バック駐車が苦手から得意になった30代主婦のメモ

バック駐車が苦手だった30代主婦が運転が得意になったコツのメモ

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スーパーの駐車場にバックで車を駐車している時に、サイドミラーを見ていると、ふと頭によぎるものがありました。

バック駐車で真っ直ぐにならずに曲がってしまう原因はここにあるのではないかと閃きました。セオリー通りにやっていても、このポイントを間違えると車体が真っ直ぐになりません。

ここでいうセオリーとは、駐車したいスペースに車の後部を向けて傾け、内側の後輪が隣との境界線付近(ピボットエリア)に来たら車を回転させるというオーソドックスなやり方のことです。

言葉で言うと簡単ですが、この過程で見過ごしてしまうと真っ直ぐに駐車できないポイントがあるのです。
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ピボットエリアのどこで回転するか?

内側後輪をピボットエリアの範囲に入っていても、回転する地点を間違えると車体が曲がってしまう原因になります。

これまで私は、ピボットエリアの中で、遅めのポイントを提案していました。ピボットエリアの1/4の範囲に内側後輪が通過するタイミングを薦めていました。
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しかし、この範囲に内側後輪が通過するタイミングでは遅すぎるのではないかと思い始めたのです。

タイミングが遅いと曲がってしまう理由

ピボットエリアで回転するタイミングが遅くなると、駐車スペースの左側寄りに車が進入し、右側境界線との間が空き過ぎてしまいやすくなるのです。

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車の後部が駐車スペースに入りかけた時点で、左右のサイドミラーを見比べて、左に寄り過ぎていることに気がつきます。

ゆっくり右に回しながらバックしていた状態から、慌ててハンドルを更に右に回して、車の後部を右側に向け、車体を右に戻そうとします。

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しかし、駐車スペースの中で、左右に車体を傾けながら微調整をするには距離が足りないのです。その上、駐車スペースの境界線は、車体が奥に進むほどサイドミラーで確認しずらくなります。

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片側に寄り過ぎたのを、駐車スペースの中で修正しきれずに、車体が曲がったまま車止めまで行ってしまいます。左右にハンドルを切り返す回数が多い程、車体が曲がる確率は高くなります。

ピボットエリアの頂点で回転を始める

この左右にハンドルを切り返す必要がないようにする、少なくともハンドルを回す量を少なくするには、ピボットエリアを内側後輪が通過するタイミングが遅れないようにすることです。

ピボットエリアの1/4に内側後輪が通過してからでは、タイミングが遅れやすいのです。特に狭い駐車場では、タイミングの遅れが大きく影響します。ピボットエリアの頂点を通過するタイミングで回転を始めると理解した方が、多くの場合遅れずに済みます。

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ピボットエリアの前で回転しない

車体が曲がってしまう原因にはもう1つの要因があります。ピボットエリアに近づきながら回転を始めtしまうことです。ピボットエリアの中心点から離れる程、回転半径が長くなるので、駐車スペースの入り口に正確に入る精度が落ちます。

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従って、バック駐車の精度を上げるには、なるべくピボットエリアまで「直線的」に近づいてから回転を始める必要があります。

ピボットエリアで回転する前に、回転を始め、回転しながらバックしていくので、二重の操作によって、正確な位置取りが出来にくくなります。

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車を斜めに傾けた時点では、ハンドルは外側を向いているので、内側に戻しながら直線の位置を維持してバックしていきます。戻す時に直線を通り越して、回転しながらバックしてしまうと入り口に正確に入っていくことが難しくなります。ピボットエリアの頂点までは直線的にバックします。

●ピボットエリアまでは回転せず、直線的にバックする。
●ピボットエリアで回転するポイントは、面でなく頂点に後輪が通過するタイミング。

この2つのことを注意すれば、「どうしてもバック駐車で曲がってしまう」悩みは解決できるはずです。

運転歴6年、無事故無違反でゴールド免許の32歳の主婦がいます。彼女は駐車する時には、毎回一発で白線内に入れられるし、他の車にぶつけたりする事は一度もありません。

彼女は昼過ぎから夕方の間だけ、実家のクリーニング店を手伝っています。彼女の仕事は、仕上がった品物の配達や、店では対応できない注文を、取引先の工場へ届ける役目です。使用している車はハイエースです。

彼女の悩みは、「ハイエースだと真っ直ぐに駐車できるのに、普段乗っている軽自動車(ムーブ)だと必ず斜めになってしまう」というものです。

ハイエースの方が大きいから、ムーブよりバック駐車するのは難しそうな気がしますが、彼女にはハイエースの方が綺麗に駐車できるそうです。

これには原因があるでしょうか?

