バック駐車が苦手から得意になった30代主婦のメモ

バック駐車が苦手だった30代主婦が運転が得意になったコツのメモ

タグ:直角駐車

車を斜めに傾けて、ゆっくりバックして駐車する、いわゆるバック駐車が普通で、ほとんどの人がこのやり方で駐車しています。

そんな中で、通路をスーッと入って来て、車を斜めに傾けることもなく、そのまま90度の円弧を描いて、切り返さずに1発で駐車してしまったら、「カッコイイ」ですよね。これが直角バック、あるいは直角駐車と呼ばれるやり方です。

直角バック(直角駐車)を解説した記事は少ないのですが、その説明は経験による感覚的な表現で、論理的な根拠が乏しいものが多いように思われます。

車種によって車体のサイズや小回りの度合いが違うので、おおざっぱな見当でしか説明できないのも無理はありません。

大きな車と小さな車では、直角バックするための位置取りが違ってくるのは当然です。直角バックは位置取りで決まってしまうので、正確な位置取りを知らなければなりません。

今回は軽ワゴンの中で人気のある、スズキワゴンRをターゲットにして、直角バックを1発でカッコよく決めるための位置取りを出したいと思います。

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<出典画像:『スズキワゴンR』http://archive.tokyoautosalon.jp/2013/photos/car/S0130338-wagonR.jpg>

スズキワゴンRの諸元から必要な項目をピックアップ

直角バックを成功させるためには、正確な位置取りを知らなければなりませんが、そのためには正確な車体の寸法などを知る必要があります。

項目寸法
全長3,395mm
全幅1,475mm
全高1,650mm
ホイールベース(前後のタイヤの車軸の中心間隔)2,460mm
トレッド(内側と外側のタイヤの中心間隔)1,295mm(前)1,300mm(後)
最小回転半径(最小回転した時の外側前輪タイヤの軌道半径)4.4m

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<出典画像:『スズキワゴンR寸法図』http://www.suzuki.co.jp/car/wagonr/detail/img/spec/dimension.gif

寸法図からは、オーバーハング(タイヤの中心と車体の前・後の端までの距離)は、前(フロントオーバーハング)の方が後ろ(リアオーバーハング)より大きく見えますが、正確な寸法が不明なので、均等に考えることにします。

ワゴンRはだいぶ前になりますが、長く乗っていたことがあります。前後の視界も良くて運転しやすく、長距離を運転しても疲れない車でした。ホワイトボディのエアロにターボの響きが似合って、高速道路でも安心して乗れました。家族が増えたので仕方なく大きな車に乗り換えましが、今でも記憶に残る車です。直角バックを1発で決めたらカッコよさが映える車です。

ワゴンRが直角バック1発で駐車できる条件

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想定する駐車場のスペースサイズは、標準的な間口2.5m、奥行き5mで検討しました。ワゴンRの全幅が1,475mmですので、駐車スペースの中央に停めた場合、左右の余裕は512.5㎜、約51㎝あります。

検討して分かったことは、

  • 駐車場や車庫の前の通路や道路は幅3.3m以上必要。
  • 駐車スペースの間口のラインから81㎝以上車体を離した位置。
  • 駐車スペースの中央から後輪まで3m離した位置。

間口のラインから81㎝以上であれば離れる分には問題ありません。離れた分だけ隣に停まっている車から離れるので余裕が出来ます。間口に対して真っ直ぐになるタイミングが早くなるだけなので、離れるほど駐車が楽になります。

位置取りをどのような目安で記憶するか

寸法的な位置取りは分かりましたが、実際の現場で計測するわけにはいきません。運転席から見た景色の中で、その位置取りの目安を決めておく必要があります。

運転席から後輪の位置を把握するのは容易ではありません。また3mの距離を目分量で測るのも正確ではありません。

間口のラインから車体の側面を81㎝以上離すのは、それ以上でも良いので難しくはありません。特別狭い通路や道路でない限り約81㎝以上1m位の感覚で離すように意識すれば良いでしょう。運転席から見た近くの場所の距離感ですので、馴れればその範囲で近づけることは出来ます。

