• 車庫入れでバック駐車する時は45度になるように車を斜めにする。
  • 内側の後輪がピボットエリアに近くなるように近づける。
  • サイドミラーを見ながら内側の白線(枠)に合わせるようにバックする。

大体このようなアドバイスが多いと思います。しかし、車庫入れ、バック駐車が苦手な人には肝心なところが伝わっていないように思えます。

  • 具体的にどの位置でハンドルを切るのか?
  • どの角度で斜めにするのか?45度が理想なのか?
  • 何のためにそうするのか?
  • どうすれば出来るのか?

その辺りのことを詳しく説明します。

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できるだけ0度の角度を目指す

車庫入れで一番簡単なのは、ハンドルで操作することなく、車庫まで真っ直ぐバックするだけで済むことです。つまり、0度の角度で入ることですが、そういう車庫や駐車場はほとんどありません。

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<画像:0度の角度で入るのが理想>

多くの人が間違えているのは、45度が最善だと思って、まだ余裕があるのに0度に近づけないで車庫入れしていることです。45度より40度、40度より30度と、スペースが許す限り0度に近づけるように車を斜めにしようとする意識が重要です。なぜなら、その方が楽になるからです。0度に近づくほど、外側の見通しが良くなり、隣の車や障害物との距離感も把握しやすくなります。

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<画像:45度より0度に近づける意識が重要>

そのためには、通路に進入して来る時から位置取りが決まります。出来るだけ車庫(駐車スペース)寄りに進入しなければなりません。出入りの激しい駐車場では歩行者や、出ようとする車にも注意が必要ですが、可能な範囲で寄せて行くようにします。

よく言われる45度というのは、結果的に45度のように見えるだけです。多くの駐車場の通路が似たようなスペースなので、結果的に45度に見えますが、45度を目標にするのではありません。先入観があるので、もっと0度寄りに傾けられるのに、45度ぐらいで満足しているだけです。

通路スペースを最大限に利用して、可能な限り0度に近づけるように車を傾けます。45度が理想ではないのです。

ピボットエリアと内側後輪を最短にする

0度に出来る車庫(駐車場)でない限り、角度があるので外側の後方は、車庫(駐車場)の枠や白線が確認できません。隣の車や障害物との距離感を頼りにするしかありません。

安全な方法として、見通せる内側後方を基準にします。基準点は、内側の枠や白線と入り口の水平ラインが交差する点=ピボットエリアです。

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<画像:ピボットエリアとは>

外側の後方が見通せないので、内側の空きを基準内に抑えて、外側が確認できなくても安全な範囲に収めます。つまり、車庫(駐車スペース)の中央よりやや内側に寄せていく意識をします。

そのようにピボットエリアを目標とするので、できるだけピボットエリアに、内側の後輪が最短距離になるように車を位置づけます。

この時点で、

  • 車を可能な限り0度に傾ける。
  • 内側の後輪を最大限ピボットエリアに近づける

という2つの工程をクリアするようにします。

「運転席が駐車スペースの奥のラインに来たらハンドルを切って・・・」などの目安でなく、自分の車の後輪を意識します。後輪がピボットエリアに近くなるような位置でハンドルを切るという意識です。

ピボットエリアまでは直線でバックする

車を前進させる場合は、どんなにハンドルを操作しても方向をコントロールできますが、バックさせる場合は、方向のコントロールが難しくなります。

車を傾けた位置から、駐車スペースの入り口まで、円弧を描きながら方向をコントロールするのは、とても難しい技術になります。車体の角度を0度に近づけることと、入り口に合わせることの2つのことを同時に行うためです。





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<画像:回転しながらと直線でバックする比較>

それより、工程を2つに分ける方が簡単です。

  1. ピボットエリアまで真っ直ぐ(直線的に)バックする。
  2. ピボットエリアに入ったら初めて回転する(車の角度を0度にする)

直線的にバックするために、斜めに傾けた後、ハンドルを真っ直ぐな位置に戻す操作が必要になります。停止した状態で(微かにバックさせながらでも可能)ハンドルを戻します。

バック駐車が苦手な人の原因は、

  • 車の斜めにする位置取りの悪さ。
  • 回転させながら入り口までバックさせる難しさ。

の2つです。この時点までで、この2つの原因をクリアしています。

ピボットエリアで初めて回転する

ピボットエリアより手前で回転してしまうと、回転する基準点がないために、回り過ぎたり、足りなかったり、入り口の枠からズレてしまう可能性が高くなるからです。

極端にイメージするとこうです。駐車スペースから離れた位置で回転して、駐車スペースの枠に収まる角度にするのと、ピボットエリアに入ってから回転して枠に収めるのとの難易度が違います。

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<画像:入り口の遠くで回転とピボットエリアでの回転の比較>

入り口から離れて回転した場合は、

  • 車体の角度を比較する基準線が車の側面にない。
  • 駐車スペースの入り口の枠のどの位置にあるか判断しにくい。

という欠点があります。ピボットエリアで回転すれば、車の側面には枠や白線があり、入り口には既に入っています。ピボットエリアで回転するメリットは大きいのです。

車が真っすぐ(0度)になったかどうかの判断は、両側の車両や前面の景色との関係で判断しますが、この時点では完璧に真っ直ぐになっていなくても構いません。

左右の空きが均等になるようにバックする

ピボットエリアで回転した後の状態は、ピボットエリア側(回転の内側)寄りに車があるのが普通です。これは、見通しの悪い外側の空きに余裕を持たせたためです。このままの状態で真っ直ぐに奥までバックしても支障はありません。

更にバック駐車の質を高めるならば、サイドミラーを見て、左右の枠や白線との空きが、均等になるようにハンドルを微調整しながら、ゆっくりバックしていきます。

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ポイントは、どちらか片側だけを基準にしないことです。あくまでも左右の空きが均等になるように操作することです。サイドミラーから見るとボディーと白線は、平行であっても先の方が狭くなっているように見えます。片側だけで白線や枠と平行になるように合わせようとすると、折角真っ直ぐになっていた車体が傾いてしまう原因になります。

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両方のサイドミラーを交互に見ながら、ボディの後方の側面と、枠や白線の空きが左右で均等になるように調節しながらバックします。そうすれば、駐車スペースの中央に止められます。

ピボットエリアで回転した時点で車体が真っ直ぐ(0度)になっていなくても、左右の空きが均等になるようにバックして行く過程で、車体は真っすぐに調整されていきます。

以上のように車庫入れ(バック駐車)を完了させるために、最初に斜めにする車の位置が決まるのです。