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<出典画像:『トヨタ・ハイエース』https://ja.wikipedia.org/wiki/トヨタ・ハイエース#/media/File:Toyota_Hiace_H200_501.JPG>

ハイエースとムーブの大きさの比較

項目ハイエース(スーパーGL)ムーブ(L)
全長4,695mm3,395mm
全幅1,695mm1,475mm
全高1,980mm1,630mm
ホイールベース(前後の車軸中心間の寸法)2,570mm2,455mm
トレッド(左右のタイヤの中心間の寸法)1,470/1,465mm1,305/1,295mm
最小回転半径(最小回転時の前輪外側タイヤの描く円軌道の半径)5.0m4.4m

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車の大きさの違いが、バック駐車の際に車が真っ直ぐにならないことに、どのような影響を与えているのでしょうか?

普通免許で乗れる車であるならば、運転の操作や結果に違いが出てしまうのは、そもそも運転の根本が正しくない可能性を伺えさせます。

バック駐車の操作の過程のどこかに問題があるはずです。その前にハイエースとムーブが回転した時の比較を見てみましょう。

ハイエースとムーブの回転の差

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白い方がハイエースの回転の様子で、黄色がムーブです。円の中心から車体の側面までの距離の差は、2,706mm-2,261mm=445mmです。一方、車体前部の外側端が描く円の距離の差は、5,707mm-4,738mm=969mmです。

これらのことから次のことが分かりました。

  1. ハイエースは小回りが利く(中心から車体側面までの差が445mmしかない)
  2. ハイエースの外側オーバーハングが大きい(車体前部外側端の円半径の差が969mmもある)

分かりやすく言えば、両者の描く内側の円の半径の差は小さく、外側の円の半径の差は大きいのです。ハイエースはバック駐車する場合には小回りが利きますが、前向き駐車の場合には、前部のオーバーハング(前輪の車軸の中心と車体端との距離)が大きいので広いスペースが必要になります。

最小回転半径の差は、5.0m-4.4m=0.6m=600mmなのに比べて、車体内側側面の円の半径の差が445mmなのでも、ハイエースの小回りの良さを示しています。厳密に言えば、内側の小回りで、バック駐車にメリットのある性能です。逆に言えば、ムーブに比べて外側は大回りの度合いが大きいという性能です。

バック駐車する場合には、回転の内側(車体の内側)を主に注視することになります。ハイエースとムーブでは、回転の内側の半径の差が車体の長さに比べて小さいので、回転の動きに伴う難しさの差も少ないはずです。

ムーブの方が真っ直ぐ駐車しにくい原因は、回転の性能の差にはないようです。

長い線のほうが方向が分かりやすい

私が注目したのはボディの長さの違いです。特に運転席から後部までの側面の長さです。一つの目安として、前輪の中心と車体後部端との長さをひっかうすると、ハイエースが3,632mmでムーブが2,925mmです。その差は707㎜です。

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サイドミラーから車体の側面と後方の端を見た時、長い方がバックして行く方向を捉えやすくなります。長い物差しの方が短い物差しより、指し示す目標への方向が分かりやすくなります。

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サイドミラーから見た場合には、両者の長さは見た目には大きな差を感じませんが、ハイエースの後部の端はムーブよりずっと先の位置を示しています。サイドミラーが凸レンズのため、ミラーの端に写るものを中央に集めて反射するからです。

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イメージとしては、ハイエースの方が、ムーブより先の方に到達しています。運転席が同じ地点にあった場合、ハイエースの方が、ムーブより先の地点を通過するのを、予測でなく車体を見て確認できるのです。

