バック駐車が苦手から得意になった30代主婦のメモ

バック駐車が苦手だった30代主婦が運転が得意になったコツのメモ

カテゴリ: 前向き駐車

「前向き駐車指定のところで、きっちり守って前向きに駐車してますか?」

飲食店やコンビニだけでなく、色々な施設で前向き駐車の指定があるところが増えてきたような気がするのは、私だけでしょうか?

あるいは、以前の私の意識が低くて、気にしていなかったせいかも知れません。隣接する住人の立場を考えるようになったからでしょうか。

前向き駐車を指定している駐車場は、ほとんどが通路に余裕を持っています。しかし、中には、以前はバック駐車であったものが、前向き駐車に変わったところなどは、同じ通路幅のまま前向き駐車をする必要があります。

たっぷりのスペースがない駐車場では、前向き駐車に苦労している人がいます。

  • 斜めに突っ込んだまま身動きが取れなくなる。
  • 隣の車にぶつけてしまう。
  • 何度も切り返している。

前向き駐車を一発で上手く入れるコツや、何か目安みたいなものはあるでしょうか?

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前向き駐車にコツや目安はあるだろうか?

前向き駐車のコツと目安を考える前に、前向き駐車を物理的に眺めてみましょう。参考として、ニッサンノートの前向き駐車に必要な通路スペースや位置関係をみてみることにします。

ニッサンノートのサイズ

項目サイズ
全長4,100mm
全幅1,695mm
全高1,525mm
ホイールベース(前後の車軸中心間寸法)2,600mm
トレッド(左右のタイヤ中心間寸法)1,480/1,485mm
最小回転半径(最小回転時の外側前輪の描く円の半径)4.7m

参照したのは、ニッサンノートSタイプの諸元です。ちなみに、ニッサンノートは軽自動車以外で、2018年に最も売れた車だそうです。

ニッサンノートの前向き駐車に必要な条件

ニッサンノートが、一発で前向き駐車するのに必要な通路幅を求めてみましょう。なお、駐車スペースは標準的な、間口2.5m、奥行き5mと想定します。15度づつ回転しさせてみます。

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ニッサンノートの助手席側はサイドミラー分で200㎜(20㎝)の余裕をみました。必要な通路幅は7,020mmになりました。バック駐車した場合と比較してみましょう。

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なんと、3,914mm以上と狭くて済みます。その差3m以上あります。バック駐車のメリットが視覚的にも分かりますね。

これらのことから、前向き駐車のコツや目安は引き出せるでしょうか?

前向き駐車の目安

先に目安から見てみましょう。一発で前向き駐車できる通路幅7,020mmは、ニッサンノートの全長4,100mmの約1.7倍、全幅1,695mmの約4倍です。

バック駐車が可能な(直角バックが一発で可能な)通路幅3,914mmと比較すると、前向き駐車では約1.8倍必要です。

このような数値的なものは、現場ではほとんど役に立ちませんね。前向き駐車が一発で出来るかどうかの目安にするには無理があります。

むしろ感覚的な目安の方が有効かも知れません。駐車スペースから出来るだけ離れた位置に車を置いて、入り口まで前進で回転して、頭が入り込む時点で車が90度(真っ直ぐ)になるかどうか感じ取るのです。

ちょっと難しいですよね。他には今のところ思いつきません。

前向き駐車のコツ

図を描いてて気がついたのですが、一発で前進駐車をする時、回転の途中では、目的の駐車スぺ―スより外側(図では左隣の駐車スペース)に一旦入り込んでいます。ここに前向き駐車のコツがあるのではないかと感じました。

ギリギリ一発で入れるスペースがある時や、もう少し狭いスペースの時でも、前向き駐車する時に、意外と手前の方で回転しているのではないかという印象を持っています。図で言えば、もっと右側で前進回転をしているのでないかと思います。

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通路が狭くて、60度で左隣の駐車枠までしか回転できなかった場合の図です。ここでバックして切り返せば入れます。通路幅は5,536mmです。もし、回転する位置がもっと手前の場合はどうなるか見てみましょう。

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手前から回転すると、60度で車の右前部の角が右隣の駐車枠にぶつかると、通路幅は5,960mm必要になります。先ほどより5,960mm-5,536mm=424mm広くなります。

