バック駐車が苦手から得意になった30代主婦のメモ

バック駐車が苦手だった30代主婦が運転が得意になったコツのメモ

タグ:真っ直ぐ

運転歴6年、無事故無違反でゴールド免許の32歳の主婦がいます。彼女は駐車する時には、毎回一発で白線内に入れられるし、他の車にぶつけたりする事は一度もありません。

彼女は昼過ぎから夕方の間だけ、実家のクリーニング店を手伝っています。彼女の仕事は、仕上がった品物の配達や、店では対応できない注文を、取引先の工場へ届ける役目です。使用している車はハイエースです。

彼女の悩みは、「ハイエースだと真っ直ぐに駐車できるのに、普段乗っている軽自動車(ムーブ)だと必ず斜めになってしまう」というものです。

ハイエースの方が大きいから、ムーブよりバック駐車するのは難しそうな気がしますが、彼女にはハイエースの方が綺麗に駐車できるそうです。

これには原因があるでしょうか?

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<出典画像:『トヨタ・ハイエース』https://ja.wikipedia.org/wiki/トヨタ・ハイエース#/media/File:Toyota_Hiace_H200_501.JPG>

ハイエースとムーブの大きさの比較

項目ハイエース(スーパーGL)ムーブ(L)
全長4,695mm3,395mm
全幅1,695mm1,475mm
全高1,980mm1,630mm
ホイールベース(前後の車軸中心間の寸法)2,570mm2,455mm
トレッド(左右のタイヤの中心間の寸法)1,470/1,465mm1,305/1,295mm
最小回転半径(最小回転時の前輪外側タイヤの描く円軌道の半径)5.0m4.4m

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車の大きさの違いが、バック駐車の際に車が真っ直ぐにならないことに、どのような影響を与えているのでしょうか?

普通免許で乗れる車であるならば、運転の操作や結果に違いが出てしまうのは、そもそも運転の根本が正しくない可能性を伺えさせます。

バック駐車の操作の過程のどこかに問題があるはずです。その前にハイエースとムーブが回転した時の比較を見てみましょう。

ハイエースとムーブの回転の差

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白い方がハイエースの回転の様子で、黄色がムーブです。円の中心から車体の側面までの距離の差は、2,706mm-2,261mm=445mmです。一方、車体前部の外側端が描く円の距離の差は、5,707mm-4,738mm=969mmです。

これらのことから次のことが分かりました。

  1. ハイエースは小回りが利く(中心から車体側面までの差が445mmしかない)
  2. ハイエースの外側オーバーハングが大きい(車体前部外側端の円半径の差が969mmもある)

分かりやすく言えば、両者の描く内側の円の半径の差は小さく、外側の円の半径の差は大きいのです。ハイエースはバック駐車する場合には小回りが利きますが、前向き駐車の場合には、前部のオーバーハング(前輪の車軸の中心と車体端との距離)が大きいので広いスペースが必要になります。

最小回転半径の差は、5.0m-4.4m=0.6m=600mmなのに比べて、車体内側側面の円の半径の差が445mmなのでも、ハイエースの小回りの良さを示しています。厳密に言えば、内側の小回りで、バック駐車にメリットのある性能です。逆に言えば、ムーブに比べて外側は大回りの度合いが大きいという性能です。

バック駐車する場合には、回転の内側(車体の内側)を主に注視することになります。ハイエースとムーブでは、回転の内側の半径の差が車体の長さに比べて小さいので、回転の動きに伴う難しさの差も少ないはずです。

ムーブの方が真っ直ぐ駐車しにくい原因は、回転の性能の差にはないようです。

長い線のほうが方向が分かりやすい

私が注目したのはボディの長さの違いです。特に運転席から後部までの側面の長さです。一つの目安として、前輪の中心と車体後部端との長さをひっかうすると、ハイエースが3,632mmでムーブが2,925mmです。その差は707㎜です。

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サイドミラーから車体の側面と後方の端を見た時、長い方がバックして行く方向を捉えやすくなります。長い物差しの方が短い物差しより、指し示す目標への方向が分かりやすくなります。

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サイドミラーから見た場合には、両者の長さは見た目には大きな差を感じませんが、ハイエースの後部の端はムーブよりずっと先の位置を示しています。サイドミラーが凸レンズのため、ミラーの端に写るものを中央に集めて反射するからです。

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イメージとしては、ハイエースの方が、ムーブより先の方に到達しています。運転席が同じ地点にあった場合、ハイエースの方が、ムーブより先の地点を通過するのを、予測でなく車体を見て確認できるのです。

一般的なバック駐車は、車を傾けた状態で駐車スペースの入り口へ向かっていきますが、車が長いと(物差しが長いと)、駐車スペースの白線と車の側面のラインとの角度の関係で、その車の角度で入れるかどうかの判断もしやすくなります。

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バック駐車の工程が進んで、車が駐車スペースの枠内に入ってきた時、車が長いと車の後部が駐車枠の奥に早く到達するので、車の後方と駐車枠の奥の空きと手前の近い方の車体側面との空き、車体の奥と手前の白線との平行関係を早く確認できます。

