バック駐車が苦手から得意になった30代主婦のメモ

バック駐車が苦手だった30代主婦が運転が得意になったコツのメモ

January 2019

  • 車線変更をする時に車の間に入れてもらうタイミングがつかめない。
  • 駐車場で後ろの車の事ばかり気になって焦ってうまく駐車できない。
  • 流れにうまく乗れていないのではと後ろの車が気になって仕方がない。

免許を取っても、最初から一人で運転できない人は多いです。私も数カ月の間、父や友人に助手席に乗ってもらって、家の近所や良く出かける場所まで一緒に付いて来てもらいました。自動車学校を卒業できても、自分の技能にまだ自信が持てていなかったのです。

車の免許を取ってから半年しても、まだ一人で運転できないとしたら、運転中に感じ取った危険や不安を、自分で回避する判断ができないためです。

感じ取った情報を、自分で判断して、体を通して車を操作する回路が出来ていないのです。この回路がスムーズに流れるようにするには、同じような場面を繰り返して、情報の感知から、判断、操作の流れを知識でなく、体の神経に覚えさせるしかありません。

反復練習が必要なのですが、一人で行うことが不安な場合は、運転経験の豊富な人に同乗してもらって、アドバイスを受けながら練習する以外に方法はありません。

具体的にどういう方法が良いのか考えてみました。まだ一人では運転できない中年主婦へのアドバイスになれば幸いです。

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同乗者に横に付いてもらって練習する

自分の運転を助手席から冷静に見てもらいながら、前もって指図するのではなくて、操作した後から悪い点を指摘してもらうのがよいですね。

あくまでも、状況の判断と操作は自分で行います。その結果についてアドバイスを受けます。判断や操作の仕方までリードしてもらっていては、中々自分の力が身に付きません。

問題は誰に乗ってもらい、どんな内容の練習をするかです。

家族や友人に同乗してもらう

一番手軽なのは家族や友人に同乗してもらうことです。ただ、近しい関係なだけにアドバイスが感情的になってしまう危険性があることです。

ベテランドライバーから初心者を見ると、「どうしてこんなことができないのか?」「どうしてそんな判断をするのか?」理解できないと感じてしまいます。自分も通ってきた道なのにです。

教えようとする側と教わる側の双方に忍耐力がない場合には、両者の間で衝突が生じます。どちらも一生懸命になるほど、もどかしさや焦りが高まって、不満が爆発してしまいます。

教える側と教わる側のどちらも、

  • 直ぐに結果を求めずに、繰り返すことを目的にすること。
  • 指図でなく評価と改善に徹すること。
  • 判断と操作は運転者の主導で行うこと。

経験豊富な同乗者は、初心者をコントロールしようとします。初心者にもプライドがあるので、全てを指図されたり否定されたりすることには耐えられません。運転を見てもらって、評価して、改善点を指摘してもらうようなやり方が良いのです。指導を受けるのではなくて、アドバイスをもらうことです。指導者の資格はないのですから。

「ペーパードライバー教習」を受講する

家族とでは喧嘩になってしまう、付き合ってくれる都合の良い友人もいない。誰にも知られずに運転が上手になっていたい。そういう場合の、次の選択肢としては「ペーパードライバー教習」が適しています。

自動車学校のペーパードライバー教習

自動車学校では、ペーパードライバーを対象とした「ペーパードライバー教習」のサービスを実施しているところが多くあります。

自動車学校のペーパードライバー教習は、資格をもった教官が、学科も実技も本科を基本にして行います。使う車両も補助ブレーキと補助ミラーが付いた教習車両を使うので、信頼感と安全性があります。

自動車学校のペーパードライバー教習の特徴としては、次のようなことが挙げられます。

  • 急ブレーキの練習など、知識を持たずに路上では行えないようなことができる。
  • 自宅から良く行くスーパーや幼稚園などの希望のコースや、車庫入れなど苦手な部分を集中して教えてもらえる。
  • 貸しコース・貸し車できるところもある。貸しコースはマイカー持ち込み(3年以上の免許の同乗者が条件等)コースの中を走れます。
  • 講習時間も柔軟に変更や追加ができる。
  • 送迎サービスも本科の教習生と同じように利用できる。託児所のあるところもある。
  • 教習中の事故があった場合、自動車教習所が加入している専用の保険が適用される。
  • 繁忙期(1月から3月、7月から9月)は実施していないところもある。

出張型のペーパードライバー教習

指導員(サポーター)に自宅まで来てもらって講習を受けます。こちらも希望したコースや集中して練習したいポイントを選べますが、自動車学校のものとの違いは、

  • 自動車学校のものと比べて料金体系が少し高めの設定。
  • 最後まで同じ指導員が出張して教える。
  • 講習の時間は受講する側の希望で決められる。
  • 子供も同乗させて講習を受けることも可能。
  • マイカーに補助ブレーキをつけて受講することも可能だが、条件付きな場合もある(最初の受講からは出来ない場合や、事故の場合の保険は適用されない場合など。)
  • 教習中の事故は、教習車両の任意保険の範囲内に限定される。

どちらのペーパードライバー教習でも、短い受講時間で完全に体に覚えさせることは出来ません。正しい運転操作を実践的に知ることが重要で、体に馴染ませるには、やはり繰り返しの練習が欠かせません。

ただ、ペーパードライバー教習を受けたことで、一人で練習する自信になります。一人で練習することができるための手段と考えるのが良いと思います。

(注意:教習中の事故の場合、免許を持っている運転者にも刑事・行政・民事の責任は発生します)

一人で練習する時のコツ

一人でどこへでも自由に行くにはまだちょっと抵抗があるけれど、一人で練習することは出来るようになったら、自分の苦手に思う所を納得がいくまで練習します。その時にちょっとした練習のコツがあります。

若葉マーク2枚を車の後部の目立つ位置に貼る。

初心者の意識が集中してしまうのが、自分の後ろの車のことです。本来は前に集中していなければならない時に、後ろの車が自分の車にどう見られているかが気になってしまうのです。

「運転が下手と思われたくない」、「後ろの車に迷惑をかけたくない」という思いがそうさせます。バックする時と車線の変更、右左折などの軌道を変える時以外は、前方に意識がなければなりません。

若葉マーク2枚を後部に貼っていれば、後ろの車は初心者として扱ってくれます。上手く見せようとか、迷惑かどうかとか無駄なことは考える必要はありません。後ろのことは若葉マークに任せて、前方に集中します。