2つのケースを見てくると、両隣にぶつからないように、駐車スペースにもっと頭を入り込める位置があることが想像できます。

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60度で最大に入り込める位置を出して見ると、必要な通路幅は4,313mmまで小さくなります。実際にはここまで入り込む危険は冒しませんが、考え方としてはあり得ます。

何が言いたいのかというと、回転を開始する位置で、必要な通路幅は変わってくることです。少なくても、意識しているよりも前の方(今回の場合で言えば左方向)で、回転を始めた方が、入り込め安くなります。

一発で入れそうにない時は、切り返すとしても、無理して枠の中に頭を入れるようなことをせず、車の前部が隣(今回の場合で言えば左隣)の枠の角にぶつかる寸前で切り返すようなイメージが安全かと思います。この図の60度の位置ですね。

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この位置で切り返せば、右前部角が右隣の車にぶつかることはありません。隣の駐車スペースの入り口角に車の頭を近づけてから切り返す、これが私が考えるコツになります。この図では60度ですが、もっと狭い通路幅の駐車場では、もっと寝た角度(60度以下の角度)までしか傾けられませんが、切り返しの回数が増えたとしても、安全な切り返しができる方法です。

 

 

バック駐車が苦手で、いつも前向き駐車をしている人だけでなく、駐車場の指定でやむを得ず前向き駐車をしなければならない場合があります。

中には通路のスペースが狭い駐車場があります。隣に駐車している車がない場合は問題ありませんが、両隣に車がある時には緊張します。

前向きで入る時と出る時に、車の外側前部の角を隣の車にぶつけないように神経を集中します。

狭い駐車場では1回で入りきらないので、何回か切り返して入ります。出る時も同様に1回で出られないので何回も切り返します。

つまり、狭い駐車場で前向き駐車するためには、切り返しが必須になるわけです。切り返しのテクニックをどのように活用すれば、パニックにならずに安全に前向きに入ったり出たり出来るのか、そのコツを考えてみます。

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切り返しの特性を知る

切り返しの再確認

切り返しで行っていることは、車を横に移動させること(この動作を幅寄せと呼びます)です。止まったままでは横に動かないので、前進や後退をしながら横に移動させます。前進でも後退でも切り返しの要領は同じです。

  1. (前進/後退しながら)車を移動させたい方に傾ける。
  2. (前進/後退しながら)車の向きを元に戻す。

<出典動画:『タブレット教材 幅寄せ左』YouTube>

 

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たったこれだけのことです。車を傾ける角度が大きい程、横に移動する距離が大きくなります。少しだけ移動する時は小さく傾け、大きく移動したい時は大きく傾けます。

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「切り返し」とは、車の進退が行き詰まった時に、横に移動(幅寄せ)して、その状況から抜け出すことです。

狭い通路の駐車場で前向き駐車をしている時に、スペースが足りなくて、1回で入ったり出たり出来ない場合にも切り返しが必要になります。

幅寄せの問題点

車が曲がる時には内輪差と外輪差が生じます。内輪差とは曲がる時の内側の前輪と後輪の軌道の差で、外輪差とは曲がる時の外側の前輪と後輪の軌道の差です。

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内輪差も外輪差も、どちらも前輪が後輪より外側の円軌道を通ります。前進する時も後退する時も生じます。

幅寄せする時の内輪差と外輪差の問題点を考えてみます。幅寄せする過程で、周囲の車や障害物との接触の危険性です。

左に前進する時で見ると、左後部の接触と左前部の接触の可能性が生じます。先ず左に車を傾けて進む時の内輪差で左後部が接触する可能性があります。そして傾けた車体を元に戻す時に左前部を接触させる可能性があります。

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前進時の幅寄せの前半で内輪差が、後半で外輪差が生じています。幅寄せは逆方向の円軌道がつながった動作なので、内輪差と外輪差が生まれるのです。

以上の点を踏まえて、狭い駐車場での前向き駐車で入る時と出る時のコツを考えてみます。

狭い駐車場に前向きに入る時のコツ

前提条件としては、

  • 1回で入れない狭い通路であること。
  • 駐車したいスペースの両隣には車が停まっていること。

になります。

狭い通路から前向き駐車する状況での問題は以下の2点です。

  • 内輪差のために手前の車に車体後部が接触する。
  • 外輪差のために向こう側の車に車体前部が接触する。

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このままでは入れないので、後退しながら切り返すのですが、この時の車の位置によっては、後退時の外輪差によって、隣の車に接触する危険性があります。上図で言えば、右側前部が接触する可能性が生じます。