一般的なバック駐車は、車を傾けた状態で駐車スペースの入り口へ向かっていきますが、車が長いと(物差しが長いと)、駐車スペースの白線と車の側面のラインとの角度の関係で、その車の角度で入れるかどうかの判断もしやすくなります。

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バック駐車の工程が進んで、車が駐車スペースの枠内に入ってきた時、車が長いと車の後部が駐車枠の奥に早く到達するので、車の後方と駐車枠の奥の空きと手前の近い方の車体側面との空き、車体の奥と手前の白線との平行関係を早く確認できます。

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下の動画はハイエースでのバック駐車の様子です。やはり、サイドミラーからも、後方の車体と駐車枠の関係から、車の位置関係を早く察知できるのを感じ取れます。

<出典動画:『駐車の方法』YouTube>

早い方向の把握と小回りの差が少ないこと

ハイエースは長いボディの割には小回りが利くので、バック駐車の時の回転が他の大きな車に比べて小さく操作できることと、ボディーが長いことによって、サイドミラーの中で車の方向や位置を早く知ることができることの2点が、軽自動車のムーブよりハイエースの方が、真っ直ぐに駐車しやすいという現象を生むのではないかと考えられます。

ムーブのバック駐車の仕方にも問題はないか?

ハイエースで出来てムーブで出来ないのは、バック駐車の仕方にも問題があるはずです。

ハイエースで真っ直ぐに駐車できるのなら、ハイエースの駐車の仕方が正しくて(少なくとも32歳主婦の彼女にとって)、ムーブの駐車の仕方が正しくないのです。

ハイエースでは、ボディが長いために、駐車枠に斜めに向かっていく時や、枠に入ってから奥までバックしていく時に、車の側面を1本の線のようにして、駐車枠の白線と絶えず角度や距離を比較しながら操作しているはずです。

ムーブの場合には、サイドミラーに写る車の後部が近いので、車体の側面を線として見ていないのではないでしょうか?むしろ後輪を強く意識してしまって、車体がどちらに向かっていくのかの判断が、車体の側面を物差しのように使った感覚ではなく、後輪を点のように使った感覚で行っていると思われます。

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ムーブのバック駐車が、駐車スペースの枠の白線と、車の後輪とを目安にした、線と点の関係であるのに対して、ハイエースは長い車の側面を物差しのような線として使った、線と線の関係であることが、真っすぐに駐車できる結果になっていると推測します。

従って、彼女の場合、ムーブでもハイエースと同じように、サイドミラーの見方として、車の側面から後部に掛けてのラインを目安にして、駐車枠との角度や位置関係を確認しながらバック駐車するのが良いと思われます。

 

いつもバック駐車で真っ直ぐ入れない。一旦前進してまた下がる。この前は、ちょっと前進して切り返したけれど、完全に真っ直ぐにならなかった。今度はもっと大きく前進して切り返したら、なんとか真っ直ぐになった。

切り返すために前進するのはかっこ悪いから、駐車枠の中で調整しようとしたけど、車を降りて見ると、かえって余計曲がっていた。サイドミラーで真っ直ぐにしたつもりなのに、曲がってしまった。

いつもこんな調子で、バック駐車が真っ直ぐに出来たり出来なかったりしていませんか?真っ直ぐになるのは偶然みたいな風に捉えていませんか?

バック駐車で真っ直ぐ入れない人の多くが陥っている原因があります。この原因を理解すれば、偶然性を無くして、常に一発で真っ直ぐ入れるようになります。

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バック駐車が曲がる原因

ほとんどの駐車場は、バック駐車が可能なスペースを確保しています。バック駐車が可能なスペースとは、車を斜めに傾けて切り返しせずに、一回でバックして駐車できるスペースです。

しかし、車が曲がって入ってしまうと、駐車枠の中で立て直すのは難しいのです。奥行5~6mの距離で曲がった車の向きを真っ直ぐにするには、距離が十分ではありません。実際は、後輪が数メートル入ってしまっているので、立て直すために使える距離はもっと短いのです。

バック駐車で曲がってしまう原因は3つあります。

  1. スペースを一杯に使って車を大きな角度で傾けていない。
  2. 近づけることと回転することを同時に行っている。
  3. 駐車枠の中で調整しようとしている。

何のために角度をつけて車を傾けるのか、本当の意味が分かっていません。だから、もっと大きな角度で傾けるスペースがあるのに、45度ぐらいがいいのではないか、ぐらいの認識で行っているのです。

それから、想像してみてください。空き缶を立てて、その空き缶に数メートル離れた位置から、内側後輪を当てるゲームです。離れた位置から回転しながら当てるのと、真っ直ぐ下がって当てるのとどちらが簡単、確実ですか?