確認の前に合図を出してしまう

車線変更でも合流でも右左折でも、発車する時、駐車や停車する時でも、全ての動きの前には、ウインカーやハザードの合図を、確認する前に出してしまいます。

周りの車にとって一番迷惑なのが、合図と同時に車の進行方向を変えられることです。前の車の合図が早い程、後ろの車はその変化に余裕を持って対応できます。

ところが、運転が下手な人程、確認をしてから合図を出そうとします。車の流れの中では瞬間的な判断が求められます。タイミングを見定めてから合図を出していたら、合図と移動の間隔が短くて、周りの車から見れば急な変化と感じられてしまいます。

合図を出してから移動のタイミングを慎重に確認します。そしてそのタイミングに合わせて遅れないように移動します。そうすれば、合図から移動までに間があるので、周りから視認させやすく安全性が高まります。

更に、合図を出すことによって、周りの車(後ろの車)に意志が伝わり、そのためのスペースを空けてくれます。合図には、なかったスペースを作ってくれる働きもあるのです。

移動のタイミングを見定めてから合図を出すのではなく、合図を出してからタイミングの確認作業に入るようにします。車線変更が苦手な人は、合図を出さないまま、入り込む隙間を見つけられずに、焦ってしまうのです。この状態は後ろの車からしたら危険です。合図も出さずに、隙間ができた瞬間に前に飛び込んでこようとするのですから。

隙間の確認などする前に、思い切って先に合図を出してみてください。なかった隙間がさっとできたりしますから。合図を出したからといって、確認もせずに車線を移動するわけではありません。合図を出してから、慎重にタイミングの確認作業に入るのです。

遠く前方だけ見てサイドや後方は移動する時だけ見る

若葉マークのところでも言いましたが、初心者ほど自分の後ろの車を気にします。直進している時には後方を気にしても全く意味がありません。

初心者で運転が苦手と感じている原因は、運転中の神経を2倍使っていることも一つです。前方だけ注意していればよい場面で、前と後ろの両方に注意を払ってしまっているのです。

サイドや後方への注意は、車を直進させている状態から変化させる時だけで良いのです。運転の多くの時間は直進しているだけです。注意を払う割合を適切にしただけで、運転がとても楽になるはずです。

私の運転はこんな感じです。一般道などを直進している時はルームミラーもサイドミラーも見ません。例えば、左前方に自転車が走っているので追い越そうとします。自転車を避けるため、右に少し車の方向を変化させるので、初めて右サイドミラーで右後方を確認します。自転車を追い越してまた左に移動する前に、左サイドミラーで左後方を確認します。直進している時には前方しか見ていませんが、数センチでも車の方向を変化させる前にはサイドミラーで必ず確認します。信号待ちで停車している時に、ルームミラーやサイドミラーで車の周囲を確認しています。ルームミラーは車線の多い道路とか、速くて車の量も多いような幹線道路、高速道路でしか使いません。

一人の練習に向いている場所

私や家族が運転免許を取った後、よく練習の場所として利用したのが、区画された大きな住宅地です。近くに大きな新興住宅地あって、その区画の中は碁盤の目のように区画された道路が走っていました。住宅地なので、交通量もほとんどありません。道路の幅も5メートル以上と余裕がありました。

この区画の中を思いのまま縦横無尽に走ります。自動車学校で習ったことを思い出しながら、慎重に運転しました。特に慣れなかったハンドル操作にはとても効果がありました。右左折で回り過ぎたり、周り足りなかったりすることが矯正されました。

住宅地にはところどころに公園があります。トイレや疲れて休む時は公園の横に車を止めました。公園の横に駐車する時には、縦列駐車の練習ができます。大き目の公園には駐車場がありました。空きスペースでバック駐車の練習もできました。

バック駐車の練習でしたら、今ならショッピングモールなどが良いと思います。土日、祝日を避ければ、利用者のいない駐車場の片隅でなら迷惑にはならないでしょう。

練習の初期には、自分の住んでいる近くに安全な練習場所を見つけて、車の多い道路では出来ない練習をするのが良いですね。幅寄せ(切り返し)、縦列駐車、バック駐車などです。それで自信が付いたら、次に片側1車線の道路、片側2車線の道路、駅前や繁華街、そして長距離運転、高速道路という風に難易度を上げていきます。

自信をつけるには練習あるのみ

免許を取ったからには、どこでもスイスイ運転できて当たり前という考えが、「自分はどうしてできないんだろう?」という劣等感につながります。

免許は道路を車で走っても良いという許可であって、運転が上手いという保証ではありません。調理師免許を持っていても料理の下手な人がいるように、資格に縛られないことです。

道路で運転の練習ができる許可をもらったと考えて、基礎からじっくり練習すれば良いのです。運転の技術向上には際限がありません。何年運転しても「これで完璧」などということはありません。むしろ退化していることもあるのです。

安全に無事故・無違反を理想として、そのための運転技術に励みます。その立場はベテランドライバーも免許取り立てのドライバーも対等です。日々練習に励むつもりでいなければ、どのドライバーも安全を守れません。

自信は練習からしか生まれません。

 

 

昔から運動が苦手だからと諦めていて、家族のためとか仕事の必要に迫られて、運転免許を取らなければならなくなったけれど、40歳を過ぎて、今さら自動車学校へ行くのが不安な主婦。あなたもその一人ではありませんか?

  • 運動神経が悪くても運転免許は取れるのか?
  • 自分だけ卒業できなかったら恥ずかしい。
  • 教官や他の若い教習生とのコミュニケーションが心配。

若い頃に一度挫折してしまった人もいるでしょう。なんとなく自動車学校特有のイメージがあります。父や祖父の世代からは、とても厳しかった話も聞きます。アクセルに乗せた足を、思いっきり教官に踏みつけられたなどという話もありました。

しかし、今は人口減少の上、車を持たない若い世代が増えたことで、自動車学校も顧客サービスが向上して様変わりしています。それでも、自動車学校は決して誰にも易しい場所でないのは、今でも変わりません。

最近の自動車学校の様子は、人見知りする人の目から見た様子を描いた本が参考になります。
極度の人見知りでも教習所へ行って免許が取れるのか?不安を消す本

40歳を過ぎてから、免許を取りに自動車学校へ行こうと思っているけれど、不安を抱えている主婦への助言になれば幸いです。

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自動車学校は自分の内面と対決するところ

自動車学校はカルチャースクールとは違います。生命に危害を与えかねない車という機械を扱う者を養成する学校なので、身に付けなければならない技能と知識が求められます。

教える側と学ぶ側には初めから上下関係があります。その関係は単純ではありません。教える側には教えるという上位の立場と、お客様に奉仕するという下位の立場という矛盾を抱えています。学ぶ側も教えてもらう下位の立場と、お客様という上位の立場という矛盾を持っています。