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下の動画はハイエースでのバック駐車の様子です。やはり、サイドミラーからも、後方の車体と駐車枠の関係から、車の位置関係を早く察知できるのを感じ取れます。

<出典動画:『駐車の方法』YouTube>

早い方向の把握と小回りの差が少ないこと

ハイエースは長いボディの割には小回りが利くので、バック駐車の時の回転が他の大きな車に比べて小さく操作できることと、ボディーが長いことによって、サイドミラーの中で車の方向や位置を早く知ることができることの2点が、軽自動車のムーブよりハイエースの方が、真っ直ぐに駐車しやすいという現象を生むのではないかと考えられます。

ムーブのバック駐車の仕方にも問題はないか?

ハイエースで出来てムーブで出来ないのは、バック駐車の仕方にも問題があるはずです。

ハイエースで真っ直ぐに駐車できるのなら、ハイエースの駐車の仕方が正しくて(少なくとも32歳主婦の彼女にとって)、ムーブの駐車の仕方が正しくないのです。

ハイエースでは、ボディが長いために、駐車枠に斜めに向かっていく時や、枠に入ってから奥までバックしていく時に、車の側面を1本の線のようにして、駐車枠の白線と絶えず角度や距離を比較しながら操作しているはずです。

ムーブの場合には、サイドミラーに写る車の後部が近いので、車体の側面を線として見ていないのではないでしょうか?むしろ後輪を強く意識してしまって、車体がどちらに向かっていくのかの判断が、車体の側面を物差しのように使った感覚ではなく、後輪を点のように使った感覚で行っていると思われます。

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ムーブのバック駐車が、駐車スペースの枠の白線と、車の後輪とを目安にした、線と点の関係であるのに対して、ハイエースは長い車の側面を物差しのような線として使った、線と線の関係であることが、真っすぐに駐車できる結果になっていると推測します。

従って、彼女の場合、ムーブでもハイエースと同じように、サイドミラーの見方として、車の側面から後部に掛けてのラインを目安にして、駐車枠との角度や位置関係を確認しながらバック駐車するのが良いと思われます。

 

真っ直ぐ中央にバック駐車が出来るハンドル操作とサイドミラーの見方

バック駐車の方法は、車に角度を付けて真っ直ぐにか、あるいは90度の位置から、駐車スペースに円弧を描いて後退していくなどのやり方で行います。

駐車スペースの枠に入ることも大きなバック駐車の要素ですが、今回はスペースの枠内に入るところからの問題点に焦点を当てたいと思います。

駐車スペースの入り口に入ってから、奥の車止めまで後退していく間のハンドル操作とサイドミラーの見方です。車が真っ直ぐにならない、中央に停められないなどの問題は、入り口から車止めまでのハンドル操作とサイドミラーの見方に原因があります。

  • ハンドルで真っ直ぐの位置が判断出来ない。
  • 曲がったまま、あっという間に車止めまで行ってしまう。
  • サイドミラーを見ているつもりなのに曲がってしまう。
  • 上手く出来たつもりでも、降りてみると真ん中に停まっていない。

誰でも確実に、駐車スペースの中央に真っ直ぐ停められるようになるコツがあります。それはハンドルの操作ですが、同時にサイドミラーの見方でもあります。サイドミラーの見方が間違っているから、ハンドル操作も間違うことになるのです。

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0)ハンドル操作は【送りハンドル】を用いる

バック駐車の前半部分、つまり、駐車場の通路に入って来て(あるいは車庫前の道路を走って来て)、駐車スペースの入り口に車の後部を向けるように車を傾け、入り口に向かってバックして行く。ここまでの部分はクロスハンドルでも構いません。

しかし、バック駐車の後半部分、すなわち、斜めに傾いていた車を真っ直ぐになるように回転し、駐車スペースの奥の車止めまでバックして行く。この工程にはクロスハンドルでなく、送りハンドル(プッシュプルハンドル:Push Pull Handle)を用います。

<出典動画:『ハンドルの回し方を使い分けろ!AT/MT車共通』YouTube>

クロスハンドルは大きな量を素早く回転させることが出来るので、瞬時の方向移動には向いていますが、その分、回転させ過ぎてしまう危険性も高いのです。

送りハンドルは回転する量とスピードが緩やかなので、慎重な方向移動を必要とする場面に適しています。私は、左折と右折の時と、バック駐車、縦列駐車の時などには送りハンドルを使っています。回転する量も少なくスピードも遅いので、その分正確で、視覚的な確認をする余裕も生まれます。

1)【出来る限り手前に】ピボットエリアを想定する

駐車スペースの入り口(間口)のライン上にピボットエリア(内側の後輪を軸として回転するエリア)を想定するのが一般的ですが、より簡単に確実に、車体を真っ直ぐ中央に駐車させるには、このピボットエリアを、出来る限り手前に想定します。