斜めに傾けた車を、どこかで真っ直ぐに戻さなければなりません。問題はどの地点で戻すのが良いかです。離れた位置で回転しながら駐車枠の中に入るのは、車を真っ直ぐに回転させることと、駐車枠に入れることの2つの事を同時に行っているのです。

1つでも難しいのに、2つ同時では尚更です。

多くの人がバック駐車を難しくしているのも、この点です。多くの人は回転しながら車を真っ直ぐにして、回転しながら駐車枠に入れようとしているのです。

更に車体が真っすぐになったかどうかの判断にも原因が潜んでいます。ほとんどの人が、曲がってしまった後に判断しています。

バック駐車を一発で真っ直ぐ入れる方法

バック駐車を簡単、確実にするには先ず2つのことを分けます。

  1. 真っ直ぐに近づいて駐車枠に確実に入れる。
  2. 少ない回転で確実に真っ直ぐに戻す。

バック駐車に限らず、どんなことでも2つのことを同時に実行するのは難しいことです。ところが、運転が苦手な人、バック駐車が苦手な人でも、こんな難しいことを行っているのです。

理論的にはどの角度からでも駐車枠に入れることは可能

駐車枠のどこをターゲットポイントにすれば良いでしょうか?

当然、駐車スペースの中央に真っすぐに車を収めた時のタイヤ、あるいはボディ側面の延長線と、駐車スペースの入り口の水平ラインが交わる辺りなのは想像できます。

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<出典画像:『駐車枠のターゲットポイント』>

真っ直ぐターゲットにバックして行けば、どんな角度からでも確実に近づくことができます。駐車場によって、通路の幅は異なります。通路の幅が広い程、車を大きな角度で傾けることが出来ます。駐車枠に対して垂直(90度)に近づくほど、バック駐車は簡単になります。

ですから、通路の幅に合わせて、出来る限り大きな角度で車を傾けたい訳です。言い方を変えれば、駐車場によって、車を傾ける角度は変わってくるということです。

どんな角度であっても、直線的にバックすればターゲットへ近づくことは可能です。

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<出典画像:『ターゲットポイントへの自由な直線的な角度』>

出来るだけ大きな角度でターゲットに照準を合わせる

しかし、車は直線からいきなり角度をつけて曲がることはできません。最小回転半径以下の円周の軌道に沿ってしか曲がれません。直線的にバックしてターゲットポイントに近づけても、角度が小さければ駐車枠に入りきれません。

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<出典画像:『ターゲットポイントと角度による駐車枠への進入の違い』>

大きな角度でターゲットに照準を合わせる程、バック駐車が容易になります。傾ける時には、スペースが許す範囲で可能な限り大きな角度で車を傾けるのです。傾ける角度の大小には意味があるのです。ただなんとなく車を傾けるのではなくて、大きな角度でターゲットに照準を合わせる意識を持って傾けるのです。

例えば通路から入って来て、右側の駐車スペースに入れる場合、ターゲットに対して、右側後輪がターゲットに対して真っ直ぐになる様に、車を左に傾けます。通路から入って来て、右側駐車スペースに車を寄せて行き、ターゲットと右側後輪が接近するようなイメージで車を左に傾けます。この時に、出来る限り大きな角度で傾けるのです。

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<出典画像:『スペースが許す限り大きな角度で傾ける』>

ここで後輪をターゲットに対して真っすぐに出来なかった場合には、下がり始める初動の段階でハンドルを調節して真っ直ぐになるようにします。つまり、傾ける時に角度を誤っても、初期の段階で修正は可能なのです。

