トヨタの純正のバックガイドモニターには、赤・黄・緑の色のガイド線が表示されるようになっています。

しかし、この機能を十分理解して活用している人は少ないようです。バック駐車や縦列駐車の補助というより、単に後方の安全確認のために使っています。

それだけでも大きな助けにはなりますが、使ってみると意外に頼りになる機能です。サイドミラーだけでバック駐車や縦列駐車は出来ますが、折角装備されているものを使わないのは勿体ないことです。

分からないから使わないのでなく、理解した上で使ってみて、それでも必要ないのなら使わなければ良いし、便利だと気が付いたら使うべきだと思います。先ず正しく知ることです。

狭くて余裕の全くない駐車場でなければ、バックガイドモニターを利用して、楽にバック駐車してしまいましょう。

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3色のガイド線の意味

トヨタのバックガイドモニターに表示される3色のガイド線の意味は次の通りです。

  • 赤色(距離目安線):バンパー後端から約50㎝先を予測したラインで、ハンドルの角度と連動する。
  • 黄色(距離目安線):バンパー後端から約1m先を予測したラインで、ハンドルの角度と連動する。
  • 黄色(予想進路線):ハンドルの角度から算出した車両の予想進路(長さ約2.7m・幅2.2m)で、ハンドルの角度と連動する。
  • 緑色(車幅延長線):車の現在位置の車幅を延長したライン(長さ2.7m・幅2.2m)で、ハンドルの角度と連動しない。

緑色の線だけがハンドルの角度と連動していません。緑色は現在の車の方向を表わし、赤色と黄色が未来の方向を示しています。

バックガイドモニターに映るガイド線

<画像:バックガイドモニターに映るガイド線

どの時点からガイド線を利用すれば良いのか?

駐車場の通路を進んで来て、(あるいは、車庫の前の道路を進んで来て)後輪が駐車スペースに近くなるように車を傾けます。ここまではサイドミラーを使ったバック駐車と同じです。

ここからギアをバックに入れると、バックガイドモニターに切り替わります。この時点からガイド線を利用します。サイドミラーを使った方法のように直線でピボットエリアまでバックするようにはしません。ガイド線だけを見ながらバックしていきます。

サイドミラーを見ながら、ピボットエリアまで直線的にバックするのでなく、バックガイドモニターのガイド線を見ながら、ハンドルを切りつつバックしていきます。直線的にバックするか、曲線的にバックするかの違いがあります。

ピボットエリアとバック駐車の関係

どの線を見てバック駐車すれば良いのか?

黄色の予想進路線の先端はハンドルの角度に連動して動きます。そのハンドルの角度のまま車が後退していけば、黄色の予想進路線の先端に車体が通ることになります。

先ず、黄色の予想進路線の先端を駐車スペースの入り口の幅=枠の線に合わせます。そのままハンドルを動かさなければ、車は駐車スペースの入り口の中央に近づきます。

車の後退に従って黄色の予想進路線の先端は、駐車スペースの奥に達します。奥の枠線に収まる様にハンドルを調整します。駐車スペースの枠線に重なるように、左右にずれないようにします。この時点で車体の現在の向きを示す緑色の線と重なります。

間違えやすいのが、緑色の車幅延長線を駐車スペースの枠に合わせようと、ハンドルを動かしてしまうことです。緑色の車幅延長線は結果として黄色の線に重なるのであって、ハンドルで調節するのは黄色の予想進路線の方です。

黄色の予想進路線の未来に、緑色の車幅延長線の現在が追いつくというイメージです。ハンドルで調節するのは黄色の未来の予想進路線だけです。

黄色の予想進路線は駐車スペースの入り口の枠と、奥の枠の2度セットする感覚です。2度枠にロックオンするという表現がピッタリします。ポイントは、ロックオンしたら動かさないことです。未来の地点に向かって正しくロックオンすれば、現実はその通り近づいていきます。ロックオンしたのにずらしてはいけません。

次の動画は、黄色の予想進路線を利用しないで、緑色の車幅延長線を目安にバック駐車しようとしているために、駐車スペースの中央に綺麗に駐車できていません。

ただし、動画の後半の縦列駐車では黄色の予想進路線を上手に利用できているように見えます。バック駐車でも黄色の予想進路線を先導して使うと良いですね。

 

<動画:バックモニタフィールダ2014-10 - YouTube

赤色と黄色の距離目安線の見方

赤色の距離目安線はバンパー後端から約50㎝先のラインです。障害物との衝突を安全に避けるための境界の目安です。障害物にも様々な形があります。突起などを考慮して、衝突の限界までは少し余裕を持たせています。

次の写真は、赤色の線上に障害物を置いて横から写した場面です。まだ10㎝以上は余裕があるのが分かります。

赤色の距離目安線上に置いた障害物

<画像:赤色の距離目安線上に置いた障害物

黄色の距離目安線はバンパー後端から約1m先のラインです。このラインは、バックドアを開いた時に、後方の障害物と衝突しないための目安として良いでしょう。

次の図はトヨタ ヴォクシーのバックドアの開閉時の側面図です。バックドアが最も遠くに開いた寸法(A)は、タイプにより異なりますが、約940㎝から965㎝になっています。1mあれば、3.5㎝から6㎝の余裕が確保できる計算です。

ヴォクシーのタイプバックドア開閉時の軌跡の最長(寸法A)
ZS約950㎜
ZS以外約965㎜
GR SPORT約940㎜

トヨタヴォクシーのバックドア開閉時の側面図

<画像:トヨタヴォクシーのバックドア開閉時の側面図

縦列駐車の時は、赤色の距離目安線で後ろの車に合わせると、50㎝しかないので後ろの車は出られませんので、黄色の距離目安線なら1mありますから、こちらに合わせておけば出られます。