ピボットエリアで回転して、駐車スペースの枠内に入り込むことは特別難しいことではありませんが、1回で「完璧に」真っ直ぐ、「完璧に」中央に入り込むことは、そう簡単なことではありません。

<出典動画:『初心者運転 サイドミラーだけで車庫入れするコツ 駐車』YouTube>

この動画でも分かるように、ピボットエリアの想定が駐車スペースの入り口の角に想定すると、その後の修正に用いられる奥までの距離が短いために、前進して修正を余儀なくされています。この動画の駐車場のように通路に余裕がある場所では、もっと入り口よりも手前にピボットエリアを想定すれば、前進でやり直さなくても、奥までバックする間に修正が可能になります。

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<出典画像:『出来る限り手前にピボットエリアを想定する』>

駐車スペースの奥、車止めまでバックする間に、方向をハンドルで修正しますが、修正に用いられる距離が長い程、修正が容易になります。

斜めの角度から接近して、車を立て直すために回転するポイントの、ピボットエリアが手前である程、その後の修正に距離的な余裕ができます。

一般的な入り口ライン上の位置より、その延長線上の、より手前にピボットエリアを想定して、そこを目標に内側の後輪を接近させます。

2)【回転終わったら中央に】の意識

多くのバック駐車では、40度から60度くらいの角度で、駐車スペースに入ってきます。真っ直ぐ入ってくる場合もあれば、小さな円弧を描きながら入ってくる場合もあります。狭い場所では、角度を付けずに直角に円弧を描いて入る方法(直角バック、直角駐車)もあります。

いずれにしても、重要なポイントは、駐車スペースの入り口から少し入った地点を、左右の後ろのタイヤが通過する時には、車体がスペースの中央になっていなければならないという意識です。

車を傾けた角度から入ってくる場合、内側のタイヤを軸に外側のタイヤが円弧を描くように入ります。(いわゆるピボットエリアを中心にした車の回転)この回転が終わった時点で、駐車スペースの入り口から3分の1付近で、車体がスペースの中央になっていなければなりません。

最も求められるのは、車体が中央にあることで、真っ直ぐになっているかは二の次です。

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1度で中央に入るのは難しいことなのですが、目指す理想は中央になっていることです。車体が真っ直ぐになているかどうかよりも、中央になっているかを重視します。

ピボットエリアでの回転が終わった時、両方のサイドミラーで確認するのは、手前の方ではなく、駐車スペースの奥、車止めや奥の白線から判断して、左右で同じような隙間になっているかどうかを見るのです。駐車スペースの奥の方をサイドミラーで確認することによって、車が駐車スペースの中央に回り込めたかどうかを判断します。

駐車スペースに回転した入り込んだ時に重視するのは、真っ直ぐであるかどうかよりも、車体が、特に車体後部が、駐車スペースの枠の中央に来ているかどうかを意識するようにします。その時点で車体が真っ直ぐでなくても、奥にバックしていく工程で真っ直ぐに修正されます。

3)【左右の隙間が均等に】なるようにバックする

車が駐車スペースの中央にあるかどうかは、スペース奥の車止めや白線が、車の後部からはみ出した分で判断します。

できる限り早い段階で、駐車スペース奥の左右の隙間が均等になるようにハンドルを操作します。サイドミラーで見るポイントは、手前ではなく車止めや奥の駐車枠の白線が、車の後部の左右からはみ出した分が均等になる様にするのです。

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<出典画像:『左右の隙間が均等になるようにバックする』>

車がバックするに従って、隙間の均等が整って行きます。均等を維持したままバックしていけば、自然に車体は真っ直ぐになっています。

左右どちらか片側だけの白線に沿って、車体を平行にしながらバックする方法もありますが、スペースの中央に停めることは同時には出来にくいのです。

サイドミラーの片側だけを見ながらバックして行くのではなく、両方のサイドミラーの奥の方、車止めや奥の白線を見て、均等になるようにハンドルを操作しながらバックして行きます。

4)大きなズレは【前進して修正】する

車の左右の後輪が駐車スペースに入り、車体が真っ直ぐ近くになる時点では、既に駐車スペースの3分の1に達しています。回転の後、中央の位置に回り込んでいない場合、ズレが大き過ぎると、その後のバックする過程で修正しきれません。

無理に修正しようとすると中途半端な傾きのまま車止めに達してしまいます。これは、バックしながら幅寄せしているのですが、距離が足りないために、幅寄せの途中、つまり車の傾きを元に戻せないまま停止してしまうことになるからです。

そのような時は、前進して幅寄せをしながら、車が中央に来るようにハンドルを操作します。この場合でも真っ直ぐさせようとする意識でなく、中央に移動させる意識で行います。

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<出典画像:『前進して幅寄せしながら中央に移動する』>

例えば、左側の隙間が大きすぎると判断した場合、前進しながら左にハンドルを切ります。左側に修正した分車が寄ったら、ハンドルを右に戻して車体を真っ直ぐにします。左右のサイドミラーで後方の隙間を均等になるように調節しながらバックします。