ピストルの照準を合わせるように、右のサイドミラーを見て、ボディー側面の延長線がターゲットに向くように調整します。右側後輪がターゲットに向いているかの判断は、右側ボディの側面がターゲットに向いているかで判断した方が分かりやすいからです。

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<出典画像:『右側サイドミラーから見たターゲットへの照準』>

近づく角度によってターゲットエリアは変化する

引き続き右側の駐車スペースに入れる場合の例で進めると、右側サイドミラーで右側後輪、あるいは右側ボディの側面の延長線がターゲットエリアを捉えたら(右側後輪が直接見えていなくても、そう判断できたら)、その場で右側後輪を軸にするイメージで回転します。

ターゲットでなくターゲットエリアとしたのには意味があります。ターゲットに対して垂直(90度)で近づければターゲットポイントに直線で到達できますが、それより角度が小さくなる程、ターゲットポイントから離れたところまでしか直線では近づけません。ターゲットのポイントまでは、90度以外では直線では近づけないので、ターゲットの周辺という意味でターゲットエリアとしました。(駐車枠に入れるためには、ターゲットポイントに直線では近づけないという意味です)

ターゲットポイントと角度の関係

<出典画像:『ターゲットポイントと角度の関係』>

これは、車は最小回転半径より小さく回ることが出来ないからです。大きな角度で近づければ、ターゲットポイントの近くのエリアで最小回転半径の軌道に乗れますが、小さな角度になるにつれて、ターゲットポイントから離れたエリアから、最小回転半径の軌道に乗る必要があります。

また、角度が大きい程、駐車枠の前の位置で、少ない回転で車体を真っ直ぐにすることが出来ます。角度が小さい程、駐車枠の奥の位置で、回転も多くしないと車体を真っ直ぐにすることが出来ません。

角度が最も小さい0度、つまり直角バックが難しい理由がここにあります。ターゲットから最も遠く離れたポイントで、最小回転半径の軌道に乗せなければならないからです。また、直角バックの場合、ただ水平方向(X軸方向)にターゲットポイントから離れるだけでなく、垂直方向(Y軸方向)でも離れなければ、車体が真っすぐになる位置が、駐車枠の奥になるので、その分垂直方向を離さなければ、隣の車にぶつかってしまいます。

車体が真っ直ぐになったかどうかの判断

車体が真っすぐになったかどうかを、サイドミラーで駐車枠の線と平行になっているか、隣の車と平行になっているか、で判断するのは結果の判断です。バック駐車をもう一度やり直すかどうかを決める判断です。

やり直さなくて済むように、一発で真っ直ぐにするためには違う判断が必要です。

運転席から見ると、フロントガラスとダッシュボードの境目は一種の水平線(地平線)です。またボンネットのラインも、同じように意味づけることが出来ます。

これらの水平ラインと、前方の景色を比較することで、自分の車の車体がどちらを向いているかを判断することが出来ます。

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<出典画像:『フロントの水平ラインと前方の景色を比べて判断する』>

もう一つは感覚的な判断です。ハンドルは車が少しでも動いている状態では、タイヤが真っ直ぐになった位置で最も軽くなります。

フロントの水平ラインの視覚的判断と、ハンドルの軽さの触覚的判断を合わせれば、後輪を軸に回転している時にコントロールできるのです。

結果の判断でなく、回転している時の判断で車の傾きを判断します。

ピボットエリアの攻略(まとめ)

これまでターゲットエリアとしてきましたが、それに近い捉え方でピボットエリアと呼ばれている考え方があります。バスケットボールで片足を軸に旋回するルールの名称ピボットと同じ意味です。ピボットエリアの半径は、角度によって変化します。

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<出典画像:『ピボットエリアとは』>

それでは、ピボットエリアのどこをピンポイントに照準を合わせるのがベストでしょうか?ピボットエリアの範囲を点に絞って照準を合わせれば、より正確に駐車枠に入ることが出来ます。ピボットエリアの中心点=駐車枠の縦横のラインが交わる点の延長線とピボットエリアの円周が交わる点です。