お互いが矛盾した関係を持ちながら、命に係わる資格を間に挟んで、希望と絶望、忍耐と挫折を伴う感情のやり取りが行われます。教官と教習生の双方に思い違いが生じるのは当然です。お互いの理想と現実、本音と建前がぶつかりあっているのですから。

自動車学校へ行くのに不安を感じる時点で、自分の内面と対決していることになります。自動車学校へ行くのがワクワク楽しみに思える人は運転の適性があります。車の運転の質を決めるのは運動神経よりも、内面的な性質、心理的な性質です。

自動車学校へ行くのが不安な主婦に待っているのは、自分の内面との対決です。過去のマイナスイメージの自分、現在の不満を抱える自分との対決、将来の希望を持てない自分との対決。普段は隠れて気がつかなかった弱い自分の内面が表面に表れます。

自動車学校へ行くのが不安な主婦には、自分の弱い内面と対決する覚悟が必要です。

自己嫌悪と自信喪失への耐性を試される

不安の中で始まる教習は、思い通りにならないことの連続です。自動車という大きな機械を突然操縦するのですから当然です。自分の手足のように操れるようになるには、一定以上の時間が必要です。

しかし、自動車学校は大勢の人たちの中で個人の能力が試されるので、嫌でも他人との比較をしてしまいます。他人と比較すること自体が劣等感の表れです。自分の駄目な部分と他人の優れた部分を比較して自信を失います。

失いかけた自信は、過去の自分の失敗や現在の不甲斐ない自分、未来の希望のない自分まで借り出して、益々自分を攻め立て、追い込んでいきます。

この苦しみから逃げ出そうと、免許取得を諦める誘惑が襲います。励ます自分と逃げたい自分の葛藤が始まります。本当に諦めるのか、このまま頑張るのか、自分の心の強さが試されます。

自動車学校へ行くのが不安な主婦の誰もが通る、当たり前すぎる道です。自動車学校とはそういう場所です。自信喪失や自己嫌悪するのが普通の場所です。挫折する人が正常な場所です。

だから、当たり前の事でいつまでも悩み、いつまでも引きずる必要はないのです。自動車学校とはそういうところなのですから。

自動車学校は失敗を体験しながら体で覚える所

下手だから自動車学校へ来るわけで、上手ければ直接実技試験場へ行きます。免許を取ってからの失敗は事故につながるので、学校の中で失敗を体験しなければならない場所です。

機械の操作なので頭の中の知識だけでは行えません。操作は体で覚える必要があります。体で覚えるには、何回も試して、何回も失敗を繰り返す必要があります。失敗を繰り返すことは必要なことで、恥ずかしいことではありません。当たり前のことです。恥ずかしいと思うことの方が当たり前ではないのです。

失敗を試す場所なので、失敗を無駄にしないことです。試した失敗は役に立てることです。失敗を叱り注意するのは命を預かる教官の当たり前の役目なので、傷つくのは見当違いで、意地悪に感じたとしても一切をアドバイスとして受け止めます。失敗を体験する場所なので、叱られて当たり前なのです。

自信を失うことを悩むのではなく、失敗をどう活かすかを考えることです。自信を失うのは当たり前のことです。当たり前の意味のないことに悩まずに、当たり前の意味のある失敗を活かすことを考えるようにします。

技術的な心構え

主婦に限りませんが、運転が苦手な人の教習の初期に多く見られる特徴が、ハンドル操作に関することです。右左折する時の脱輪や大回り、センターラインオーバーなどです。

視線を遠くに保つ

初めて体験するクロスハンドルで、回すことに気を取られるため、視線や意識が手元や車の直前に集中します。MT 車の場合はギアチェンジやクラッチ操作があるので、なおさら意識は手元・足元に集まります。

視線や意識が近くなるほど、前方を予測した余裕のある運転ができなくなり、車両感覚も全体を感じ取りにくく、部分的なところに偏ります。

ぎこちなくても手元を見ながらの操作をしないで、なるべく前方に視線を置いたまま操作をするように心がけます。

運転動作を体に覚えさせるにも、動作を見ながらやるよりも、視線は遠くに向けたまま行う方が早く身に付けることができます。手元、足元を見ずに遠くを見つめたまま動作を行うようにします。

右左折の脱輪や大回り、センターラインオーバーの原因は、全て視線や意識が車の近くにとどまっているために、広い空間の中での自分の車の位置関係が捉えられないためです。視線が遠くにあれば、曲がり角や交差点の中心点と、自分の車の位置関係が分かるので、曲がるべき軌道を外れることはありません。

また恐怖感に関しても、車の直前を見るよりも遠くを見る方が怖さは少なくなります。この心理はスピードについてだけでなく、教官が横にいる緊張感、操作を失敗した時の焦りなど、教習の間全体の緊張状態に関わります。遠くに視線を向けることで、全体の恐怖感や緊張感を軽減することが出来ます。

動作に合わせて心の中で口ずさむ

私の通った自動車学校では、動作に合わせて口でも確認の声を出すように指導されました。最初は面倒に感じましたが、自分の安全運転の基礎になっています。

「信号青よし、右よし、左よし」(交差点の通過)「(左)ミラーよし、巻き込みよし」(左折)「(ルーム)ミラーよし、右(サイドミラー)よし、(右斜め)後方よし」(追い越し)など、今でも時々口ずさんでいます。

声に出さなくても、動作と一緒に口ずさんでいると、一連の動作の順番が身に付きます。また動作に抜けがなくなります。前進する動作だけでなく、方向変換や縦列駐車などでも、パターン化できるので利用すると良いと思います。

イメージトレーニングをする

実技講習は2時間連続で受けるべきではありません。脳は講習の後も働いていて、習ったことを意識下で消化しています。講習を連続して行うとその時間を奪うことになり、未消化として残ります。私も経験しましたが、講習を受けていない間も技能は向上しているのです。

自動車学校で時間に余裕があれば、他の教習者の運転の様子を眺めたり、携帯の動画や写真に収めて、繰り返し見ることです。車がどの位置で曲がったり止まったりしているかを観察します。