1回のバック駐車で曲がったり偏って駐車するよりも、一旦前進して、真っ直ぐ中央に駐車出来た方が、自分でする評価も、周囲から見られる評価も高いのです。駐車スペースの中に、綺麗に収まっていない自分の車を見るのは、いつまで経っても良い気分ではありません。

 

 

バック駐車を極めるのは、意外に奥が深いのです。一発で駐車スペースの中に入れることが出来るようになっても、車体が斜めになってしまう人はたくさんいます。

車体が真っ直ぐに入れられるようになっても、駐車スペースの片側に寄ってしまう人もいます。どんなベテランでも、毎回のバック駐車で、

  • 一回で駐車スペースに入る。
  • 車体が真っ直ぐになる。
  • 駐車スペースの中央に停車する。

という3拍子揃って完璧に出来る人は少ないのではないでしょうか。

今回は、車体を斜めにならずに真っ直ぐにすることと、駐車スペースの中央に停めることが出来る方法を考えてみます。そのためのツールの使い方として、サイドミラーの見え方を知る必要があります。

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サイドミラーは凸面鏡

見通しの悪い所に立っているカーブミラーの表面が、膨らんだ球面なっているのは、なるべく広い範囲の景色を鏡の中に取り込みたいからです。

車のサイドミラーも、カーブミラー程ではありあせんが、微かに膨らんだ球面になっています。役割もカーブミラーと同じで、小さな鏡の中に広い範囲を映したいためです。

このような鏡を凸面鏡(とつめんきょう)といいます。凸面鏡の特徴は、広い範囲の光を鏡の中央に集めます。そのため、遠くの景色は実際よりも遠くに、実際よりも中央に寄って見えます。

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<出典画像:『凸面鏡の特徴』>

スプーンの膨らんだ面に、並行した2本の線を映すと、スプーンの端では間隔が狭く、スプーンの中央では間隔が広く見えます。

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<出典画像:『スプーンに移した平行な2本の線』>

駐車場の白線をサイドミラーに映した場合も、カーブミラーやスプーン程極端ではありませんが、同様の現象が起きています。

バック駐車で、車の横にある白線は、サイドミラーの中では、手前は実際よりも車体から離れて見え、奥の方は実際よりも車体に近く見えます。

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<出典画像:『サイドミラーに映る白線と車体との間隔』>

平面の鏡でも、遠近法で遠くのものは中央に寄って、手前のものは外側に広がって見えます。凸面鏡は、自然な遠近法よりも更に誇張された見え方になります。

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<出典画像:『遠近法によるものの見え方』>

車体は完全な直方体ではない

白線に平行になる様に比較する対象の車体のラインは、正確な直線ではありません。ほとんどの車は、正面(フロント側)や背面(リア側)から見た時、車の上の方が狭くなっています。完全に四角い箱のような直方体ではありません。

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<出典画像:『NOAHの車体寸法図』https://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-15-e7/ogw2ogw2/folder/709574/62/38584962/img_0>

サイドミラーから見える車体の後部側面は、下側から続いた直線が上側にかけて斜めのラインになります。このため、遠くの白線と車の間隔の狭さを心理的に緩和させる効果を持ちます。車体の上側も下側と同じ直線のラインだったら、もっと狭く感じられるはずです。

サイドミラーに映る車体と白線

<出典画像:『サイドミラーに映る白線と車体後部のライン』http://carinformation.xyz/wp/wp-content/uploads/2017/03/c8ddd5eda68465cf5dc70bb8bf87a323_s.jpg>

特にエスティマなど、全長が長くて上体が丸みを帯びたワンボックスタイプの車は、遠くの白線と車体との間隔が実際より狭く感じられるはずなのに、上体の曲線のためにそう感じさせ憎くしています。そのため、白線と車体を平行させることだけを頼りに真っ直ぐにしようとすると、実際の距離感を複雑に惑わされて、結果は斜めになりやすいのです。

エスティマの丸みを帯びたボディライン

<出典画像:『エスティマの丸みを帯びた上体のボディライン』http://www.do-blog.jp/raisen/photo/20150502-1957.JPG>

サイドミラーのどこを見れば斜めにならないのか?

サイドミラーを見ながら車体の斜めを整える場合には、2つの鉄則があります。

  1. 片側だけに頼らず両側のサイドミラーを見比べること。
  2. 車体の側面と白線を平行にするのでなく、車体最後部両側と白線との間隔を見比べること。

サイドミラーは凸面鏡で、車体の上部は斜めのラインになっています。白線と車体を平行にさせるには、それらを勘案したコツが必要です。また、白線と車体側面を平行にしようとすると、どうしても片側のサイドミラーに偏ることになり勝ちです。

微かですが、歪んだサイドミラーの中で、しかも片側のサイドミラーだけで、白線と車体側面を平行にするのは、実は難しいテクニックなのです。

もっと簡単で確実に車体を真っ直ぐにできるサイドミラーの見方があります。

両側のサイドミラーで、車体の左右の最後部と、白線の隙間が同じになるようにするのです。

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<出典画像:『車体両側最後部と白線の間隔が同じようにする』>

