私の憧れの外車はフォルクスワーゲンのカルマンギアですが、フォルクスワーゲンにはミニバンもあります。今回は7人乗りでディーゼルエンジンのタイプもあるTouranトゥーランを取り上げてみます。

3列シートのミニバンは、外見よりも内部が広く感じられ、家族的なレジャーだけでなく、3列目を倒して実用車としての利用も多いでしょう。

フォルクスワーゲンゴルフが気に入っていた人が、家族が増えたので、少し大きめのトゥーランに乗り換えるケースもあると思いますが、いざ車庫に入れようとして、想像していたより車体が大きくて困ったということもあり得ます。

ゴルフの車体を引き継いでいるとはいえ、全長もホイールベース、最小回転半径も大きくなっていますので、見た目よりも駐車に必要なスペースは大きくなります。

トゥーランで直角バックするのに必要な、最小の通路幅を検討してみました。
vw-Touran
<出典画像:『フォルクスワーゲン Touranトゥーラン』http://fsv-image.autoc-one.jp/images/2511507/012_o.jpg>

Touranトゥーランのボディサイズ等(諸元)

現行モデルは2016年に国内販売が開始された2台目になりますが、2003年にヨーロッパで発売された初代に比べて、ボディサイズが一回り大きくなっています。

項目サイズ等
全長4,535mm 4,540mm(TSI-R Line)
全幅1,830mm
全高1,670mm
ホイールベース2,785mm
トレッド(前/後)1,570mm/1,540mm(Trendline)
最小回転半径5.5m

ホイールベースは、前輪と後輪の車軸の中心間の距離、トレッドは、内側と外側のタイヤの中心間の距離、最小回転半径は、ハンドルを一杯に切って回転した時の前輪外側のタイヤの描く円の半径です。

トヨタのVoxy(全長4,710mm、全幅1,735mm*大きいグレードのサイズ)に比べて、VWのトゥーランは縦に短く横に広くなった感じです。車高もVoxy(全高1,870mm*大きいグレードのサイズ)に比べて20㎝程低くなっています。トレッドもVoxy(1,500mm/1480mm)より広くなっています。試乗したことはありませんが、数値から見ると、Voxyよりも重心が低く安定性した走りが出来ますね。

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ホイールベースはVoxy(2,850mm)より小さく、最小回転半径はVoxyと同じ5.5mです。

前後輪の車軸からバンパーまでの距離(オーバーハング)はデータがないので、全長からホイールベースを引いて2等分で想定しました。

車庫の間口が2.5mの場合に直角バックに必要な通路幅

スーパーなどの一般の駐車場の1台分の駐車スペースは、2.5mx5~6mが標準です。戸建て住宅などの車庫はもっと広い間口を確保できると思いますが、先ずは間口2.5mx5mの車庫を想定して、トゥーランが直角バックに必要な最小の通路幅を出してみます。

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1回の直角バックで駐車するためには、通路の幅は4.7m以上は必要なことが分かりました。車庫の中心から約4m(3.958m)に後輪、車庫の入り口のラインから約1.6m(1.647m)車体が離れた位置から直角バックすれば1回で綺麗に直角バックできます。

通路が3.4mで車庫の間口2.5mの場合に必要な切り欠き

もし、通路が3.4mしかない場合、車庫の間口が大きければ直角バックを1回で決めることは可能になりますが、その場合に必要な間口の広さを考えてみます。

直角バックに必要なスペースは、回転する内側の間口の余裕です。通路幅が3.4mでも、車庫の入り口の内側が、2.5mより1.1mx1.1m以上の切り欠きのスペースが確保できれば直角バックが1回で可能です。

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新しく車庫を作る場合には、通路幅が3.4mでも、車庫の間口を2.5m+1.1m=3.6m以上で作ればトゥーランを直角バック1回で駐車できます。

建売住宅などでよく見かけるのですが、戸建て住宅に車2台を確保する場合の駐車スペースの設置の方法で、縦横に2台分を確保したプランがあります。

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新築の家を建てる場合には、接する道路は4m以上を確保する決まりですが、4mでもトゥーランでは1回で直角バックできません。

その場合でも2台目の駐車スペースが、1台目の駐車スペースの間口を広げる役目をしてくれます。

大きな車と軽自動車の2台を持っている家などは、縦に2台分の駐車スペースを作るより、縦横に2台分を設置した方が、大きい車は駐車しやすくなります。

バック駐車には間口が広いことがとても有効です。

初代モデルCross-Touranクロスートゥーランならどうか?

現行モデルの2台目より1回り小さい初代モデルのCross-Touranクロスートゥーランでも検討してみます。2016年1月で生産を終了しましたが、まだまだ現役です。

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<出典画像:『初代Cross-Touran寸法図』https://autoprove.net/cms/wp-content/uploads/2013/01/8f250e049613183fb273be50a6101b05.jpg

最小回転半径も2台目の5.5mより小さく5.3mです。

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直角バックに必要な通路幅は、2代目より少し減って約4.5m(4,531mm)になりました。

更に、駐車スペースの間口が大きくなるにつれて、必要な通路幅が狭くても済む様子を見てみます。

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間口を2.5mから4mまで広げてみると、必要な通路幅は図のように漸次少なくなっていきます。

間口は奥まで広くなくても、内側に切り欠きを設けるだけでも大丈夫です。

自宅の車庫であれば、3m以上の間口があると直角バックに必要な通路幅が4mを切りますので、駐車が楽になります。