切り返すための後退時の外輪差を考えて、最初に車を傾ける位置が重要になってきます。上図の場合、向かって左隣りの車の側に近づけて傾けるようにします。

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ここから、後退と前進を繰り返しながら切り返して(車を左側に幅寄せして)、車の角度を立てていきます。

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簡単に描いていますが、1回の後退しながらの幅寄せをもう少し詳細に図式化すれば、下図のような幅寄せの動作(車体を傾け、元に戻す)をしています。

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狭い駐車場から前向きで出る時のコツ

出る時も1回で抜け出せるスペースはありません。外輪差で接触しないように、理想的には駐車スペースから車体を完全に出し切ってから回転したいところです。

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狭くて、車を出し切ったら後退するスぺ―スがない場合もあります。その時には、曲がる方と反対側の、外輪差で接触する危険性のある方のスペースを、前後に動きながら幅寄せして空けます。その後出来る限り駐車スペースの外に後退してから回転します。

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それでも1回では出来れないので、再度前進しながら幅寄せして外輪差の分のスペースを空け、また後退しながら回転するという動作を繰り返します。

出る時は、内輪差で接触する状況はないので、外輪差による接触だけ注意して、スペースを確保してから後退しながら回転するようにします。

 

住宅が隣接している商業施設などの駐車場では「前向き駐車」と掲示されているところを良く見かけます。

しかし、全ての利用者がその要望を順守しているのは稀です。100%前向きに駐車している場面を見る事は少ない印象を持っています。その理由としては、

  • 「前向き駐車」の意味を誤解している。
  • 隣接住民の迷惑している立場を思いやる想像力がない。
  • 今回だけしか利用しないから許される。
  • 罰則はないから守らなくても問題ない。
  • 他の人も守ってないから自分も大丈夫。
  • バック駐車が習慣になってしまっている。
  • 「前向き駐車」の掲示を見落としたから。

表面的な理由は色々考えられますが、それらの根底にあるのは、「前向き駐車は出にくい」という思いがあるのではないでしょうか?

  • バック駐車は入る時は面倒だけど出る時が楽。
  • 前向き駐車は入る時は楽だけど出る時が面倒。

楽な事を後にするか先にするかの違いのように思えますが、本当にそれだけなのか検証してみます。

前向き駐車

前向き駐車は本当に出にくいのか?

トヨタのアクアをモデルに、前向き駐車はバック駐車に比べて、本当に出にくいのか見てみたいと思います。

アクアの車体寸法など(諸元)は以下の通りです。5人乗りとしては、小回りの良い車のようです。

項目寸法等
全長4,050mm
全幅1,695mm
全高1,455mm
ホイールベース(前輪と後輪の車軸中心間の距離)2,550mm
トレッド(内側と外側のタイヤの中心間の距離)1,470mm/1,460mm(前/後)
最小回転半径(最小に回転した時の前輪外側タイヤの描く円の半径)4.8m

トヨタアクア寸法図

<出典画像:『トヨタアクア寸法図』http://toyota.jp/pages/contents/aqua/001_p_011/image/grade/common/carlineup_aqua_grade_common_size_l.jpg

どんなに運転が上手い人でも、最小回転半径より小さく回り込むことは出来ません。アクアの最小回転半径は4.8mなので、この円より内側を、前輪外側のタイヤは回ることは不可能です。最小回転半径の円の中心は、後輪の車軸の延長線上にあります。

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アクアが駐車場の通路を入って来て、前向きに駐車する場合を考えてみます。通路に入って来た状態の角度を0度とすると、90度回転して頭から駐車スペースに入って行きます。

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駐車スペースの大きさを間口2.5m、奥行5mで想定しています。

助手席側と障害物の間隔を40㎝とって、切り返しせず1回で前向きに駐車しようとすると、通路幅は約7.4m(7.353m)必要です。同時に、出る時も切り返しせずに1回で出るためには、同じ通路幅が必要と言うことになります。

助手席側と障害物との間隔の40㎝は、入る時は危険と感じませんが、出る時の後方外側(図の場合は左後方の角)と障害物の間隔を40㎝にまで接近させるのは難しく感じます。

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また駐車スペースから出る時の前方外側の角(図の場合は左前方の角)と隣に駐車している車との接触の危険性です。外側のタイヤよりも車体(バンパー)は外側を回転します(フロントオーバーハングのため)