サイドミラーで色々なところを見る必要はありません。車体の後ろの端と白線との間が、左右で同じになるように調整するだけです。

  • 左右で一点だけ見れば良い。
  • 遠くのポイント(車の最後尾)を注視するので後部の衝突も防げる。
  • 斜めになるのを防ぐだけでなく、駐車スペースの中央に停車できる。

などの利点もあります。

私も片側だけのサイドミラーに頼るのを止めた

私も長い間、片側のサイドミラー(内側のサイドミラー)と白線を平行にする方法で、車体を真っ直ぐにしようとしていました。このブログでも最初の頃にその方法を紹介している記事もあります。

しかし、完璧に真っ直ぐにならなかったり、駐車スペースの中央でなかったりするのが不満でした。その両方の悩みを解決してくれたのが、両側のサイドミラーで、車体の後部と白線の隙間を等しくさせる方法です。

バック駐車はサイドミラーだけで行うものではありません。本当は、駐車スペースに入り込む段階で車体を真っ直ぐにしておくべきです。そのために、一旦入った後に前進して、幅寄せして車体を真っ直ぐにする方法も紹介しています。

『バック駐車でどうしても車体が斜めになって真っ直ぐに停まられない人へ』

斜めになった車体を、サイドミラーで真っ直ぐに操作するというより、ほとんど真っ直ぐなものを、微調整しながら中央へ停めるというのが理想です。一発でバック駐車しなくても良いのです。

駐車場で、真っ直ぐスペースの中央に駐車させている車を見ると、「この車の人、運転上手いな」と思います。

 

 

  • 他の人と同じようにやっているつもりなのに、駐車して降りてみると斜めになっている。
  • サイドミラーを見ながら真っ直ぐになるようにしていると車止めまで来てしまう。
  • ハンドルが真っすぐに戻っているのかどうかが分からない。

バック駐車で駐車スペースに入れることは出来ても、斜めになってしまうからカッコ悪いし、何度もやり直すのも気が引けます。

「みんなどうして真っ直ぐに駐車できるんだろう?」「自分のバック駐車のどこがまずいのか?」

真っ直ぐに出来ない原因があるわけです。駐車スペースに入れられるのですから、前半の基本操作は身に付いています。問題は後半にあります。バック駐車の理想的な基本動作のある部分を分解すると、

  1. 斜めにした車体を、ピボットエリア(駐車スペース入り口の左右の端を中心にした円)に向けて、内側後輪が近づくように、直線的にバックする。
  2. ピボットエリアに内側後輪が入ったら、そこを軸にするように回転して車体を真っ直ぐにする。
  3. そのまま真っすぐの状態を維持して奥までバックする。 のようになります。

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車が斜めになってしまうのは、2の時点で真っ直ぐになっていないわけです。これをどうやって解消するかが今回の問題です。

斜めの状態のまま3の工程に進むのか、それとも3に進む前に修正するのかです。不十分な状態で3に進むより、車体の向きを修正してから3に進む方が簡単で正確に出来るというのが今回の提案です。

ピボットエリアで回転するのは難しいと感じる人は、

  • どの位回転したら良いのか分からない。
  • 真っ直ぐになったかどうか判断できない。

このような理由です。車がどうしても斜めになってしまう人には、ピボットエリアでの回転よりも、もっと簡単で確実な方法があります。

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誰でも簡単に車体を真っ直ぐに停める方法

どんなに運転が下手な人でも、一人で運転をするのが怖いと思っている人でも、前に向かって走っている時には、右に行ったり左に行ったりフラつくことはありません。細い道であっても、誰でも真っ直ぐ前進することは簡単に出来ます。

ところが、間違えて入ってしまった狭い道などを真っ直ぐバックするとなると、そうはいきません。右や左にフラフラしながら、恐る恐る後退しなければなりません。

前進する時は、微妙なハンドルの調整結果を、大きく開けたフロントウインドウの視界と車体の位置関係から感じ取っています。

それに比べてバックする時は、ルームミラーやサイドミラーからの情報量が少なく、ハンドル操作の効果を感じ取りにくいからです。振り向いてリアウインドウを通して直視したとしても、その傾向は変わりません。

自分の車を真っ直ぐにコントロールするには、バックよりも前に進んでいる時の方が遥かに簡単です。

ですから、バック駐車の場合でも、車体を真っ直ぐにするのが苦手で、どうしても斜めになってしまう人は、バックする時に真っ直ぐしようとするのではなく、前進する時に真っすぐになるようにすれば良いのです。

以下は、ピボットエリアの回転をしないでも、真っ直ぐにバック駐車できるシミュレーションです。

  1. 駐車スペースに対して車の後方を向けながら車を斜めに傾ける。
  2. 駐車スペースの入り口に向かってバックしていく。
  3. 駐車スペースの入り口に車の後部が入ったら一旦停止する。
  4. 車を前進させながら車体を真っ直ぐにする。
  5. そのまま駐車スペースの中へバックする。

