きます。「何だろう?」と見ていると、空いている所を見つけたらしく、白線の枠の中に2人で立って場所取りをしたのです。

その区画には空いている場所はそこしかなく、私たちは仕方なくそこから出て、別の区画に並びなおしました。少し悔しさはありましたが、確かにそうでもしないと、駐車場の外からはどこに空きスペースがあるのか良く分かりません。係員がいないので、先に入った車が駐車できるとは限りません。後から来た車でも、運が良ければ先に停められます。

別の区画でも何人か先に人を下ろして場所を探しに行きました。「後から来た人が先に場所を取っていく」と思うと、黙って見ていられず、「うちもそうしよう」と、私が先に降りて駐車場の中へ入りました。

運良く隅の方に1台空いたのを見逃さず、私はその枠の中に立って、車の方へ合図を送りました。

しかし、そこへ1台の黒いワンボックスカーが表れました。確かセレナかノアだったと思います。20代中頃の男の人が、「おばさん、危ないからどいて!」と手でどくような仕草をしました。私は思わず、「先に来ているから!」と答えました。

まさか先に枠の中に入っているのを見て、どけという人がいるとは予想していませんでした。その時は自分がルール違反をしていると思っていませんでした。現に、私たちも後から来た人に先を越されていましたから。

「早い物勝ち」がこの場所のルールと思っていたのです。

駐車場で権利を実行できるのは人でなく車

しかし、その若い男の人は確信を持った言い方で続けました。「駐車場は人がいる所じゃないから。駐車場は車を停めるところだから。危ないから早くどいて!」

そういうと、その車はゆっくりバックして入ろうとします。私も、納得がいかないので、「他の人もそうしているから!」と抵抗しましたが、車は無視するようにゆっくり入って来ます。

私は諦めて枠の外へ出ましたが、悔しさがこみ上げて来たので、運転席に近づくと、その男の人も降りてきました。意外と冷静な表情で、「ここは駐車場だから。人間が立っているところじゃないから」と諭すように言いました。

私も「他の人もやってるから」と言いかけましたが、その根拠に説得力がないのを自分で感じ始めていました。

他の人もやってるは弱い

ワンボックスからは、赤ちゃんを抱えた若い奥さんが降りてきました。奥さんの表情は、気まずそうに見えました。「理屈っぽい夫は、いつもこうなの。すみません」という表情に私には見えました。

確かに私にも、理屈っぽい考え方をする人に感じました。おそらく、ほとんどの人は、駐車する枠の中に先に人が立っていたら、「先に取られちゃった。残念。」ぐらいの反応で、多少悔しくても、敢えて事を荒立てない選択をするのではないでしょうか?私もそうでした。

「他の人がどうだとか関係ないです。ここは駐車場。車を停めるところで、人が立っているところじゃないです。」冷静で確信に満ちた主張に、私も感化され始めました。「確かに・・・」

原則が一番強い

私が納得したのが分かると、男の人も優しい目つきになり、「うちも、もうずっと他の駐車場をたらい回しにされて、やっとこの駐車場に来たんです」と、苦労したことを漏らしました。若い夫婦と赤ちゃんの3人の姿を見て、つまらないことで向きになった自分が情けなくなりました。

「どうもすみませんでした。あなたの言い分の方が筋が取ってるね」私はそう言って、その場を離れ自分の車の方へ戻りました。

それから直ぐに、自分たちも駐車することが出来ました。

私は花見の最中も、駐車場での事を考えていました。「私には、あんな風に堂々と自分の意見を言うことはできない」若い人に教えられて、なんだか自分が悔しくて、小さく思えました。

同時に、どんな時でも原則は強いんだと思いました。私のようにその場の状況に自分を合わせてしまうと、いつのまにか原則から外れてしまいます。その場しのぎの言い訳で誤魔化そうとします。私などはそれで誤魔化されてしまいますが、一番強いのは原則を貫ける人です。

そういう人に私もなりたいと思いました。ただ、あっちこっちで、ぶつかるだろうな、とも思いました。

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