バック駐車でもたついている人を見ると、
余計なことに一生懸命で、
肝心なところに集中していないことが分かります。


ハンドルを必死で回しているのに、
車が思う方向に行かずに焦っています。
私もそうでしたから良く分かります。


バック駐車でハンドルの回し方は特に重要です。
ハンドルの回し方の3つのポイントを理解できれば、
バック駐車は簡単に克服できます。
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ハンドルの回し方が分からなくなる原因


ハンドルの回し方が分からなくなる主な原因は3つです。
回す速度、車の曲がる向きとの関係、車の向きの確認の仕方です。

ハンドルを速く回し過ぎる


教習所では手を交差させてハンドルを回す、
「クロスハンドル」という回し方しか教えていません。


クロスハンドルは早く回すことができますが、
バック駐車(あらゆる駐車でも同様)では、
そんなに早く回す必要がありません。


むしろ早く回し過ぎるので、
間違った方向へ余計に動かしてしまうのです。

ハンドルの方向と曲がる方向の関係が分からない


ハンドルを回す方向と車が曲がる方向の関係が、
前に進む時は分かるのに、
バックする時になると混乱してしまうのです。


後ろ向きに進むと、
前に進む時とは違うような錯覚に陥ります。


車を曲げたい方向と逆の方向へ、
ハンドルを思いっきり回していたりします。

車体の向きの確認が出来ない


車が思い通りの位置や向きでないことに、
気がつくことが遅いから、
修正することも遅れます。


間違った瞬間に気がつけば、
直ぐに修正が出来ます。


ハンドルを回した結果の反応が、
即確認できないから駐車に時間がかかるのです。


ハンドル回し方と車の向きの確認


無駄な時間をかけずにスームーズにバック駐車するために、
原因になった3つの問題を解決しましょう。

ハンドルの方向と曲がる方向


ハンドルの回す方法と、
車が曲がる方向は、
前進でもバックでも同じです。


左にバックしたければ、
ハンドルも左に回します。
右にバックしたければ、
ハンドルも右に回します。


前進もバックもハンドルを回す方向は同じです。

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バックする時、回す方向がわからなくなる原因


前進と後退でハンドルの回す方向が逆になるようなイメージを持ちやすいですが、実際は同じ方向になります。

錯覚の原因は、バックする時にはルームミラー(サイドミラーも)を見るので、ルームミラーの中では前進のイメージになるからです。例えば、左にバックしたい場合、ハンドルは左に回します。その時、ルームミラーを見ると、車体後部が右に前進しているイメージになります。その錯覚のためにハンドルを右に回したくなるのです。(2021/08/19 追記)

車体の向きの確認


車体が今どちらを向いているかを確認するには、
主に3つの方法があります。


1つは正面のフロントガラス越しの景色と、
自分の車の前部とのバランスで感じ取れます。


車の前部のラインと前の景色との対比で、
真っすぐになっているか傾いているか確認できます。


フロントガラス越しの向きの調整は、
駐車スペースへ入り切った直後に行うと良い方法です。


2つ目は隣の車との並びの空間のバランスで感じ取ります。
しかしこれは微妙な差異なので一番判断が難しい方法です。
この方法はおすすめできません。


3つ目はサイドミラーに映る境界線と車との対比です。
境界線と平行になっているかどうかで判断できます。


サイドミラーから境界線を確認するのが、
最も正確に車の傾きを判断できるので、
車の向きを調整するのはこの方法を使います。


車が駐車スペースに入り切って直ぐに、
フロントガラス越しの景色と車の前部を見比べて、
車の傾きを真っすぐに戻します。


その後はサイドミラーを見ながら、
境界線と車のラインを平行に保ちながら、
微妙な間隔を調節しながらバックしていきます。


ハンドルの遅い回し方


ハンドルを速く回転させてしまうクロスハンドルではなく、
「送りハンドル(プッシュプルハンドル)」を使います。


送りハンドルは車が低速で曲がる場合に用いると、
ゆっくりしたハンドルの回転によって、
車の曲がる速度も抑えられるので安全性が増します。


送りハンドルのやり方は、
片手で送り(プッシュ)、
反対側の手で引く(プル)動作で行います。


(出典:『【初めての運転】 プッシュプル(送り)ハンドル操作方法 AT/MT車』by YouTube)

プッシュとプルはどちらが先でも後でも構いません。
やりやすい方で行ってください。

両手を交差させないので、
一遍に大きく回転することがありません。


送りハンドルは安全を確認しながら曲がるために有効です。
左折や右折の時にも安全を確認しながら曲がることが出来ます。

車の傾きをハンドルを見て判断しない


最後にハンドル操作が苦手な人の欠点を指摘します。


車の傾きをハンドルの傾きを見て判断しようとすることです。

ハンドルを10時10分、9時15分になるように、
ハンドルの向きに気を取られていると、
ますます車が思わぬ方向へ曲がってしまいます。

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バック駐車の基本は、
あくまでもサイドミラーの確認ですが、
車の向きを最初に真っすぐにするのに、
フロントガラス越しに前の景色を確認することが有効です。


ハンドルの向きで車を真っすぐにしようとしないで、
フロントガラスから見つめたまま、
手元のハンドルは見ずに送りハンドルで車の向きを調節します。


決してハンドルは見ない。
駐車スペースに入ったら先ず正面の景色を見て真っすぐにする。
あとはサイドミラーで境界線と平行にバックします。
ハンドルは送りハンドルです。



正面の景色で傾きが判断できない内は、
サイドミラーだけに集中しましょう。

慣れてきたら以下の手順がバック駐車の理想的な手順です。

  1. 内側のサイドミラーで境界線(の延長ライン)をめがけて内側後輪を近づける。

  2. 境界線上(の延長ライン上)に来たら車を曲げる。

  3. 駐車スペースに内外の後輪が入ったら正面の景色を見て車を真っすぐにする。

  4. 内側サイドミラーを見ながら境界線と平行にバックして行く。


ハンドル操作は終始送りハンドル(プッシュプルハンドル)です。

ハンドル操作の上達のコツは、

ハンドルから目を話せ!です。