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駐車スペースの入り口まで車を持って行くところまでは通常のバック駐車と同じです。違うのは、車の後部が駐車スペースの良い位置(車が駐車スペースの中央に入った位置)で、ここで車体を真っ直ぐにしたい位置まで入ったら、一旦停止して、少し前進させながら車を真っ直ぐにします。

当然ハンドルも真っすぐになっています。車が斜めになってしまう人の多くは、ハンドルが真っすぐの位置になるのが分からないのです。バックしながらハンドルを真っ直ぐにするのは分かり憎くても、前進で真っ直ぐにするのはとてもわかりやすいです。

私の観察では、バック駐車を一発で完璧に出来る人はそれほど多くはありません。一発で入っても真っ直ぐになっていない人が多いのです。また、一回前進して入れ直す人は意外に多いです。

どんなに混雑した駐車場でも、一度前進して入れ直すのは自然な駐車風景です。焦って車を斜めにしてしまうより、余程運転上手と認識されます。

車体が斜めになる原因

ハンドルの真っすぐの位置が分からないから

バックの時にハンドルが真っ直ぐになっているかの判断は、ある程度の距離をバックで走らないと分かり憎いのです。

通常のバック駐車の場合には、工程の半分は回転運動で、直線的にバックする距離が限られています。その中でハンドルが真っ直ぐの位置にあるかどうかを判断するには、

  • 前方の景色と車体の方向の関係を見比べる。
  • ハンドルの向きや軽さを感じ取る。 などの感覚的な情報から短い時間で下さなければなりません。

バックしながら真っ直ぐにしようとするから

前述したように、前進に比べてバックで車を真っ直ぐに保つのは難しくなります。前進に比べて、少ない情報の中で、時間的にも、距離的にも短い範囲で行わなければなりません。

真っ直ぐに調整するタイミングが遅いから

斜めになってしまう多くの場合、車が駐車スペースにほとんど入ってからも、ハンドルを右に左に回して調節しようとしています。

しかし、僅か数メートルの間に車体を真っ直ぐに調整するのは至難の業です。バックしながらだけでも難しい上に、短い距離での調整は斜めになって当然なのです。

駐車スペースの入り口で真っ直ぐになっているのが理想です。そこで真っ直ぐになっていない場合は、前進して真っ直ぐにする方が簡単です。

サイドミラーは白線がないと不正確だから

バック駐車でサイドミラーは重要な役割をします。駐車スペースの中に入ってからサイドミラーで白線との間隔を確かめながらバックしますが、この時のサイドミラーでの確認は、真っ直ぐな状態を維持するための確認であるべきで、曲がっているものを真っ直ぐにしようとするためではないようにしたいのです。

駐車スペースに入ってからサイドミラーを頼りに真っすぐに調整しようとしていると、白線がない駐車場では真っ直ぐ駐車することが困難になります。

駐車スペースの入り口付近で真っ直ぐな状態にしておくべきで、サイドミラーは曲がらないように、隣の車に接触しないように確認するために使います。

いつもバック駐車で真っ直ぐ入れない。一旦前進してまた下がる。この前は、ちょっと前進して切り返したけれど、完全に真っ直ぐにならなかった。今度はもっと大きく前進して切り返したら、なんとか真っ直ぐになった。

切り返すために前進するのはかっこ悪いから、駐車枠の中で調整しようとしたけど、車を降りて見ると、かえって余計曲がっていた。サイドミラーで真っ直ぐにしたつもりなのに、曲がってしまった。

いつもこんな調子で、バック駐車が真っ直ぐに出来たり出来なかったりしていませんか?真っ直ぐになるのは偶然みたいな風に捉えていませんか?

バック駐車で真っ直ぐ入れない人の多くが陥っている原因があります。この原因を理解すれば、偶然性を無くして、常に一発で真っ直ぐ入れるようになります。

幾何学模様

バック駐車が曲がる原因

ほとんどの駐車場は、バック駐車が可能なスペースを確保しています。バック駐車が可能なスペースとは、車を斜めに傾けて切り返しせずに、一回でバックして駐車できるスペースです。

しかし、車が曲がって入ってしまうと、駐車枠の中で立て直すのは難しいのです。奥行5~6mの距離で曲がった車の向きを真っ直ぐにするには、距離が十分ではありません。実際は、後輪が数メートル入ってしまっているので、立て直すために使える距離はもっと短いのです。

バック駐車で曲がってしまう原因は3つあります。

  1. スペースを一杯に使って車を大きな角度で傾けていない。
  2. 近づけることと回転することを同時に行っている。
  3. 駐車枠の中で調整しようとしている。

何のために角度をつけて車を傾けるのか、本当の意味が分かっていません。だから、もっと大きな角度で傾けるスペースがあるのに、45度ぐらいがいいのではないか、ぐらいの認識で行っているのです。

それから、想像してみてください。空き缶を立てて、その空き缶に数メートル離れた位置から、内側後輪を当てるゲームです。離れた位置から回転しながら当てるのと、真っ直ぐ下がって当てるのとどちらが簡単、確実ですか?