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<出典画像:『ピボットエリアの中のベストポイント』>

その理由は、車は直線からいきなり角度をつけて直線的には曲がれないからです。円の軌道でしか曲がれません。このポイントに後輪が来た時に(来たと判断できる時に)回転を始めれば、先ほどのターゲットポイントを通過できます。

角度とピボットエリアの大きさは反比例

車を傾ける角度が大きい程ピボットエリアは小さくて済み、角度が小さくなる程ピボットエリアは大きく想定しなければなりません。

ただエリアが大きくなるだけでなく、回転を始めなければならないポイントも、角度が小さくなる程手前にしなければなりません。角度0度の直角バックが、最大のピボットエリアになり、最も手前から回転し始めなければならないポイントになります。

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<出典画像:『角度によるピボットエリアの大きさと回転ポイントの違い』>

当然、ピボットエリアが小さい程、そこに向かって直線で近づけ、また回転する量も小さくて済みます。可能な限り大きな角度で車を傾けることがバック駐車の第一の秘訣です。

ピボットエリアへ真っ直ぐ接近した後に回転する

ピボットエリアに近づけることと、回転して車体を真っ直ぐにすることを分業します。回転しながら近づけないで、直線的に近づけてから、回転を始めます。近づけることと回転することを分業にするのが、バック駐車の第二の秘訣です。

駐車枠の中で下がりながら直そうとしない

下がりながら、サイドミラーで白線や隣の車との空間などを見ながら、ハンドルを左右に回して調節することは可能です。

しかし、サイドミラーを見ながらの調節をするには駐車枠の奥行の距離が短く、左右に車体を曲げることで、かえって中途半端な角度で収まる可能性が高いのです。

このような調整方法をとるよりも、ピボットエリアに大きな角度で直線的に近づけ、回転で車体を真っ直ぐに戻す判断は、フロントの視覚的な水平感覚と、ハンドルの軽くなる手の感触に任せた方が、確実に真っ直ぐに駐車出来ます。

万が一曲がってしまったり、駐車枠の片側に偏ってしまった場合には、一旦前進して、ピボットエリアに近づけ、そこで回転してと、やり直す方が綺麗な駐車が出来ます。

駐車枠に入った後は、下がりながらハンドルで真っ直ぐにしようとしないことが、バック駐車の第三の秘訣です。

 

 

 

バック駐車で車をぶつけてしまうの原因は何でしょうか?


バック駐車で車をぶつけてしまう主婦の原因は6つあります。


バック駐車で車をぶつけてしまう原因の中に、
バック駐車の秘訣も隠れています。
原因が分かれば防ぐ方法も分かります。
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原因は知らないことと見ないこと


バック駐車で車をぶつけてしまう原因は、
知らないことと見ないことです。


ハンドルを回す方向とタイヤの動き、
タイヤの動きと車の動き方。
車を動かす目安と順番。
必要な操作と不必要な操作。


バック駐車で知っていなければいけないことを知らない。
バック駐車で見なければいけないところを見ない。

サイドミラーだけ見ていれば良いのではありません。

バック駐車の上達は、
知るべきことを知り、
見るべきところを見れば、
誰でも出来ます。

バック駐車で車をぶつける主婦の6つの原因


バック駐車で大事な順に原因を見ていきましょう。

見られている意識の過剰


食事に寄った店の駐車場やスーパーの駐車場。


バック駐車をする前から、
後ろで待っている車や、
向こうから歩いてくる人の視線が気になってしまう。


何度も切り返していたらイライラさせるのではないか。
真っ直ぐ駐車できない下手なところを見られたくない。


人目が気になって自分のペースで駐車できない
せかされるように慌ててハンドルを回してしまう。
注意散漫になって見るべきところを見落としてしまう。


自分が思う程他人は気にしていないのに、
自分で自分を追い込んでしまいます。


でも心配要りません。
バック駐車が得意になれば、
反対に上手なところを見せつけたくなりますから。

どこに近づけるのか知らない


バック駐車で一番大事な目安を1つ選べと言われたら、
私はこれを挙げます。ピボットエリアです。

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バック駐車はピボットエリアに近づけて、
ピボットエリアを中心に車を回して駐車するのです。
その目的のために全ての準備が行われます。