問題は駐車スペース中央から後輪まで3m離す方です。こちらの位置は正確でなければ、駐車スぺ―スから外れて切り返しをしなければならなくなります。

前輪の位置は運転席に座って右足の先にあります。この図からも分かるように、運転席は目的の駐車スペースから2つ目の駐車スペースの中央辺りに来ています。以上からワゴンRの場合、

  • 駐車スペースの間口のラインから81㎝以上車体を離す。
  • 駐車スペースの2つ目の中央に運転席が来た位置で停車する。

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<出典画像:『ワゴンR を直角バック1発で駐車する位置取りの目安』>

この2つの目安を守れば、余程狭いスペースの駐車場でない限り、1発で直角バック(直角駐車)出来ます。

最小回転半径が4.4の軽自動車であれば、この目安は共通で通用するはずです。

 

トヨタの大型SUVのハイラックスサーフを買った場合、自分の駐車場にバックで直角駐車するには、前面の道路幅は最低どのくらい必要なのか?

買ってしまってから「入らない。失敗した!」とならないように、事前に机上のチェックをしておきましょう。

数字の誤差や現場の状況もあるのを前提に検討してみましょう。

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直角駐車に必要な車体情報

ハイラックスサーフの必要な車体情報は以下の通りです。

全長全幅トレッド最小回転半径
4805mm1910mm1575mm5.7m

トレッドとは左右のタイヤの中心からの距離です。ハイラックスサーフの場合、前後のタイヤのトレッドは同じになっています。

最小回転半径とは、ハンドルを一杯に切った状態で、外側の前輪の中心が描く円の半径です。

車体の一番外側(前部のバンパーの外側先端)が描く円は、ボディ最小回転半径と言いますが、資料がなく正確には不明ですが、大きめに推察して最小回転半径に0.5m加えて6.2mとしておきます。

参考までに前輪と後輪の距離であるホイールベースは2790㎜になっています。

計算が難しい部分はCADで確認

この車体情報を図示すると以下のようになります。

キャプチャトヨタサーフ

車体の内側側面は半径3957.5㎜の円を描く計算になります。これらの数字を元にして、間口が2.5mと3.0mの駐車場にバック駐車する場合を考えます。必要な条件を計算するには、CADを使って検討した方が分かりやすいです。

キャプチャトヨタサーフ道路幅


ハイラックスサーフの直角駐車に必要な道路幅

ボディ最小回転半径より20㎝、車体の内側側面との余裕を20㎝とって検討しました。つまり駐車する車の左右それぞれ20㎝余裕をとっています。

概算ですが、駐車場の間口が2.5mの場合は、前面の道路幅は約5.6m(5550㎜)で、間口が3mの場合は約4.8m(4820㎜)必要です。

ちなみに車体左右の余裕を10㎝にした場合の必要な前面道路幅は、間口2.5mでは約5.1m(5080㎜)、間口3mでは約4.5m(4490㎜)でした。

駐車場の間口が広くなるほど、前面道路幅は狭くても可能となります。切り返しをすればもっと狭くても可能ですが、一発で直角にバック駐車するためには上記のような道路幅が必要です。

 

集合住宅などの駐車場でよく見かけますが、向き合うように駐車する形で、車を切り返すスペースが狭い駐車場があります。


身近な駐車場で両隣の車にぶつけないか、毎日苦労しながら駐車するのは大変です。

車を傾けながらバックと前進で何度も繰り返すより、最初から直角駐車をした方が面倒ではありません。

車を傾けて切り返しを繰り返すやり方より、直角駐車(バック駐車)の方が、コツを覚えれば毎回の駐車は安定します。

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注意するポイントは分かっているけど

こういう駐車場でぶつけないように注するポイントは分かっています。

  • 対面に駐車している車にぶつけたくない
  • 両隣の車にぶつけたくない

つまり自分が乗っている車の中から見て、前に駐車してある車と後ろの両隣の車です。前の車は2台は関係するので、合計4台の車とのスペースを確保することになります。

それが分かっていても常に不安があるのは、

  • ぶつかる限界が分かっていない
  • 直角駐車の適切な開始位置が分かっていない

理屈があいまいだから、毎回の駐車が不安定で一定にならないので、楽に駐車できないのです。

対面の車にぶつかる限界は?

