バック駐車が苦手から得意になった30代主婦のメモ

バック駐車が苦手だった30代主婦が運転が得意になったコツのメモ

タグ:過失割合

運転者の義母は、頭部の裂傷と胸部の打撲。お嫁さんは、頸椎捻挫と左腕の骨折です。これはフィクションです。

過失割合100%ということは、自損事故のように100%の加害者です。そういう事故を起こした車の運転をしていたのが義母で、その車の同乗していたのがお嫁さんという設定です。

加害車両に同乗していた家族でも、ケガの治療費などを保険で払って貰うことができるのでしょうか?

運転していた義母が加害者で、同乗していた嫁が被害者という構図が、保険の世界では成り立つのでしょうか?

もし、貰えるとしたらどんな保険で、どんなふうに貰えばよいのか?自賠責保険と任意保険があることぐらいの知識しかありませんが、疑問の答えを調べてみることにしました。

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先ずどの保険が貰えるのか?

「自賠責保険は誰でも強制的に入らなければならない保険で、それでは保障が足りないから任意保険に入る」というのは、なんとなく理解しています。そして多くの人はそうしていると思います。

しかし、いざ事故に遭って自働車保険のことを考えた時、「どの保険をどのくらい貰えるのか?」はっきり分かりません。私もその辺りを曖昧に理解していて、被害の程度が軽ければ自賠責保険で、大きければ任意保険で、という程度の知識しか持っていませんでした。

今回のお嫁さんの場合、どの保険から賠償金が貰えるのでしょうか?

自賠責保険が最初に適用される保険

事故の被害者を救済する保険は、先ず自賠責保険が適用されます。ですから、お嫁さんが先ず考えることは、自賠責保険が適用されるかどうかということです。

自賠責保険は事故の被害者を救済するための保険ですが、加害者側の車に同乗していたお嫁さんは、負傷したので身体的には被害者と言えますが、保険的にも被害者なのでしょうか?

運転していた義母も負傷していますが、どうなのでしょうか?

自賠責保険は運転者と所有者には保障しない

私が知らなかったことの1つ目です。自賠責保険は、車を運転していた人と車の所有者には保障されないのです。運転者と所有者を専門用語で「運行供用者」というそうです。運行供用者以外の「他人」を救済するのが自賠責保険の目的だそうです。

同乗していたお嫁さんが車の所有者でない限り、運行供用者でないので、自賠責保険で補償されます。運行供用者以外の同乗者は、家族や友人であっても、保険的には「他人」扱いなのだそうです。

ですから、運転していた義母は保障されません。そして、この車の所有者がお嫁さんだったとしたら、お嫁さんも補償されないことになります。

二人とも負傷したのに、もしそういう状況だとしたら悲惨です。

自賠責保険で足りない分を任意保険で払う

恥ずかしながら、今回理解したのことの2つ目は、自賠責保険で足りない分を任意保険で払うという仕組みでした。

ですから、自賠責保険で足りる場合には任意保険は払われないということになります。では、自賠責保険の限度額が気になります。

損害内容限度額
傷害(治療費・文書料・休業損害・慰謝料)120万円
後遺障害(要常時介護、逸失利益の保障)4,000万円
後遺障害(要随時介護、逸失利益の保障)3,000万円
後遺障害(介護を要しない障害で1級~14級、逸失利益の保障)3,000万円~75万円
死亡(葬儀費・逸失利益・慰謝料)3,000万円

お嫁さんは、頸椎捻挫と左腕の骨折なので、おそらく限度額120万円が適用されると思います。後遺障害が残る場合には3,000万円、4,000万円の限度額になります。

実は、自賠責保険にはまだ制約があったのです。

自賠責保険は物損には保障されない

私が知らなかったことの3つ目ですが、自賠責保険で補償されるのは、傷害や死亡などの生命に関わることだけで、壊した物に関しては保障しないということです。

今回の事故で、相手の車両やガードレール、電柱などを壊しても、その賠償に自賠責保険を充てることは出来ません。

なるほど、こういうわけだから、物損に対応した任意保険にも入っておかないと怖いのですね。なるほど。

ところで、今回の事故は、義母の運転していた車が過失割合100%といことですが、相手の車の方にも負傷者が出ていると思います。

だとしたら、自賠責保険の限度額を、両者の負傷した被害者で分け合うのでしょうか?

