車が好きなわけではないけど、みんなが取るからと免許を取り、家族も友人たちも車を乗るのが当たり前と思って、何事もないように上手に運転している。

それに比べて自分は、

  • 狭い道で擦れ違う車や飛び出た電柱が怖い。
  • 側道から大通りへ合流するのが怖い。
  • タイミングよく右折するのが怖い。
  • 駐車場に止めるのが怖い。
  • 車線を変えるのが怖い。

怖い物だらけで、家族から買い物や遊びに行くので車に乗せて欲しいと言われるのも苦痛になっていく。免許なんか取らなければ、もっと呑気に生活できたのにと、こんんな風に思っていませんか?

人に相談すれば、「慣れだよ」の一言で終わってしまう。その慣れるまでの勇気が出ない。運転しようとするモチベーションが起こらない。それよりも怖い気持ちの方が強い。だから、いつのまにか運転しなくなっていく。でも、このままペーパードライバーになってしまうのも避けたいと思っている。だから、どうしていいか分からない。

私も貴女と同じでしたから良く分かります。そんな私からのささやかなアドバイスです。

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今でも運転は怖い

運転が怖いという感覚は今も変わりません。感覚自体は最初の頃と変わりません。ただ、怖いという感覚の受け止め方が違ってきていると思います。

怖い⇒運転したくない

という基本的な感情は心の底流には今も流れています。でも、その流れの上の方に、新しい流れが出来ているように感じます。その上を流れるのは、

怖い⇒そのために気を付けることをする⇒安全に運転できる⇒運転をしても平気

こんな意識が流れています。

これは技術的に問題を解決する方法です。それとは別に、心理的にも解決する必要があります。

怖いから下手なのではない

運転が怖いと極度に感じる人は、他人と比較して自分を過小評価する傾向が強いような気がします。私がそうですから。

どちらかというと完璧主義者で、同時に劣等感を持ちやすい性格です。「どうして、他の人のように出来ないんだろう?」と悩み、自己嫌悪に陥るタイプです。

でも、ものには両面があります。劣等感は工夫の母です。出来る人が感じない事を感じて、疑問に思って、どうすれば出来るようになるか、しつこく追及する長所にもなります。

たっぷり自己嫌悪に浸った後は、そこから這い上がる方法を、ネチネチ探るいやらしい根性を発揮しましょう。

周りを冷静に見渡してください。本当は上手でもないのに、マナーも碌に守ってないのに、堂々と運転をしているけど実際は下手な人が大勢います。

他人より自分が少しでも速く行きたい、他人よりも自分が少しでも得をしたいという欲望がむき出しになるのが運転です。私でも同じです。でも、恐怖心があると、ブレーキを掛けてくれることはメリットでもあるのです。

世の中には、下手でも威張る様に運転している人もいるのです。運転が怖いと思う心があると、良いドライバーになれる資質もあるのです。

自分は他人より運転が下手だという厳密な根拠はないのです。自分より下手なのに上手いと勘違いして乱暴な運転している人が多いのですから。

ですから、怖いから下手に違いない、怖いから周りに迷惑を掛けるのではないかとは、まったく思う必要がないのです。

怖いと思うのは悪いことではありませんし、怖くなくなる必要もないのです。怖いと思う気持ちにコンプレックスを抱かなくて良いのです。むしろ、怖い気持ちを大事にして欲しいくらいです。怖い気持ちを運転向上のエネルギーにしてください。これで心理的な問題は解決してください。

後は技術的に解決する方法です。

怖いと感じる原因を探る

運転が怖いのは、車を思い通りに操作できないからです。普段は自分の身体を自由に使って、無意識に動作を行っています。運転する時は、自分の身体の外側に車という機械を操って動作させる必要が出てきます。この操作が自由に出来ないから怖いのです。

なぜ操作出来ないかをもっと突き詰めると、 私は3点あると思います。

  • 車の外側がどこまであるか分からない。(車両感覚)
  • 車を横に移動させる操作ができない。(幅寄せ感覚)
  • どうすれば安全を確認できるか分からない。(安全感覚)