対面に駐車している車との間隔で関係する要素は、前輪から車体前面の先端までの距離であるフロントオーバーハングです。

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車種によっても大小あります。特にバックする時には車体前部が外側に膨らみます。これは前輪は後輪より外側を通る内輪差が生じるからです。

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どのくらい外側に膨らむのかは、最小回転半径ボディ最小回転半径の差でわかります。最小回転半径は外側の前輪のタイヤの中心が描く円で、ボディ最小回転半径は車体前部のバンパーの外側先端が描く円で、どちらも同じ中心で描かれる円です。

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最小回転半径とボディ最小回転半径の差が分かれば、回転する時にどのくらい外側に膨らむのかが把握できます。

参考までにトヨタ車のいくつかの車種の最小回転半径とボディ最小回転半径を見てみましょう。(代表的なグレードに絞っています)

車種最小回転半径ボディ最小回転半径
プリウスPHV5.4m5.8m0.4m
アクア4.8m5.3m0.5m
センチュリー5.9m6.3m0.4m
クラウン5.5m5.9m0.4m
シエンタ5.2m5.3m0.1m
ハイラックス6.4m6.8m0.4m
ランドクルーザー プラド5.8m6.2m0.4m
ヴィッツ4.7m5.0m0.3m

他の車種、他社の車のデータが見つかりませんでしたが、おおむね同様な数値だと推定できます。最大でも0.5m(50㎝)程です。

つまり自分の乗っている車の外側の前輪のタイヤの中心から、外側に50㎝膨らんで車は回転するということです。これはハンドルを一杯に切った時にです。ハンドルを一杯に切った時が最大に膨らみます。

タイヤの中心から車体側面のバンパーの端までおよそ10㎝程です。概算ですが車体の前部外側のバンパーから40㎝ぐらいが、他の車とぶつかる限界になります。

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自分の駐車場で車から降りて、運転席から見た距離感と実際の距離の違いを確かめます。運転席から見た感覚で、どのくらいまで近づけて良いか把握しておくことです。


少しづつ車をバックさせながら、車を降りて確かめてみたら良いでしょう。40㎝を基準にどれだけ余裕を持てるのかです。

出来るだけ外側から円を描いてバックしたいので、対面する車との距離感の把握は必須です。

外側後方の車の先端と隣の車との間隔が確認できない

左側からバックする場合は右側後方の先端、右側からバックする場合は左側後方の先端は、サイドミラーかバックモニターで感覚的に判断するしかありません。

バックモニターでは不十分の角度ですし、サイドミラーでは実際の間隔を掴むのは難しいです。

運転席から見えにくい、判断しずらい方法で確認するよりも、運転席から近い部分で確認するべきです。

曲がる方向の内側、つまり左側からバックする場合は左側後方、右側からバックする場合は右側後方は、サイドミラーで隣の車との間隔が確実に確認できます。

曲がる方向の内側で隣の車との間隔をギリギリまで詰めるようにすれば、反対側は余裕ができるので安全性は高まります。

つまり確認しやすい方を基準にして、そちらで隣の車との間隔を一定に安定させるようにします。

外側後方を無視するというのではなく、内側を詰めていれば外側は安全だという考え方です。

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慣れてくれば、どこまで詰めれば良いのか分かってきます。安全で丁度良い間隔で一定に入っていけるようになります。


内側も外側も両方に神経を散らばせるより、確認しやすい内側を重点を置いて、一定の間隔の基準を持ちましょうということです。

直角駐車の適切な開始位置

狭い駐車場という前提なので、出来るだけ外側から円を描いてバックします。

直角駐車(バック駐車)の開始位置の目安は、駐車したいスペースから2台目の駐車スペースの奥の境界線(2台目と3台目の境界線)が、助手席の窓に来た位置です。

『バック駐車(直角駐車)を理論的に考察【感覚でなく数字で説明】』

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この位置を基準にして一度試します。内側の隣の車を回り切れなければ開始位置を後ろにして、間隔が空き過ぎたら開始位置を前に調節します。

物理的に一度で直角駐車(バック駐車)が出来ない程の狭い駐車場の場合でも、なんとなく感覚的で、いつもどこか違う駐車の仕方より、一定した直角駐車(バック駐車)で、少ない切り返しで行った方がずっと楽で安全です。