斜めに傾けた車を、どこかで真っ直ぐに戻さなければなりません。問題はどの地点で戻すのが良いかです。離れた位置で回転しながら駐車枠の中に入るのは、車を真っ直ぐに回転させることと、駐車枠に入れることの2つの事を同時に行っているのです。

1つでも難しいのに、2つ同時では尚更です。

多くの人がバック駐車を難しくしているのも、この点です。多くの人は回転しながら車を真っ直ぐにして、回転しながら駐車枠に入れようとしているのです。

更に車体が真っすぐになったかどうかの判断にも原因が潜んでいます。ほとんどの人が、曲がってしまった後に判断しています。

バック駐車を一発で真っ直ぐ入れる方法

バック駐車を簡単、確実にするには先ず2つのことを分けます。

  1. 真っ直ぐに近づいて駐車枠に確実に入れる。
  2. 少ない回転で確実に真っ直ぐに戻す。

バック駐車に限らず、どんなことでも2つのことを同時に実行するのは難しいことです。ところが、運転が苦手な人、バック駐車が苦手な人でも、こんな難しいことを行っているのです。

理論的にはどの角度からでも駐車枠に入れることは可能

駐車枠のどこをターゲットポイントにすれば良いでしょうか?

当然、駐車スペースの中央に真っすぐに車を収めた時のタイヤ、あるいはボディ側面の延長線と、駐車スペースの入り口の水平ラインが交わる辺りなのは想像できます。

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<出典画像:『駐車枠のターゲットポイント』>

真っ直ぐターゲットにバックして行けば、どんな角度からでも確実に近づくことができます。駐車場によって、通路の幅は異なります。通路の幅が広い程、車を大きな角度で傾けることが出来ます。駐車枠に対して垂直(90度)に近づくほど、バック駐車は簡単になります。

ですから、通路の幅に合わせて、出来る限り大きな角度で車を傾けたい訳です。言い方を変えれば、駐車場によって、車を傾ける角度は変わってくるということです。

どんな角度であっても、直線的にバックすればターゲットへ近づくことは可能です。

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<出典画像:『ターゲットポイントへの自由な直線的な角度』>

出来るだけ大きな角度でターゲットに照準を合わせる

しかし、車は直線からいきなり角度をつけて曲がることはできません。最小回転半径以下の円周の軌道に沿ってしか曲がれません。直線的にバックしてターゲットポイントに近づけても、角度が小さければ駐車枠に入りきれません。

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<出典画像:『ターゲットポイントと角度による駐車枠への進入の違い』>

大きな角度でターゲットに照準を合わせる程、バック駐車が容易になります。傾ける時には、スペースが許す範囲で可能な限り大きな角度で車を傾けるのです。傾ける角度の大小には意味があるのです。ただなんとなく車を傾けるのではなくて、大きな角度でターゲットに照準を合わせる意識を持って傾けるのです。

例えば通路から入って来て、右側の駐車スペースに入れる場合、ターゲットに対して、右側後輪がターゲットに対して真っ直ぐになる様に、車を左に傾けます。通路から入って来て、右側駐車スペースに車を寄せて行き、ターゲットと右側後輪が接近するようなイメージで車を左に傾けます。この時に、出来る限り大きな角度で傾けるのです。

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<出典画像:『スペースが許す限り大きな角度で傾ける』>

ここで後輪をターゲットに対して真っすぐに出来なかった場合には、下がり始める初動の段階でハンドルを調節して真っ直ぐになるようにします。つまり、傾ける時に角度を誤っても、初期の段階で修正は可能なのです。

ピストルの照準を合わせるように、右のサイドミラーを見て、ボディー側面の延長線がターゲットに向くように調整します。右側後輪がターゲットに向いているかの判断は、右側ボディの側面がターゲットに向いているかで判断した方が分かりやすいからです。

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<出典画像:『右側サイドミラーから見たターゲットへの照準』>

近づく角度によってターゲットエリアは変化する

引き続き右側の駐車スペースに入れる場合の例で進めると、右側サイドミラーで右側後輪、あるいは右側ボディの側面の延長線がターゲットエリアを捉えたら(右側後輪が直接見えていなくても、そう判断できたら)、その場で右側後輪を軸にするイメージで回転します。

ターゲットでなくターゲットエリアとしたのには意味があります。ターゲットに対して垂直(90度)で近づければターゲットポイントに直線で到達できますが、それより角度が小さくなる程、ターゲットポイントから離れたところまでしか直線では近づけません。ターゲットのポイントまでは、90度以外では直線では近づけないので、ターゲットの周辺という意味でターゲットエリアとしました。(駐車枠に入れるためには、ターゲットポイントに直線では近づけないという意味です)

ターゲットポイントと角度の関係

<出典画像:『ターゲットポイントと角度の関係』>

これは、車は最小回転半径より小さく回ることが出来ないからです。大きな角度で近づければ、ターゲットポイントの近くのエリアで最小回転半径の軌道に乗れますが、小さな角度になるにつれて、ターゲットポイントから離れたエリアから、最小回転半径の軌道に乗る必要があります。