教習中の車の中から見る映像と、外から観察した映像が脳の中にインプットされていき、脳は休んでいる間も働き続けて、勝手にイメージトレーニングをしてくれます。勿論、意識的に映像を思い浮かべるようにすれば効果は増加します。自分の不得意な部分を集中的に観察すると、脳も反応して集中的にイメージトレーニングしてくれます。

また、自動車学校の送迎の車の運転手や、バスの運転手、家族が運転する様子を近くから観察するのも有効です。イメージトレーニングの材料をどんどん蓄積していきます。

更に、路上教習に進んでも、教習のコースを家族の車で走ってもらって、運転手の後方から動画を取って、繰り返し観察します。自分で運転している姿を想像しながら、スピード感や対向車、歩行者を観察します。なるべく教習車が走るような安全運転で走ってもらうと良いでしょう。

教官は敬意を持って利用するもの

人間同士の関わり合いなので、当然相性というものがあります。何度接してもギスギスした緊張感が消えない人。初めから打ち解けられる人。私自身は人生勉強と思って選り好みしませんでしたが、選択できるシステムの学校なら、気に入った教官を指名するのも良いでしょう。

避けた方が良いのが、何かを質問して誠実に答えようとしない教官です。当たり前の仕事を放棄しているわけですから、こういう人は論外です。教官は分からないことや疑問に答えるのが仕事です。遠慮せずに何でも質問して構いません。この場面の関係は、教習生が上位のお客様で、教官はサービスを奉仕する役目です。

教えている最中は教官が上位ですが、質問する時にはお客様が上位なのです。学校の中では、上位と下位の関係が交互になります。この関係を一方的に終始下位の立場でいると、次第に教習そのものが苦痛になっていきます。

敬意を持って従う場面と、お客様として堂々と当然の権利を実行することの切り替えは、意識の中に持っていなければなりません。

自動車学校は自分を試して鍛える道場

教官の何気ない一言に傷つくことがあります。

  • 自動車学校はそういう場所だからと開き直る。
  • こういう言い方は自分は他人にしないでおこうと教訓にする。
  • 自分を鍛えてくれる教官の愛情だと思って感謝する。

教官から飛んで来る刺すような言葉を、どうやって自分の質を高めることに転化できるかどうか。普段の生活では経験できないような、言葉や態度の圧力対する受け身の練習をしているようなものです。

自動車学校は自分と対決する場でもあります。自分はこんなにプライドが高かったのか、自分はこんなに耐える力がなかったのか気づかされます。自分の弱さを自覚してからが勝負です。弱くて当たり前のところからが始まりです。どれだけ自分の負の感情をコントロールできるか。失った自信をどうやって回復していくか。誰のせいにもできない自分で選択した責任を、どう果たしていくか。自動車学校は自分を鍛える道場です。

くじけそうになった時は

自分を励ます歌を口ずさむ

どうしても辛いときは、全てを忘れて歌でも口ずさみましょう。明日からまた新たな気持ちで頑張りましょう!
●『愛は勝つ』(作詩・作曲:KAN)

<出典動画:『結婚式サプライズムービー(137人の愛は勝つ合唱リレー)』YouTube>

●『明日があるさ』(作詩:青島幸男 作曲:中村八大)

<出典動画:『明日があるさ』YouTube)

●『負けないで』(作詩・作曲:坂井泉水、織田哲郎、川島だりあ)

<出典動画:『5分に凝縮 秦野の魅力『市民が市内をご案内「負けないで」にのせて』』YouTube>

免許を取った後の自分の姿を想像する

  • スーパーで沢山の買い物をして車に積み込んでいる姿。
  • 家族とディズニーランドに出かけてにぎやかな車内の様子。
  • 子供たちと一緒に車を洗ってピカピカに磨いている様子。

免許さえ取れば、辛い教習も楽しい思い出に変わります。苦しみの向こうには、幸せが待っています。一時の挫折で諦めても良いのでしょうか?

免許を取ったらやりたいことは何ですか?簡単に諦めて後悔しませんか?免許を取った後の自分の姿を想像してください。弱気になった心に勇気が湧いてきませんか?

死にそうでどうしても耐えられなくなった時は

精神的にも、体力的にも、経済的にも限界が来て、継続することが出来なくなった場合、自分にかけてあげる言葉があります。

「運転免許は取れなくても、それが自分の能力の全てではない。運転が出来なくても、本を読むのが好きな能力がある。カラオケが好きな能力がある。家族に美味しいごはんを作ってやれる能力がある。笑顔で声を掛けられる能力がある。自分にはまだまだたくさんの能力がある。運転免許だけで、自分の優劣の評価は決まらない」

優秀な成績より慎重なドライバーで卒業する

自動車学校は、スピードレーサーの養成所ではありません。安全な運転者を育てる学校です。成績が優秀な人が立派なのではなく、自分を過信しないで慎重な運転を心掛ける人が立派なのです。

仮免、卒検を一発でパスすることが立派なのではなく、何回落ちても、慎重な運転が出来るようになることが立派なのです。何度試験に落ちても恥ずかしいことではありません。落ちるのは当たり前のことで、当たり前のことで恥ずかしがる必要はありません。一発で試験を通って、有頂天になるようなら、そのことの方が恥ずかしいことです。

教習は緊張するのが当たり前です。緊張するのはまだ運転が体に覚え込んでないからです。緊張することに悩むのではなく、緊張しなくなるように練習が足りていないことを自覚しましょう。緊張は練習不足と認識しましょう。

補修を受けたり試験に落ちたりすることは、成功へ一歩近づいた証拠です。失敗の回数を重ねる程、成功に近づくのだと考えましょう。

優秀な成績で卒業することを目指すのではなく、運転マナーの良いドライバー、慎重な運転を心掛けるドライバーになることを目指して頑張りましょう。

 

生活している地域周辺の運転は問題ないのに、高速道路となると怖くて走れない主婦は意外に多いです。

  • スピードそのものが怖くて、もしぶつかったらと想像してしまうと走れない。
  • 途中で怖くなっても、止まったり引き返したりできないのが不安。
  • 瞬時に見極めなければならないことが多くて、判断を間違えてしまいそう。

一般道とはスピードのレベルが違うので、同じ交通ルールとは言え、運転する側の能力や性格によって差が生じてしまうのです。高所恐怖症のように、スピードに対する恐怖のために、運転全般の判断力や運転操作に影響が出るのです。