バック駐車(直角駐車)を理論的に解説したものは少ないです。
「駐車中の車から1mぐらい空けて」とか、
「2台隣の車が助手席に来たら」など、
感覚的に説明したものが多いです。


でもどうしてそうなるのか知りたくなります。
理屈が分かれば自分の車に合わせて、
もっと正確な駐車開始地点の位置関係が出せるはずです。

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最小回転半径とボディ最小回転半径

バック(直角駐車)を考えるためには、
最小回転半径とボディ最小回転半径のことを、
正確に理解しておく必要があります。


最小回転半径とはハンドルを限界まで切って、
低速で運転した時に描かれる、
外側前輪の中心線の円の半径のことです。


ボディ最小回転半径とは、
車体前部のバンパーの外側先端が作る円です。
当然最小回転半径より大きな円になります。


そしてこれらの円の中心は、
左右の後輪を結んだ直線の延長線上になります。
前輪でなく後輪というのが意外なポイントです。

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駐車場と円の関係

バック(直角駐車)を具体的な数字で考察するために、
具体的な車種を決めて進めた方が良いので、
トヨタのアクア(Stype)のデータを参考にします。
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(出典:https://toyota.jp/aqua/grade/s/)

アクアの主な車体サイズデータは、
全長4050㎜(簡略化して4m)
全幅1695㎜(簡略化して1.7m)
全高1455㎜(簡略化して1.5m)
前輪左右間隔1470㎜(簡略化して1.5m)
(後輪左右間隔1460㎜)
ホイールベース2550㎜(簡略化して2.6m)
最小回転半径4.8m
ボディ最小回転半径5.3m

これらのデータから駐車場と円の関係を見ていきます。
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前輪の外側中心は4.8mの半径の円、
車体前部の外側バンパーの端は5.3mの円を回転します。
車体内側(助手席側)の側面は3.2mの円を移動します。


3.2mの円がこの後のバック駐車(直角駐車)を考える基準になります。

バック駐車の円

概略ですがCADを使って作図してみました。
白い枠は駐車スペースで2mX5mにしています。
隣の車の先端が駐車スペース前面の境界線上にあるという設定です。


3.2mの円上で車の側面がバックしてくると、
隣の車の右前方バンパーとは20cmm余裕で通過します。


駐車する車のスタート地点では、
駐車スペース前面の境界線(駐車中の車の先端)から、
1.5mの空間をあけています。


またボディ最小回転半径(5.3m)より20㎝余裕を考慮して、
3.8mの道路幅があればバック駐車(直角駐車)できます。

理論を実践する場合の目安

実際の駐車場では測量できませんので、
運転席から見た目安を探します。


今回の数字を元にすると、
トヨタアクアの場合になりますが、
駐車場の前面境界線ライン(駐車中の車の先端)から1.5m空けて進入し、
助手席の窓に2台目駐車スペースの奥の境界線が見えたら、
ハンドルを一杯に切ってそのままバックすると良いでしょう。


アクアより小さい車なら円が小さくなるので、
1.5mより狭く進入し2台目の奥の境界線より、
手前の位置が助手席に見えた位置からのスタートになります。


アクアより大きい車の場合は円が大きくなるので、
1.5mより空けて進入し2台目の奥の境界線より、
先の地点からスタートです。


次の動画のバック駐車(直角駐車)の場合では、
駐車中の車との距離は正確には分かりませんが、
2台目の車の中央が助手席の窓の来た地点からスタートしています。


今回考察したより手前からスタートしています。
そのせいか奥の壁際に近づき過ぎているように見えます。



(出典:『一発で駐車を成功させる「運転の神様」』by YouTube)





前向き駐車でも同じ道路幅が必要

CAD図を見ても分かりますが、
車は前進でもバックでも同じ円周上を回転します。


水平方向のスタート地点はバック駐車(直角駐車)と変わってきますが、
必要な道路幅は同じです。


隣の車(障害物)と道路の向こう側の壁(障害物)との余裕を、
20㎝とった条件で前向き駐車でも3.8m以上の道路幅が必要です。

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