どこに来たら車を傾けるとか、
どの位の角度で車を傾けるとかは、
全てピボットエリアで車を回しやすくするための準備です。


何のために車を傾けるのか知らないでやっていませんか?
知っているか知らないかは傾けた後の動作を見れば分かります。


分かっている人はピボッエリアまで真っ直ぐ下がります。
分かっていない人はそこから曲がりながら近づきます。
ピボットエリアまで車を回しながら近づくのです。

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真っ直ぐバックしようとする方向と、
前輪で傾きを戻そうとする方向の、
2方向の要素を調節するので難しい操作になります。


それに比べてピボットエリアに真っ直ぐ入ってから、
傾きを戻すようにすれば、
操作が1方向つずつなので簡単で正確になります。

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車を傾けることは知っていても、
その後何を目的にして下がっていくのか分かっていない人がいます。
漠然と駐車スペースに向かって、
前輪をハンドルで右や左に動かして、
フラフラさせながらバックしているのです。

車を傾けるのはピボットエリアに、
真っすぐにバックして行くためです。

前輪と後輪の違いを知らない


前輪はハンドルと連動して左右に曲がります。
後輪は真っすぐに固定されていて曲がりません。
極端に表現すれば後輪を軸にして前輪が外側を回ります。

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ピボットエリアに後輪を入れてしまえば、
後輪が軸となって、
前輪で車体を回転させて傾きを戻せる理屈が分かるでしょう。


いわゆる内輪差も同じ理屈です。
真っ直ぐで円周移動の少ない(回転半径の小さい)後輪よりも、
曲がっている前輪の方が外側を大きく(回転半径が大きく)周ります。

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内輪差が分かっていると、
次のような接触事故は防げます。

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バックして曲がる時は前輪が外を回ります。
前進して曲がる時は後輪が内側を回ります。

ハンドルと車体の動きを知らない


前進でもバックでも、
ハンドルを回した方へ車は曲がります。


バックでは逆になるような錯覚をしている人がいます。

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これを知らないと、
幅寄せを使った切り返しが出来ません。

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車は前後に移動するのは簡単ですが、
左右に移動するには幅寄せというテクニックが必要です。
幅寄せが出来れば、
少ない切り返しでバック駐車が出来ます。

アクセル不要でブレーキ必要を知らない


バック駐車(駐車全般)している間は、
基本的にアクセルを踏む必要はありません
(AT車で平地の場合)

アクセルを踏まなくても、
車は動こうとするので、
コントロールはブレーキだけを使います。


最近駐車場から店舗に車が突っ込んだりする事故は、
駐車スペースでアクセルを使おうとするからです。


車はブレーキを踏んでいないと(ブレーキがかかっていないと)、
エンジンはかかりません。


ブレーキを踏んでエンジンをかけた状態で、
駐車スペースから出るようにすれば、
アクセルとの踏み間違いは起きません。

駐車スペース後方を見ない


教習所ではどの駐車方法(方向転換でも)でも、
入ろうとする駐車スペースを確認するように教えています。


しかし何のために確認するか忘れている人が多くいます。
ほとんどの人が入り口付近しか見ていません。
重要なのは駐車スペースの奥の方です。

駐車スペースの奥には思いもかけない障害物があるのです。
そしてぶつけてから気がつくのです。

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私も何度かぶつけたことがあるのが、
立体駐車場などにある鉄骨やコンクリートの壁が、
駐車スペースの奥の方にある場合です。


入口しか見ていないと、
車の後部をぶつけたり、
スライドドア―分のスペースを、
開けずにぶつけてしまうことがありました。


バック駐車する時は、
必ず奥の方を見渡して、
障害物が飛び出していないか、
車止めの有無を確認するようにします。

分かれば実践できる


バック駐車に必要なことを知っていれば、
実践しながら熟練していくことができます。


分からないまま、
毎回定まらないやり方で行っても、
中々上達することはありません。


必要なことが分かっていれば、
実践を繰り返す中で安定した技術が身に付きます。


必要な事を知って、
必要なところを見逃さないように。



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