自賠責保険の限度額は各人個別に適用される

私が知らなかったことの4つ目。負傷した被害者(運行供用者以外の他人)が3人いたとすれば、傷害の限度額は、120万円x3人=360万円になるということです。

これならお嫁さんも安心ですね。

ついでに言えば、もし加害者側の車が2台あった場合には、2台の車の自賠責保険に請求できることになります。

義母の車の他に加害車両がもう1台あった場合、お嫁さんが請求できる傷害の限度額は、120万円x2台=240万円になります。

ちなみに、自賠責保険は使っても等級は下がりません(等級が下がるのは任意保険を使った場合のみ)

お嫁さんが自賠責保険を貰えるとして、それではどこに請求すればよいのでしょうか?

自賠責保険の請求方法

自賠責保険の請求方法は、加害者請求と被害者請求の2種類あるらことが分かりました。知らなかったことの5つ目です。

加害者が直接被害者に賠償金を払って、支払った金額の範囲内で、自賠責保険を契約した保険会社に保険金を請求するのが加害者請求です。保険の契約者に保険金を支払うこの形が、本来の保険のあり方です。

ただし、加害者から損害賠償受けられない場合に、被害者の方が加害者の加入している保険会社に損害賠償を請求することが出来るのが被害者請求です。

加害者請求に必要な書類

提出書類死亡傷害
保険金支払請求書
交通事故証明書
事故発生状況説明書
医師の診断書 または死亡診断書
診療報酬明細書
入院・通院交通費明細書
休業損害、 看護料等の立証資料
被害者の領収証等 加害者の支払を証明する書類
印鑑証明書
委任状および 委任者の印鑑証明
戸籍謄本 

(◎は取り急ぎ必要な書類、〇は後日提出が可能な書類)(出典『加害者請求に必要な書類』https://jidosyahoken.space/jidosya-hoken-kiso/jibaiseki/28/

被害者請求に必要な書類

提出書類死亡傷害
保険金支払請求書
交通事故証明書
事故発生状況説明書
医師の診断書 または死亡診断書
診療報酬明細書
入院・通院交通費明細書
休業損害、 看護料等の立証資料
印鑑証明書
委任状および 委任者の印鑑証明
戸籍謄本 

(◎は取り急ぎ必要な書類、〇は後日提出が可能な書類)(出典『被害者請求に必要な書類』https://jidosyahoken.space/jidosya-hoken-kiso/jibaiseki/28/

任意保険会社の一括支払い制度に任せる

今回のテーマの場合、加害者の立場にある義母が、加入している自賠責保険の会社に加害者請求するか、被害者のお嫁さんが被害者請求することが出来ますが、実際には多くの場合、加入している任意保険の会社に手続きを依頼しているようです。

任意保険の会社は、自賠責保険の保険金(加害者の立場で請求するお金)や、損害賠償金(被害者の立場で請求するお金)を、加害者になりかわって立て替えて、後で自賠責保険会社に請求するシステムを取っているようです。(一括払い制度)

お嫁さんの場合、義母が運転していた車が入っている任意保険の会社に手続きを任せるのが簡単な方法です。

請求手続きの煩雑な手間を、任意保険会社が代行してくれて有難いような仕組みですが、任意保険会社にもメリットがあるようです。

  • 自賠責保険の自由診療を、保険会社にとって負担の少ない健康保険診療に誘導できる。
  • 過失割合を保険会社の負担が少なくなる方向に介入できる。
  • 医療機関との間に入って、治療の打ち切りを通告しやすく出来る。

つまり、任意保険の会社が介入することによって、任意保険会社に有利な方向(負担が少ない方向)で手続きが進行する恐れもあるようです。

お嫁さんの場合も、したたかな任意保険会社の主張を吟味しながらも、結局は一括で任せることになると思われますが、最低限の予備知識は持っていた方が良いでしょう。

自賠責保険だけでも、まだまだ馴染みの薄い規定があって、素人には一筋縄では分かり憎いものがあります。

その上、自賠責保険で補償しきれない場合には、任意保険の手続きも絡んできます。保険料が増えても、「弁護士特約」を付けて、弁護士に交渉を代行してもらうのが、最善の準備と感じました。

しかし、今回のお嫁さんのように、加害者の車に同乗していた家族でも、負傷したケガの治療費などの損害を、自賠責保険に請求できて、不足した分は任意保険でカバーして貰えることが分かりました。

改めて任意保険に入るべきと感じる

任意保険に入っておく利点は、保障だけでなく手続き的な負担の軽減にもなるのだと思いました。自賠責保険だけで足りる場合であっても、任意保険に入っておくべきだと感じます。こんな面倒なこと、ケガの治療の他に煩わされたくないですからね。

任意保険の対人賠償に加入していない12%程の車にちょっと不安を感じます。搭乗者傷害の加入が低いのは、自賠責保険で足りるという判断でしょうか?