高速道路が苦手な主婦でも、怖いという意識を出来る限りの工夫によって、軽減させる対策を考えてみました。

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高速道路が怖くなくなるための対策

高速の怖さから来る不安

高速道路の怖さを感じる主な場面は3つあります。

  1. 高速で合流するのが怖い。
  2. 高速で車線変更するのが怖い。
  3. 高速で分岐や出口の方向を判断するのが不安。

スピード(高速)に対する恐怖感を元にして、高速道路特有の結果が生じます。一般道では感じなかった怖さは、判断に要する時間が圧倒的に短いためです。その上、その判断のミスによって引き起こされるであろう結果は、圧倒的に大きいからです。

運転者にとっては厳しい条件を与えられ、間違いがあった場合の結果も重大な影響が予想されます。この2重の心理的プレッシャーが、高速道路を走る恐怖がもたらす不安の正体です。

キープレフト追従走行

スピード(高速)を出さなくてはならない制約と、その条件下で瞬時に判断しなければならないプレッシャーを、少しでも緩和させる方法を取ります。キープレフト追従走行です。

  • 常に左車線を走り、原則的(出口、分岐のため以外)に車線変更しない。
  • 自分の速度に合った車の後を、車間距離を保ってひたすら追従する。

高速道路では、標識などで指定されていない場合は最高速度100㎞/h(軽自動車は80km/h)、最低速度50㎞/hで走る様に決められています。

50km/h以上の速度であれば高速道路を走れます。50km/hという速度は、一般道でも普通に出している速度なので違和感はありません。

さすがに50km/hで走っている車はほとんど見かけません。しかし、50km/h以上で走れば良いのだという意識を持つことは大切です。恐怖を我慢しながら、自分の能力以上のスピードを出す必要がないのです。80km/h前後のスピードなら、高速道路では恐怖をあまり感じないで走れるのではないでしょうか?80㎞/hが無理なら70km/h、60km/hでも大丈夫です。

当然、追い越し車線をこの速度で走るのは後続車の妨げになりますので、常に左のレーンを走り続けます。低速で左のレーンを走り続けることで、スピードの恐怖と車線変更の恐怖の不安を解消できます。

渋滞に出くわしても左車線のままで、追い越し車線に変更しません。インターチェンジや分岐で左から合流する車がある場合でも、こちらは低速走行なので、合流する車も前に出るかやり過ごすかの判断がしやすく、合流する側で選択してくれます。こちらが慌てて車線変更する必要はありません。(追い越し車線へ回避するような操作は、自信がついてから行えば良いのです)

左のレーンを走り続けていると、自分の速度に合ったスピードで走る車が前を走っています。そういう車に出会ったら、その車の後をひたすら追従します。単独で走るよりも不安感は減少します。特に夜間やトンネルの中などでは、前の車のテールランプが目標になって安心感が出てきます。
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バスや貨物トラックなどは一定の速度で走るので、後ろに付くのは良いのですが、荷台にロープで縛って積んだ荷物を載せたトラックなどの後は避けます。積み荷が落ちてくる危険性があるからです。

前の車と一定の安全な車間距離をとって走っていると、追い越した車が強引に割り込んで来たりすることがあります。その時は慌ててブレーキを強く踏まずに、アクセルを少し緩めてエンジンブレーキに任せて減速します。

料金所でも、走っている左レーンのまま原則的ゲートに入ります。右のレーンが空いているからとか思って車線を変えません。自分の車がETCで、ETCのゲートが離れたレーンにある場合は、右方向でなく左方向にあるレーンを選びます。追い越し車線側のゲートは、スピードを出して走る車が多いためです。

基本的に走ってきたままのレーンのゲートに入ります。ETCの都合で車線変更する場合でも、なるべく最も近い左方向のレーンのゲートを選びます。どのゲートが一番空いているかではなくて、どのゲートが(左方向で)一番近くかで選びます。

左側の車線を、前の車の後に付いて低速で走っていれば、後ろから来た車は勝手に追い越して行ってくれます。誰も文句は言いませんし、誰の迷惑にもなりません。

首都高などの一部を除いて、基本的に高速道路の出口は左側にあります。サービスエリアも左側にあります。左側の車線なら高速道路へ入る時も、休む時も、出る時も、慌てて車線変更することがありません。

私の経験では、渋滞の時の車の流れでも、左車線の方が速く流れる印象を持っています。それは、出口が左側にあるために、渋滞を嫌った車が左車線から降りていくためと考えています。

左車線を走り続ける時に注意する点は、左車線が分岐専用レーンになっていたり、出口や行きたい分岐が右側にある場合です。カーナビや案内板などを早めに察知して、落ち着いて車線を変更するようにします。慌てないためにも、事前にルートを調べておくことをお勧めします。

ルートを事前に調べておく

高速道路のスピードによる不安を軽減するためには、走り方だけでなく事前の下調べも効果があります。

高速道路に乗るところから、途中のジャックション、サービスエリア、高速を降りて目的地まで、インターチェンジやサービスエリア、交差点の名前程度は確認しておきます。

地図でも良いですが、インターネットで調べるのが便利です。例えば、「NAVITIME」というルート検索のホームページでは、出発地点から目的地までの、所要時間、各地点の通過時間と各地点間の距離、各交差点の曲がる方向、利用する道路名、などが時系列で一覧されます。

NAVITIMEルート検索画面

<出典画像:NAVITIMEのルート検索画面>

また一覧の各通過地点をクリックすると、横にある地図にフォーカスされ、そのポイントを拡大すれば詳細な周辺状況が分かり、地図から写真にも切り替えられるので、具体的な街並みや道路の様子が見られます。

高速の出口はどちら側にあるとか、途中のジャンクション(分岐)の方向はどちら側なのか、一覧のリストで分かるのが便利です。このルートの一覧リストと地図は、印刷ページでまとめて印刷できます。大体、A4 で2ページぐらいで収まります。

NAVITIME印刷

<出典画像:NAVITIMEルート検索印刷画面>

出発地点と目的地周辺の渋滞情報や付近の駐車場、レジャー施設、レストランやホテルなども調べられます。
NAVITIME周辺情報

<出典画像:NAVITIMEルート検索周辺情報画面>

ルートの一覧を順番に辿って行くと、どの位の時間、距離で、どちらに曲がって、どこでどちらの方向に分岐して、どこのどちら側の出口から降りるのか、降りたらどこの交差点をどちらに曲がっていくのか、そして地図からは、途中や目的地周辺の詳しい街並みや道路の様子を知ることができます。NAVITIMEだけで、全ての事前の下調べが出来てしまいます。

