• 他の人と同じようにやっているつもりなのに、駐車して降りてみると斜めになっている。
  • サイドミラーを見ながら真っ直ぐになるようにしていると車止めまで来てしまう。
  • ハンドルが真っすぐに戻っているのかどうかが分からない。

バック駐車で駐車スペースに入れることは出来ても、斜めになってしまうからカッコ悪いし、何度もやり直すのも気が引けます。

「みんなどうして真っ直ぐに駐車できるんだろう?」「自分のバック駐車のどこがまずいのか?」

真っ直ぐに出来ない原因があるわけです。駐車スペースに入れられるのですから、前半の基本操作は身に付いています。問題は後半にあります。バック駐車の理想的な基本動作のある部分を分解すると、

  1. 斜めにした車体を、ピボットエリア(駐車スペース入り口の左右の端を中心にした円)に向けて、内側後輪が近づくように、直線的にバックする。
  2. ピボットエリアに内側後輪が入ったら、そこを軸にするように回転して車体を真っ直ぐにする。
  3. そのまま真っすぐの状態を維持して奥までバックする。 のようになります。

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車が斜めになってしまうのは、2の時点で真っ直ぐになっていないわけです。これをどうやって解消するかが今回の問題です。

斜めの状態のまま3の工程に進むのか、それとも3に進む前に修正するのかです。不十分な状態で3に進むより、車体の向きを修正してから3に進む方が簡単で正確に出来るというのが今回の提案です。

ピボットエリアで回転するのは難しいと感じる人は、

  • どの位回転したら良いのか分からない。
  • 真っ直ぐになったかどうか判断できない。

このような理由です。車がどうしても斜めになってしまう人には、ピボットエリアでの回転よりも、もっと簡単で確実な方法があります。

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誰でも簡単に車体を真っ直ぐに停める方法

どんなに運転が下手な人でも、一人で運転をするのが怖いと思っている人でも、前に向かって走っている時には、右に行ったり左に行ったりフラつくことはありません。細い道であっても、誰でも真っ直ぐ前進することは簡単に出来ます。

ところが、間違えて入ってしまった狭い道などを真っ直ぐバックするとなると、そうはいきません。右や左にフラフラしながら、恐る恐る後退しなければなりません。

前進する時は、微妙なハンドルの調整結果を、大きく開けたフロントウインドウの視界と車体の位置関係から感じ取っています。

それに比べてバックする時は、ルームミラーやサイドミラーからの情報量が少なく、ハンドル操作の効果を感じ取りにくいからです。振り向いてリアウインドウを通して直視したとしても、その傾向は変わりません。

自分の車を真っ直ぐにコントロールするには、バックよりも前に進んでいる時の方が遥かに簡単です。

ですから、バック駐車の場合でも、車体を真っ直ぐにするのが苦手で、どうしても斜めになってしまう人は、バックする時に真っ直ぐしようとするのではなく、前進する時に真っすぐになるようにすれば良いのです。

以下は、ピボットエリアの回転をしないでも、真っ直ぐにバック駐車できるシミュレーションです。

  1. 駐車スペースに対して車の後方を向けながら車を斜めに傾ける。
  2. 駐車スペースの入り口に向かってバックしていく。
  3. 駐車スペースの入り口に車の後部が入ったら一旦停止する。
  4. 車を前進させながら車体を真っ直ぐにする。
  5. そのまま駐車スペースの中へバックする。

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駐車スペースの入り口まで車を持って行くところまでは通常のバック駐車と同じです。違うのは、車の後部が駐車スペースの良い位置(車が駐車スペースの中央に入った位置)で、ここで車体を真っ直ぐにしたい位置まで入ったら、一旦停止して、少し前進させながら車を真っ直ぐにします。

当然ハンドルも真っすぐになっています。車が斜めになってしまう人の多くは、ハンドルが真っすぐの位置になるのが分からないのです。バックしながらハンドルを真っ直ぐにするのは分かり憎くても、前進で真っ直ぐにするのはとてもわかりやすいです。

私の観察では、バック駐車を一発で完璧に出来る人はそれほど多くはありません。一発で入っても真っ直ぐになっていない人が多いのです。また、一回前進して入れ直す人は意外に多いです。

どんなに混雑した駐車場でも、一度前進して入れ直すのは自然な駐車風景です。焦って車を斜めにしてしまうより、余程運転上手と認識されます。

車体が斜めになる原因

ハンドルの真っすぐの位置が分からないから

バックの時にハンドルが真っ直ぐになっているかの判断は、ある程度の距離をバックで走らないと分かり憎いのです。

通常のバック駐車の場合には、工程の半分は回転運動で、直線的にバックする距離が限られています。その中でハンドルが真っ直ぐの位置にあるかどうかを判断するには、

  • 前方の景色と車体の方向の関係を見比べる。
  • ハンドルの向きや軽さを感じ取る。 などの感覚的な情報から短い時間で下さなければなりません。

バックしながら真っ直ぐにしようとするから

前述したように、前進に比べてバックで車を真っ直ぐに保つのは難しくなります。前進に比べて、少ない情報の中で、時間的にも、距離的にも短い範囲で行わなければなりません。

真っ直ぐに調整するタイミングが遅いから

斜めになってしまう多くの場合、車が駐車スペースにほとんど入ってからも、ハンドルを右に左に回して調節しようとしています。

しかし、僅か数メートルの間に車体を真っ直ぐに調整するのは至難の業です。バックしながらだけでも難しい上に、短い距離での調整は斜めになって当然なのです。

駐車スペースの入り口で真っ直ぐになっているのが理想です。そこで真っ直ぐになっていない場合は、前進して真っ直ぐにする方が簡単です。

サイドミラーは白線がないと不正確だから

バック駐車でサイドミラーは重要な役割をします。駐車スペースの中に入ってからサイドミラーで白線との間隔を確かめながらバックしますが、この時のサイドミラーでの確認は、真っ直ぐな状態を維持するための確認であるべきで、曲がっているものを真っ直ぐにしようとするためではないようにしたいのです。

駐車スペースに入ってからサイドミラーを頼りに真っすぐに調整しようとしていると、白線がない駐車場では真っ直ぐ駐車することが困難になります。

駐車スペースの入り口付近で真っ直ぐな状態にしておくべきで、サイドミラーは曲がらないように、隣の車に接触しないように確認するために使います。