保険種類自動車保険自動車共済合計
対人賠償74.3%13.8%88.1%
対物賠償74.4%13.8%88.2%
搭乗者傷害27.9%11.4%39.3%
人身傷害68.7%10.3%79.0%
車両保険43.8%7.0%50.8%

(出典:『自動車保険の概況』https://drivezine.com/kanyu-ritsu/

調べたところ、人身傷害保険で搭乗者傷害をおおよそカバーできるので、重複した内容の保険を掛けないにしている人が多いのが理由のようです。本当に保険は分かり憎いですね。

それでも、自賠責保険を通して、任意保険が以前より理解しやすくなったように思えます。

今回は任意保険のことまで調べられませんでしたが、またの機会に詳しく見てみたいと思います。

ある主婦が運転していた車とバイクの追突事故が起きた状況は次の通りです。

  • 住宅街の4m道路に面した自宅車庫にバック駐車をしていた。
  • 時間は冬の午後6時、街路灯から離れていたので、車庫の付近は薄暗かった。
  • 車を斜めに傾けてから車庫に近づいた時、後から来たバイクが車の側面に追突した。

車庫の場所は、道路の進行方向に対して左側にあり、車は一旦右側に約45度に傾け、左側を内側にしてバック駐車を開始しました。車を傾けた時には、4m道路を塞ぐ形になり、バイクが横を通り過ぎる余裕はありませんでした。

このような、道路に面した車庫に、バック駐車中の車とバイクの追突事故と、同じようなケースの過失割合を説明した記事は、中々見当たりませんでした。

そこで、素人ではありますが、30代主婦のドライバーの一人として、どのような過失割合になるか推理してみようと思いました。

私も道路に面した車庫(駐車場)に、毎日バック駐車しているので、万が一の時のために、どのような過失割合になりうるのか、推測することだけでも、無駄ではないと考えました。
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車とバイクの追突事故に近い典型事例はどれか?

判例タイムズ社が出版している「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」 という書籍が、過失割合の事例を詳しく解説しているそうですが、私はその本を持っていないし、その本に今回と同じような事例が載っているとは限りません。

推理するしかないのですが、駐車中の車とバイクの公道での追突事故に近い典型事例を、公にされている情報の中から探してみました。

1、直進バイクと左折車が追突した典型例

車とバイクの状況バイクの過失(%)車の過失(%)
前の左折車に後ろの直進バイクが追突4060
前の直進バイクに後の左折車が追突2080
直進バイクを追い越した左折車が追突1090

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道路の左にある車庫にバック駐車する状況は、一種の左折ではないかと考えました。

そこで、左折する車と直進するバイクの過失割合を調べると、3通りの状況があって、今回の事例に近いのは、「前の左折車に後ろの直進バイクが追突」の典型例が近く、バイクが40%、車が60%の過失割合です。

車の方が先に左折行動をしていたのだから、バイクにはその行動を認識する余裕があったという理由です。

それでも、車の方が過失割合が大きいのは以下の理由が考えられます。

  1. 「優者危険負担の原則」による。
  2. 車側に巻き込みを予測する注意義務があった。

「優者危険負担の原則」とは、事故の場合に弱い立場のものより、強い立場のものが責任を多く負担するという、自動車保険の基本的な考え方です。歩行者>自転車>バイク>自動車>大型自動車の順に過失割合が大きくなっていきます。

相手が自転車の場合には、車の過失割合は更に大きくなります。参考までに挙げておきましょう。バイクと自転車を同列に考えるのは危険なことが分かります。自転車恐るべしです。

車と自転車の状況自転車の過失(%)車の過失(%)
前の左折車に後ろの直進自転車が追突1090
前の直進自転車に後の左折車が追突0100
直進自転車を追い越した左折車が追突0100

左折車への追突ではありますが、この典型例を参考にすれば、本題のバック駐車への追突事故の過失割合はバイク40%、車60%の推理です。

2、路外から進入した車に直進バイクが追突した典型例

車とバイクの状況バイクの過失(%)車の過失(%)
路外からの左折車に直進バイクが追突1090
路外からの右折車に直進バイクが追突1090

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この典型事例は、道路の外から車が侵入して来て、直進するバイクが追突した事故です。