高速道路だけでなく、降りたあとのルートもチェックしておくことで余裕ができます。当日は印刷したものを運転席の横に置いて、カーナビと合わせて利用します。カーナビとNAVITIMEのルートが異なる場合は、異なるポイントだけ承知しておくか、どちらかを優先すれば良いでしょう。

分岐と出口の方向を事前に頭に入れて、キープレフトでゆっくりと、前を走る車に追従していれば大丈夫です。最悪、出口を間違えて行き過ぎたり手前で降りてしまっても、カーナビはルートに復帰しようとしてくれます。どんなに間違えても、いつかは必ず目的地に着きますから、間違いを過大評価して慌てないことです。

キープレフトでゆっくり走れば高速道路は安全と思うこと

高速道路は慣れてくると、自然に速度が速くなってしまう傾向があります。コースも単調で信号もありません。高速道路を良く利用する人と、そうでない人との差が生じやすい道路です。

しかし慣れない人であっても、周りの車とのコミュニケーションを、ウインカーやブレーキランプで伝え合うことができます。自分だけ孤立した世界にいるわけではないのです。

スピードが求められる分だけ一般道よりも早めの判断が必要ですが、キープレフトでゆっくり走っていれば、苦手な部分をカバーすることができます。80km/h以下で左車線だけ走る車と、120km/h以上で追い越したり追い越されたりしている車と比較しても、どちらの方が安全性が高いかは明らかです。

高速道路は信号も交差点もなく、歩行者もいません。その上、同じ方向に向かって走る車ばかりで、対向車もありません。周りの車にしても同様に、ぶつかりたくないと思いながら走っています。急なブレーキや車線変更などのハンドル操作をしなければ、ある意味安全が保障された道路と思うこともできます。

 

毎日生活している、自分が良く知ってる土地ならば、ほとんど問題なく普通に走れるのに、知らない場所や、ちょっと遠出するとなった途端に、不安なことが色々頭に浮かんできて、どうすればいいか、ビクビク緊張してしまうのではありませんか?

  • 標識を見ても「知らない地名」で、方角も今どこに向かって走っているのか分からなくなる。
  • 走るスピードも自然に遅くなって、周りのドライバーからは迷惑がられ、うろうろして事故を起こしてしまうのではないかと不安になる。
  • 頭の中の地図と目の前の景色が食い違って益々焦ってしまう。

知らない場所での、こんなうろたえてしまう自分が想像されて、運転する勇気や自信を失わせてしまいます。

そういった不安を少しでも解消して、安全で安心なドライブができるような方策を考えてみました。

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お気に入りの場所を1つ見つけて詳しくなる

いきなり色々なところで行く心の余裕はありません。1つの知らない場所へ行くにも勇気がいることで、毎回違う場所へ行くのも不安です。

遠出の練習としては、お気に入りの場所、行ってみたかった場所、何度行っても飽きないような場所を1つ決めて、その同じ場所へ何度も行くことです。同じルートなら行く度に緊張も薄れ、遠出のコンプレックスも弱まって、自信にもつながっていきます。

そして、その場所を基点にして、範囲を少しづつ広げていきます。最初は20㎞位のところでも構いません。公園とか山とか川とか自然のある場所も良いでしょう。そこからもう少し先の湖や温泉に足を広げてみたり。もっと先のテーマパークに行ってみたり。得意な方面、得意なルート、得意なエリアが次第に出来てきます。

運転技術全般の知識や経験を紹介する『のっぴードライブログ』を運営されているのっぴーさんは、山梨・長野・静岡・愛知・群馬・新潟・青森・島根など、全国各地の穴場を楽しく紹介されています。長距離運転の自信がついたら勇気を出して、のっぴーさんみたいに美味しいものを食べに出かけてみたいですね。のっぴーさんの新潟県へドライブしたグルメレポートはこちらです。

「のっぴー放浪記 その11 「新潟県」 グルメレポート」

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行き慣れない繁華街は事前に下見をしておく

行きたい場所が遠くの離れた場所ではなくて、普段は敬遠して行かない混雑した繁華街の場合もあります。道の空いた郊外から混んでいて車線変更も大変そうな、繁華街の中へ入って行くのを想像しただけでも憂鬱になるでしょう。

この場合も生きたい場所を1つ決めて、電車で行って下見をしておきます。車を運転する立場から眺めて、どの道から入って行くとか、駐車場の場所や入り方、混雑具合、迷いそうな信号や道路標識などを確認しておきます。駅前のロータリーの入り方や出方、一方通行など、運転している目線でチェックしておきます。

行って下見をする暇もない人は、Googleマップのストリートビューを使って、目的地周辺の道路、建物施設などを事前に調べておくと良いでしょう。

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カーナビだけに頼らず事前に地図で下調べしておく

当日の主役はカーナビですが、事前に地図を見て目的地付近の目標物を確認しておきます。カーナビだけに頼ると、ゴール地点に付いて音声案内が終了した途端に、最終的な目標を自力で探さなくてはなりません。その時になってキョロキョロして焦っては遅いのです。

目標になりそうな建物としては、地図記号になるようなもので、郵便局、役所、学校、交番、あるいは目につきやすいスーパー、コンビニ、レストラン、ガソリンスタンドなどを目印にします。

目的地付近の目印になる建物、近くの交差点や道路の名前などを頭に入れておきます。目的地周辺のことを地図のようにインプットしておけば、カーナビが終わっても慌てません。分からなくても、目的地周辺を余裕を持って周回することも出来ます。

高速道路のルートは頭に入れておく

高速道路を利用する場合、乗るところは問題ないと思いますが、目的地までの間に、どこで分岐して、どこの出口から降りるのかは確認しておきます。

カーナビの目的地をセットすれば、カーソルでルートを目的地まで辿ることができます。出発地点から、どのルートを通って行くのか、どこで分岐して、どこから降りるのか予め知ることができます。

遠出や知らない場所へ行くのが苦手な人は、高速道路も苦手な人が多いでしょう。一番負担に感じるのは、合流や分岐を瞬時に判断して、速い車の流れに合わせることです。まごまごしている余裕はありません。少なくとも、降りる手前のいくつかの出口の名前ぐらいは事前に知っておくと心の準備ができます。

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目的地の駐車場は必ずチェックしておく

今は事前に駐車場の空き具合や予約が出来る時代です。目的地や付近の駐車場の場所の確認は勿論、できれば事前に予約しておきます。

駐車場の予約サイトでは、駐車場付近の写真も掲載されているので、それを頭に入れておくと安心できます。ここでも、Googleマップのストリートビューで、駐車場の周辺が調べられれば見ておくと良いですね。

