ドアミラー(サイドミラー)は、駐車する時、車線変更する時、右左折する時などに重要な役割をしますが、どのような角度に調節するのが一番正しいのか、色々なアドバイスがあって、初心者ほど迷ってしまいます。
- 内側を向き過ぎると後方から近づいてくる車が見えない。
- 外側を向き過ぎると自分の車と後方の車の距離感が分からない。
- 上を向き過ぎるとバック駐車する時に白線が良く見えない。
- 下を向き過ぎると遠くから近づいて来る車の存在に気がつかない。
いったいどうすれば、ドアミラーのベストポジションを決めたら良いのか分からなくなります。
バック駐車する時だけドアミラーの角度を手動で変えるのは、日常的な事となると現実的ではありません。バック時だけ自動的にドアミラーの角度が変わる装備もあるようですが、まだ標準的ではありません。
運転の経験を積んでいけば、自然と自分に適性に合った角度に落ち着いくようです。しかし、ベストではない角度に慣れてしまって、もっと安全性が高く、もっと確認がとりやすい角度があるのに知らないまま固定化してしまう可能性もあります。
自分に一番ベストで正しいドアミラーの角度調節の決め方はあるでしょうか?
私の家の車のドアミラー
私の家の車のドアミラーはどうなっているのか改めて見てみたら、上下に関しては、左側が空が4分の1で右側は空が2分の1見える角度、左右に関してはどちらも車体が3分の1入る角度になっていました。これは家族が設定した角度ですが、私も特に違和感を覚えないで使っていました。
- どうしてサイドミラーの設定が、左側と右側で違うことに気がつかなかったのか?
- 上下の角度、左右の角度は本当にこれがベストポジションなのか?
慣れとは恐ろしいもので、自分の設定でなくても受け入れてしまっているのです。もしかしたら、もっと最適な角度があるのではないかという疑問も湧いてきます。
ドアミラーの3種類の角度調節
ドアミラーの角度調節は、上・下・左・右の4方向です。上下は地平線の横のライン、左右は車体の縦のラインの位置で表現します。
色々な人の意見を調べてみると、ドアミラーの分割の仕方で違いが出ていることが分かりました。初心者ほど左右の角度調節では車体を入れる割合が多く、ベテランになるほ車体を入れる割合が減っていく傾向にありました。
上下の角度に関しては、初心者ほど地面の面積の割合が多く、ベテランになるほど空の面積の割合が多くなる傾向があります。ベテランになるほど、バック駐車などで自分の車の後輪付近を見なくても、遠くの白線だけで足りるようになるからです。
初心者は微妙な角度の違いまで意識することは少なく、平均的な見え方で満足しますが、ベテランになるほど、どこに注意を集中するのか意識するようになっていく傾向にあります。また、初心者ほど自分の車の近くを確認しようとし、ベテランになるほど、より遠くより広くを確認しようと思うようになります。
ドアミラーの角度調節を大きく3種類に分けて、運転の習熟度に適した方法を説明します。
初心者向きの角度調節
ドアミラーを上下左右それぞれに3分割します。上下に関しては、空よりも地面の映る面積が多くなるように、3分の2(約60%)を地面にします。左右の角度は3分の1(約30%)に車体が入る角度にします。
上下に関しては、地面の割合が多いので、バック駐車などの境界線や白線が見えやすくなります。3分の1あれば、遠い後方の車の確認も最低限可能な状態です。
左右に関しても、自分の車体が十分に確認できるので、自分の車の方向や他の車との位置関係が把握しやすくなります。
中級者向きの角度調節
ドアミラーを上下左右にそれぞれ4分割します。上下の角度は4分の2が空、4分の2が地面(つまり50%ずつ)。左右の角度は4分の1(25%)に車体が入る角度です。
運転に自信がついてくると、自分の車の周りよりも、離れた地点の情報が欲しくなります。
バック駐車をするのに後輪の間近の情報は必要なくなり、後方の白線が見えていれば十分になります。それよりも後方の車の、より遠くの情報、より広い範囲の情報が必要になります。これは、それまでの運転の経験の中で、後方の確認ミスで危ない瞬間を感じた体験を積んだからです。
しかし、まだ近くの情報も必要なので、上下に関しては4分の2(つまり2分の1)、左右に関しては4分の1の情報は確保しています。
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<動画:九州 合宿免許 自動車学校 指導員 口コミ MDS 「ルームミラー調整方法」>
上級者向きの角度調節
ドアミラーを上下左右それぞれに5分割します。上下に関しては、地面よりも空の映る面積が多くなるように、5分の2(40%)を地面にします。左右の角度は5分の1(20%)に車体が入る角度にします。
バック駐車では、白線は遠くの方が見えれば充分で、それよりも後方の車の情報を更に遠くまで、更に広い範囲で求めるようになります。自分の車の位置や方向などの情報よりも、他の車の情報を広い角度から知りたくなるからです。
左側と右側のドアミラーで異なる角度調節
初心者では必要を感じないかも知れませんが、運転に慣れてくると、自分の死角が気になり出します。そして、感じる死角の範囲が左側と右側で違ってきます。
また、自分の運転の資質の特徴も分かってくるので、苦手な角度が左側と右側で違ってくるのです。例えば左側のドアミラーでは地面の情報が空よりも多く欲しく、右側のドアミラーでは、地面の情報よりも遠くの後方の情報が必要に感じるという具合です。
私の経験では、左側のドアミラーの上下の角度は、地面の面積を多くして、右側のドアミラーの左右角度を車体の面積の割合を少なくする設定を好む傾向にあります。これは、バック駐車する場合の左後方の確認を楽にしたいのと、追い越しなどで車線変更する場合の運転席右後方の死角を少なくしたいからです。
傾向と自分の特性で決めるのが正しい角度調節
一般的な傾向としては、運転が熟達するに従って、上下の角度では地面の面積が多いから少なくなっていき、左右の角度では車体の面積が多いから少ないに変化していきます。自分の車の近くの狭い情報から、遠くの広い情報を求めるようになります。
これらの傾向を考慮しながら、自分の運転の特性(苦手や得意)に従って、左右の角度調節を違う設定にしてみるなどの工夫をするのも良いでしょう。
左折や左側に車線変更する時に、左側後方が死角になって運転しにくいと感じたなら、外側に向けて自分の車体の面積が少なくなるようにします。しかし自分の車の後部の情報が少なって、バック駐車する時に隣の車との距離感がつかめなくなっていけません。
全てを満足する角度は不可能なので、その時点で最も危険、最も苦手な部分をカバーする角度を選択するのがベターな角度調節です。
正しいドアミラーの角度があるのではなくて、現在の自分の運転資質に適した角度を見極めるのが、が正しいドアミラーの角度調節だと思います。
ドアミラーに補助ミラーを装着して、死角を減らす方法もあります。
【上手く運転できるか不安なホンダCR-Zの左後方の死角への対応策】