優先する道路を直進するバイクの行く手を邪魔した形になるので、車の過失割合が90%と高くなっています。

本題のバック駐車の場合も、直進するバイクの行く手を邪魔した形という点では共通しています。ただし、本題の場合には路外からの道路への進入ではなく、道路から路外(車庫へ)退場する途中の事故です。そして、車の方が先にその地点(車庫前)にいたのですから、ここまでの過失の高さにはならないのではないかと考えます。

したがって、この典型事例は本題の事故の過失割合の参考には、そのままでは適さないと思いました。

直進するバイクには前方不注意、速度違反などの修正要素が加点される可能性があるのではないかと考えます。

  • 前方不注意+10%
  • 時速15㎞以上の速度超過+10%(30㎞以上では+20%)
  • ライトの無灯火+10%

バイク側に+10%以上の加点がされるのが合理的な印象を受けます。少なくともバイク側には合計20%以上の過失があると思いたくなります。この典型例を参考にすれば、本題のバック駐車の事故はバイク20%、車80%の過失割合と推理します。

3、駐停車中の車にバイクが追突した典型例

車とバイクの状況バイクの過失(%)車の過失(%)
駐停車中の車に直進バイクが追突1000

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完全に停まっている車は避けようがありませんから、追突したバイクに100%の過失があるのは当然かもしれません。しかし、この状況が成立するには条件があります。

  • 駐停車禁止の場所でないこと(過失の場合は+10%)
  • ハザードランプを点灯していること(過失の場合は+10~20%)
  • 駐停車方法が適切であること(過失の場合は+10~20%)
  • 視認できる状況下で行うこと(過失の場合は+20%)

本題のバック駐車の途中の追突事故は、バイク側から見ると、一時的な駐停車と言えないこともないような気がします。薄暗い道路の真ん中に車を横たえていた状況ではあるわけですから。

そう仮定すると、駐停車の場所や方法は適切でなく、暗くて視認しずらい状況で行っていたという主張も成り立つ可能性はあります。

従って、本題のように夜間の薄暗い場所で、バック駐車の途中の道路を塞いでいる状況は、過失0%になる可能性は低いと考えられます。

後方の未確認(過失なら+10%)、視認されにくい状況下で行った(過失なら+20%)、ハザードランプの無点灯(過失なら+10~+20%)などの加点が有れば、40%以上が加点される可能性はあります。

勿論、先程と同様に、バイク側の前方不注意、速度超過などの過失の可能性は残ります。

この典型例を参考にすれば、本題の事故はバイク60%、車40%の過失割合の推理です。

4、進路変更した車に直進バイクが追突した典型例

車とバイクの状況バイクの過失(%)車の過失(&)
進路変更した車に直進バイクが追突2080

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後続のバイクを、進路変更した車が邪魔をした形になります。バイクからすると、突然目の前に車が現れた訳で、バイク側に不可抗力的な優位を感じます。

しかし、本題のバック駐車の場合には、バイク側には十分車を確認出来得る位置にあるわけで、バイク側の過失はもっと加算されることが妥当です。

前方不注意(過失の場合は+10%)は問われる可能性が高いので、この典型例を参考にすると、本題のバック駐車の事故の過失割合はバイク30%、車70%の推理です。

5、転回中の車に直進バイクが追突した典型例

車とバイクの状況バイクの過失(%)車の過失(%)
転回中の車に直進バイクが追突1090

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この事例も車がバイクの進路を邪魔した形になるので、車の過失割合が高くなります。

しかし、本題のバック駐車では車の移動距離は転回よりも範囲が狭く、移動速度も遅いと考えられ、少なくともバイクの前方不注意の過失+10%は加算されるのが適当と思われます。

従って、この典型例を参考にした場合の本題のバック駐車の過失割合は、バイク20%、車80%と推理されます。

私の推理の結論

本題のバック駐車の車にバイクが追突した場合の過失割合の最終的な推理は、各典型事例を参考に出した推理の過失割合を、単純に平均化することで求めました。

推理の参考にした事例バイクの過失(%)推理車の過失(%)推理
直進バイクと左折車が追突した典型例4060
路外から進入した車に直進バイクが追突した典型例2080
駐停車中の車にバイクが追突した典型例6040
進路変更した車に直進バイクが追突した典型例3070
転回中の車に直進バイクが追突した典型例2080
推理した過失割合の平均3466

私が推理した、バック駐車中の車に追突したバイクとの過失割合の結論は、バイク34%、車66%となりました。

数値的には妥当なような気がしますが、いかがでしょうか?

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