初めて行く場所では駐車場を探すのが一苦労です。私も慣れない都心で駐車場を探しながら、右折禁止の区間の標識に気づかずに曲がって、警察官に呼び止められた経験があります。それ以来、遠出や初めての場所へ行く時は、必ず事前に目的地近くの駐車場を予約するようにしています。

予約できる駐車場【akippa(あきっぱ!)】

道に迷ったらためらわず停車させて確認する

カーナビだけに頼らず、地図は用意しておいた方が絶対に役に立ちます。

道に迷ったと感じたら、路肩に寄せて停車します。できない場合にはコンビニやガソリンスタンドなどに入ります。地図の道路名や交差点名と、周りの行き先案内看板などと見比べます。店員や通行人に訊くのも良いでしょう。

それでも分からない場合は、確認できていた地点まで戻るか、分かりやすい目標物や信号、道路まで進みます。そこから改めて目的地に再スタートします。

信号を通過する際は交差点の名前を見ておく

目的地に向かう途中の心構えとして、なるべく交差点の信号名は見ておくようにします。こうしておくと、道に迷った時に、地図と現在地の関係が分かりやすくなります。

「あっ、この交差点はさっき通った」とか「この交差点はまだ通っていない」とかの判断材料になります。

事前に地図でルートの下見をしていれば、自分が正しいルートを通過している確認にもなります。少なくても、大きな交差点だけでも、信号機の看板やカーナビが教える名前を見ておくようにします。

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カーナビの設定は距離優先を選ばない

カーナビの設定には距離優先のルートを選択できます。たしかに最短距離ではありますが、狭い道路や右左折を繰り返すようなルートになりがちです。

道に迷った場合、周りを見ても地図のどの辺りかの検討が付きにくく、生活道路を通ることが多いので安全面からも避けるべきです。

地図で道路の名前を見つけやすい、国道や県道などをなるべく通るルートを選択します。私はトヨタの純正カーナビですが、一般道優先か有料道路優先を選択しています。

なるべく視線を遠くに置く

近所を運転するには、さほど必要ではありませんが、知らない道を通る場合には、なるべく視線を前方の遠くに置いて、何台も前の車の動きや交差点の状況に注意を向けます。

右折専用レーンや左折専用レーンに入ってしまって、慌ててハンドルを切って車線変更するなどは危険です。前方の状況を早く把握して、次の行動にスムーズに移れるようにします。

私はカーナビの「斜め左です」みたいな表現が苦手です。道路が斜めに分かれているわけでもない場合がほとんどで、トンネルのように下ったり、逆に登るように分かれている道が多いのですが、前方をよく見ていないと判断に迷う時があります。カーナビの通りに行って、元の道にまた戻っていくようなケースも結構ありました。

都心などの車線の多い道路では、かなり前方を見ていないと、カーナビの「次曲がります」で、慌てながら車線をまたいで変更するような場合もあります。

JAFと契約してアプリを登録しておく

もう何年も前になりますが、湾岸道路を走っている時、左前輪がパンクしました。路肩に止めてタイヤ交換しようとしましたが、直線の長い区間で交通量も多く、後方からスピードを出した車がどんどん近づいて来て、横を走り去っていきます。

「もし、後ろから衝突されたら命はない」と思いました。家族を車から降ろして、路肩で待たせたりしていると、1台のパトカーがやって来ました。事情を説明すると、後方で旗を振ってくれたり、車をジャッキアップしてくれました。この時、高速道路でパンクしたら命がけだと感じました。それ以来、私はJAFと契約しています。

現在、私は年間6,000円の会費を払っていますが、日本全国どこへ行こうと対応してくれるので安心です。高速道路でも山道でも、夜中でも来てくれるという安心感があります。

JAFのアプリを携帯にインストールしてあるので、JAFの会員証やカードを持ち歩く必要もありません。故障があった場合には、アプリからJAFに連絡することも、現在地を知らせることもできます。

JAFアプリ
<出典画像:JAF会員証として使える公式無料アプリ

自動車保険のアプリを登録しておく

事故にあった場合には、保険会社のアプリを携帯に登録してあるので、アプリから保険会社へ連絡出来ます。私の場合は、あいおいニッセイ同和損保ですが、このアプリから保険内容も確認できます。

自動車保険には入っていても、いざという時、現場で保険会社の電話番号が分からなかったという人もいると思います。車のダッシュボードの中の書類を慌てて探す心配もありません。

あいおいニッセイ同和損保アプリ
<出典画像:あいおいニッセイ同和損保アプリ

日本全国交通法規は同じですが・・・

交通ルールや道路標識は日本のどこであろうと共通です。教習所で教えられた通りの基本を守ってさえいれば、どこへでも行けます。

しかし、運転が苦手な人には同じようには映りません。田舎の道と大都会の道路を同じルールや標識で車が動いている様には見えないのです。

地方から出て来た人が東京の渋谷の雑踏を見て、「今日はお祭り?」と思うように、近所のスーパーへ買い物に行くのと、高速道路で首都高を走るのとは、日常と非日常の差があるのです。

だから、運転が苦手な人はそれなりの対策が必要なのです。

教習所で習った運転の基礎と、現実の道路での応用には大きな差があります。教習所で教えられた交通マナーやルールに沿っていない部分が、現実の運転の中には確実にあります。教官の前で行ったら、減点の対象になるであろうギリギリのところで毎日運転しています。

道路の流れに乗れるようになるのは、いずれは時間が解決してくれます。教習所で習った安全運転の基本を大事にしながら、ベテランドライバーの悪いマナーにも屈せずに、流れを切らない運転に慣れて行けばよいのです。

しかし免許取り立ての時期は、戦闘訓練学校から実弾の飛び交う戦場に出たようなものです。「敵の攻め方は教えられたのとは違う」と文句を言っても、八方から予想もしないやり方で飛んで来る弾に対応しなければなりません。自分だけ正しいと思っていても撃たれたら終わりです。

教習所の理想の安全運転から、現実の運転に少しづつ近づけていくのは、理想を捨てるのではなくて、理想の上に積み上げるような意識が良いと思います。基礎と理想は決して無駄なものではありません。我先に行こうとする自分勝手な現実に、ちょっとだけ合わせれば良いのです。