この3点を抑えられれば、怖い気持ちの上に安全運転の技術を覆いかぶせることが出来ます。

車両感覚は、車の前後左右の端がどこまであるのか、運転席から見た目安で感じる感覚です。知識的に知る方法はあります。
参考『エヌボックスやノアに乗ってた人がレクサスを運転する時に注意する事』

バック駐車や縦列駐車の要点は、突き詰めると車を横に移動させる操作です。車を前後に真っ直ぐ移動させることに苦労する人はいません。難しいのは横に移動させる操作、幅寄せの技術です。
参考『バック駐車で切り返しができない主婦は接触事故を起こす理由』

安全に裏付けされた運転をするには、安全を確認しながら運転するルーチン(習慣化された動作)を身に付けることです。
参考『車線変更と合流が怖い主婦の悩みを解決する1つのアドバイアス』
参考『【仮説】バック駐車で車を傾ける目安は内側でなく外側後輪か角では?』

安全運転の技術を身に付ける練習

怖いから下手なのではありませんが、何も工夫しなければ下手のままで終わってしまいます。怖さに備えた安全運転の対策が工夫になります。安全運転の技術は知識だけでは中々身に付きません。やはり練習が必要になります。

安全運転が出来るだけで、運転は上手くなります。多くの人は、安全運転から遠ざかる程、上手くなったと勘違いしますから。

車両感覚と幅寄せ感覚を同時に身に付ける方法

運転席から見た感覚で、車の前後左右の端がどこまであるのか身に付ける練習方法です。この方法は同時に幅寄せの操作も習得できます。

練習する場所が必要になります。車や人通りのないある程度のスペースがあって、壁かフェンスがある場所です。壁やフェンスがなければ段ボールなどを置いて代用します。

前後の車両感覚の練習

車のライトを点けて、壁に少しづつ近づきます。ライトの光の輪は壁に近づくほど小さくなっていきます。練習でぶつけてはまずいですが、ぶつかる程近づくと光の輪はかなり小さく濃くなるので、安全な距離が分かります。バックの時は、ルームミラー、サイドミラー、あるいはバックモニターの見方の練習にもなります。

左右の車両感覚の練習

壁を横にして、少し離れた位置から幅寄せして壁に近づけていきます。幅寄せは前進とバックそれぞれで行います。運転席側と助手席側の双方でも行います。

壁に幅寄せする練習は、バック駐車や縦列駐車の練習でもあります。バックの時にはサイドミラーを見る訓練にもなります。また、実際の駐車場での切り返しで、ハンドルをどっちに回したら良いのか分からなくなるということがなくなります。

安全確認のルーチンを身に付ける方法

安全を確認するやり方が、一定していなくて、その都度まちまちだから不安なのです。左折する時はこの手順、右折はこの手順、車線変更、合流、擦れ違いと、安全確認が必要とされる場面で、安全を確認するルーチンを自分で決めておきます。

決めたルーチンを身に付けるには、実際の運転の中で、声に出すのです。同乗者が居て声に出せない時は、心の中でつぶやきます。

電車のホームで駅員が指さし確認をしていますが、あれも安全確認のルーチンです。ルーチンは習慣になれば、楽で確実な方法なのです。以下は例です。

  • 左折の時は、「信号青よし」「巻き込みよし」「歩行者よし」
  • 右折の時は、「信号青よし」「前よし」「歩行者よし」
  • 車線変更の時は、「合図よし」「ルームミラーよし(後ろよし)」「サイドミラーよし(横よし)」
  • 合流の時は、「合図よし」「サイドミラーよし(右よし、or左よし)」
  • 擦れ違いの時は、「左よし」「待機」(左に寄り、対向車をやり過ごすのを基本にする。対向車が先に左に寄って譲ってくれた場合には、左側の電柱や壁などの障害物と対向車の中間に視点を向けて通過する。隙間が通れそうもない時は進まずに停車する)

自動車学校で習ったことを思い出して、安全のために自分なりのルーチンを決めてください。決めたら、それを声に出して動作をします。安全に裏打ちされたルーチンだと信じて運転します。

心理的にも技術的にも、怖いと思う原因を見つけて、怖い感覚を消すのではなく、仲良く付き合いながら、安全を優先した工夫を考えて、練習を繰り返す。以上が私から貴女へのアドバイスです。今の自分への戒めでもあります。