また、角度が大きい程、駐車枠の前の位置で、少ない回転で車体を真っ直ぐにすることが出来ます。角度が小さい程、駐車枠の奥の位置で、回転も多くしないと車体を真っ直ぐにすることが出来ません。

角度が最も小さい0度、つまり直角バックが難しい理由がここにあります。ターゲットから最も遠く離れたポイントで、最小回転半径の軌道に乗せなければならないからです。また、直角バックの場合、ただ水平方向(X軸方向)にターゲットポイントから離れるだけでなく、垂直方向(Y軸方向)でも離れなければ、車体が真っすぐになる位置が、駐車枠の奥になるので、その分垂直方向を離さなければ、隣の車にぶつかってしまいます。

車体が真っ直ぐになったかどうかの判断

車体が真っすぐになったかどうかを、サイドミラーで駐車枠の線と平行になっているか、隣の車と平行になっているか、で判断するのは結果の判断です。バック駐車をもう一度やり直すかどうかを決める判断です。

やり直さなくて済むように、一発で真っ直ぐにするためには違う判断が必要です。

運転席から見ると、フロントガラスとダッシュボードの境目は一種の水平線(地平線)です。またボンネットのラインも、同じように意味づけることが出来ます。

これらの水平ラインと、前方の景色を比較することで、自分の車の車体がどちらを向いているかを判断することが出来ます。

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<出典画像:『フロントの水平ラインと前方の景色を比べて判断する』>

もう一つは感覚的な判断です。ハンドルは車が少しでも動いている状態では、タイヤが真っ直ぐになった位置で最も軽くなります。

フロントの水平ラインの視覚的判断と、ハンドルの軽さの触覚的判断を合わせれば、後輪を軸に回転している時にコントロールできるのです。

結果の判断でなく、回転している時の判断で車の傾きを判断します。

ピボットエリアの攻略(まとめ)

これまでターゲットエリアとしてきましたが、それに近い捉え方でピボットエリアと呼ばれている考え方があります。バスケットボールで片足を軸に旋回するルールの名称ピボットと同じ意味です。ピボットエリアの半径は、角度によって変化します。

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<出典画像:『ピボットエリアとは』>

それでは、ピボットエリアのどこをピンポイントに照準を合わせるのがベストでしょうか?ピボットエリアの範囲を点に絞って照準を合わせれば、より正確に駐車枠に入ることが出来ます。ピボットエリアの中心点=駐車枠の縦横のラインが交わる点の延長線とピボットエリアの円周が交わる点です。

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<出典画像:『ピボットエリアの中のベストポイント』>

その理由は、車は直線からいきなり角度をつけて直線的には曲がれないからです。円の軌道でしか曲がれません。このポイントに後輪が来た時に(来たと判断できる時に)回転を始めれば、先ほどのターゲットポイントを通過できます。

角度とピボットエリアの大きさは反比例

車を傾ける角度が大きい程ピボットエリアは小さくて済み、角度が小さくなる程ピボットエリアは大きく想定しなければなりません。

ただエリアが大きくなるだけでなく、回転を始めなければならないポイントも、角度が小さくなる程手前にしなければなりません。角度0度の直角バックが、最大のピボットエリアになり、最も手前から回転し始めなければならないポイントになります。

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<出典画像:『角度によるピボットエリアの大きさと回転ポイントの違い』>

当然、ピボットエリアが小さい程、そこに向かって直線で近づけ、また回転する量も小さくて済みます。可能な限り大きな角度で車を傾けることがバック駐車の第一の秘訣です。

ピボットエリアへ真っ直ぐ接近した後に回転する

ピボットエリアに近づけることと、回転して車体を真っ直ぐにすることを分業します。回転しながら近づけないで、直線的に近づけてから、回転を始めます。近づけることと回転することを分業にするのが、バック駐車の第二の秘訣です。

駐車枠の中で下がりながら直そうとしない

下がりながら、サイドミラーで白線や隣の車との空間などを見ながら、ハンドルを左右に回して調節することは可能です。

しかし、サイドミラーを見ながらの調節をするには駐車枠の奥行の距離が短く、左右に車体を曲げることで、かえって中途半端な角度で収まる可能性が高いのです。

このような調整方法をとるよりも、ピボットエリアに大きな角度で直線的に近づけ、回転で車体を真っ直ぐに戻す判断は、フロントの視覚的な水平感覚と、ハンドルの軽くなる手の感触に任せた方が、確実に真っ直ぐに駐車出来ます。

万が一曲がってしまったり、駐車枠の片側に偏ってしまった場合には、一旦前進して、ピボットエリアに近づけ、そこで回転してと、やり直す方が綺麗な駐車が出来ます。

駐車枠に入った後は、下がりながらハンドルで真っ直ぐにしようとしないことが、バック駐車の第三の秘訣です。

 

 

 

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