私も時々教習所で習ったことを時々思い出しています。交差点を通過する時は「信号青よし、右よし、左よし」、左折する時は「合図よし、左よし、巻き込みよし」、追い越しする時は「合図よし、ミラーよし」などと、心の中で口ずさんでいます。教習所で教えられた声出し確認は、私の運転の基礎になっています。一方で、「送りハンドル」は駄目だと教えられましたが、右左折する時、ゆっくり曲がる時には送りハンドルにしています。早く回り過ぎるクロスハンドルより安全と分かったからです。

免許取り立ての主婦が、教習所と現実の差に最も戸惑うことが多いと思います。その中で、今回は「法定速度で走っていては遅いのか?」と言う点に注目してみました。慣れれば良いことなのですが、初心者にとっては切実な目の前の悩みです。どうしてそうなるのか。教習所で教わったことと現実の差を悩まないで、納得して受け入れられるための対策です。

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法定速度では遅いの?
法定速度を守って走っていたら、後ろからパッシングされて追い越されたことはありませんか?免許取り立てだからと馬鹿にされたような、邪魔者扱いされたような不快な気分にさせられます。一方で、「自分の運転は下手なのか?迷惑をかけているのか?」と自信を失いかけます。

教習所では法定速度を超えて走らないように指導されます。現実の道路では法定速度では遅く感じられ、車の流れを詰まらせてしまうように思えます。

この差の原因はどこからくるのでしょうか?

実勢速度と規制速度のせめぎ合い
運転者は道路の幅や曲がり具合、車線の数、交通量など、道路環境や交通状況に合わせて、自分が最適だと思う速度で走ろうとします。法律で規制されていることとは別に、本能的に自分で状況を判断して速度を決定しようとします。

このような、ある意味自然の流れで決定される実際の速度を実勢速度と呼びます。実勢速度と言っても、物凄く速く走る車もあれば、物凄く遅く走る車もあります。実勢速度の目安として使われるのが、最も速く走る車の上位15%より下、下位から85%のグループの中での最高速度が使われます。これを「85パーセンタイル速度」と言って、実勢速度として扱っています。

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つまり、現実の車の流れの85%の人がその速度以下で自主的に走っている速度になります。「85パーセンタイル速度」であれば、85%の人が満足して走れる速度になります。

しかし法定速度は実勢速度(85パーセンタイル速度)になっていません。それよりもおよそ10km/hから15km/h遅い設定(基準速度)になっています。

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<出典画像:「速度規制の目的と現状」警察庁交通局

現実の車の多くは実勢速度=85パーセンタイル速度で走っています。その流れの中に、免許取り立ての法定速度を順守した車がいたら、流れ滞らせるような存在になってしまいます。

ベテランドライバーにとっても、10㎞/hから15km/hの実勢速度と法定速度の差が、建前の法律順守と実際の走行速度の矛盾になっています。速度規制の取り締まりがこの差の中で、取り締まり担当者の任意の範囲で行われる場合があるからです。15km/hオーバーで捕まらない場合もあれば、5㎞/hで捕まる時もあり得るのです。

「自分は捕まったのに他の車は捕まらなかった」「法定速度では遅くて走っていられない」実勢速度と法定速度の差の矛盾の中で、「見つからない限り法定速度を違反しても実勢速度で走る」選択をせざるを得ません。

法定速度でなく実勢速度で取り締まってくれれば、違反したとしてもドライバーも納得しやすくなります。「85%の人が満足している速度を超えてしまったのなら自分が悪い」というわけです。
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しかし、実勢速度(85パーセンタイル速度)と法定速度の間は、建前上は違反ですが実際にはグレーゾーンになっています。取り締まり担当者の任意な判断に任されています。1㎞/hでもオーバーしたら即アウトという訳でもなく、15㎞/hまでなら容認されている訳でもありません。私も、法定速度で走るパトカーを追い越して、何事もなく過ぎ去って行った車を何度も見た事があります。(片側2車線の道路ですが)

なぜ実勢速度では駄目なのか?
警察が速度を規制する判断の元になる要因は3つあります。
  1. 市街地の事故の危険性があるかどうか。
  2. 中央分離帯があるかどうか。
  3. 歩行者を保護することが出来るかどうか。
これらの3つの要因は、日本特有の事故の発生原因になっているという主張です。
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<出典画像:「速度規制の目的と現状」警察庁交通局

他の先進国と比べて、車と住環境の近さ、車と歩行者の近さ、対向車と分離されていない道路環境の不整備が根拠となって、実勢速度のまま野放しに出来ない理由になっています。

今後の速度の規制は、生活道路(住居地など)での事故を防止するために低速化させ、一方、幹線道路の整備による高速化の2つの方向に向かうことが予想されます。

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<出典画像:「速度規制の目的と現状」警察庁交通局

法定速度があるから実勢速度もある程度の範囲で収まっているという考え方もできます。

警察の主張は理解できたけどどう対応する?
うっかりスピード違反で捕まってしまった時は、素直に納得できない時もありますが、私たちの安全のための速度規制です。事故にならずに罰金で済むことに感謝すべきなのかも知れません。

確かにある程度交通量があって、車の流れも比較的早い広い道路では、法定速度で走っていては、後続車をイライラさせたり、無理な追い越しをさせて、返って危険を高めてしまうことにもなります。

しかし、住宅地や狭い生活道路では、法定速度以下で走ることが重要に感じられます。私も運転歴を重ねる程、30㎞/h規制されたような道を走る度に、危険を予測しながら走る様になりました。

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<出典画像:「速度規制の目的と現状」警察庁交通局

歩行者に30㎞/hで衝突した場合と50㎞/hの致死率の差を知れば、納得されると思います。「あの路地から子供が急に飛び出して来たら?」という警戒心が強くなってきます。

だから、こう思うのです。歩行者が不意に飛び出さないような大きな道路では、実勢速度(法定読度の10㎞/hから15km/h程度のオーバーを限度に)の流れに乗って走り、いつ急ブレーキを掛けるか分からないような生活道路では、法定速度をしっかり守る。こんな感じの対応で良いのではないでしょうか?

40㎞/h以上の道路では車の流れに沿って走り、30km/h以下の道路ではより慎重に法定速度を守る。

実勢速度(85パーセンタイル速度)という現実も警察は理解しています。特に危険が予測されないような道路では、この実勢速度を警察も実際には尊重しているのではないかと思います。車のスピードメーターの精度にバラツキがあるからとかいう問題ではなくて、そういう認識があるから、多くのドライバーの経験則のように、実勢速度以内なら取り締まりを受けないことが多いのではないでしょうか。


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