  • 前方外側の角の接触の危険性。
  • 後方外側の角の接触の危険性。

この2つの危険性に加えて、前向き駐車から出る時には、後方を通過する車や歩行者と接触する危険性があります。確かに、前向き駐車は入る時よりも、出る時の方が難しいことが分かります。

前向き駐車は入りにくい

それでは、前向き駐車はバック駐車よりも入りやすいかどうかを考えてみます。比較するために、1回の直角に入るバック駐車(直角バック、直角駐車)の様子を見てみます。

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同じ様に助手席側と障害物の間隔を40㎝とって、直角バックを1回で入るには約4.4m(4.393m)必要です。前向き駐車より7.4m-4.4m=3mも少ない通路幅で駐車することが可能です。

それだけでなく、助手席側の障害物との40㎝の間隔は、入る時も出る時も前方外側の角になるので、前向き駐車の場合の外側後方の角よりも確認しやすことも分かります。

  • 通路のスペースが狭くて済む。
  • 外側障害物との間隔を確認しやすい。

前向き駐車に比べて、この2点がメリットになります。ただし、入る時の後方の左右の角が、両隣の駐車中の車と接触する危険性はあります。

入る場合だけを考えてみると、必要な通路幅の差が3mもあるというのは、前向き駐車はバック駐車に比べて、とても入りにくいことを表わしています。

もし、通路幅が4.4mしかなかった場合、前向き駐車では3m分の不足を切り返しで補う必要が出てきます。前向き駐車は出にくいだけでなく、入りにくいとも言えるのです。前向き駐車で、入りやすく出やすいと言えるのは、十分な通路スペースのある数少ない駐車場(例えば大きな敷地のコンビニの駐車場など)だけです。

バック駐車は入るのも出るのも安全

バック駐車の唯一の危険性は、駐車スペースに入る時の後方左右の角の接触です。ここだけクリアすれば、バック駐車は前向き駐車より安全だと言えます。

車が動いている時に、最も危険なのは車の後方に障害物(人や物)がある場合です。バック駐車の場合には、駐車スペースの入り口までの間に、障害物が入り込む可能性はゼロではありませんが、駐車スペースの中とそれに続く軌道上の狭い範囲に限定されます。

前向き駐車の場合、駐車スペースから出る時に、車の後方に障害物が存在する可能性は高くなります。真後ろだけでなく、後方左右から障害物が表れる可能性があります。

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バック駐車は、入る時には限定された後方の危険性はあるものの、出る時には前方を直接確認できる安全性があるので、前向き駐車に比べて、入る時も出る時も安全と言えます。このメリットの上に、必要な通路スペースが狭くて済むという利点が加わります。

これらのバック駐車の前向き駐車に対する優越性を、経験的に感じているので、前向き駐車に対する潜在的な抵抗感があるのです。

 

集合住宅や商業施設の駐車場では、隣接する住民や植木、花への排気ガスを避けるために、「前向き駐車でお願いします」の看板を掲げています。

しかし、看板の効果はそれほどあるとは思えません。なぜなら、排気ガスで悩む住民の声が絶えないからです。集合住宅の管理会社や商業店舗の責任者に交渉しても、防げるような障壁を設けてくれるケースはまれで、多くは看板や張り紙の注意喚起を徹底するように努力する程度です。

前向き駐車による排気ガスの迷惑軽減の効果は大きいので、ルールが利用者に伝わって守ってもらえさえすれば、莫大な費用を掛けずにトラブルが解消に向かいます。こじれて訴訟などに長期化することも少なくなるでしょう。

看板よりも効果のある方法を考えてみました。

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看板は効果的でない理由
前向き駐車の看板アップ
<出典画像:http://img09.shop-pro.jp/PA01042/020/product/18854647.png>

このような看板が、駐車スペースの奥の壁などに貼ってあるのをよく見かけます。ひとつ一つの駐車スペースにあるのは稀で、中にはポツンと1枚だけ貼ってある場所もあります。
前向き駐車看板遠景
<出典画像:https://item-shopping.c.yimg.jp/i/l/e-netsign_to-8a_3>

運転する人の心理として、駐車場では駐車スペースを探して見つけることが最優先されます。駐車場全体の環境よりも、空きスペースがどこにあるのかに意識が集中します。

「なるほど、ここの駐車場は前向き駐車のルールになっているのか」などと思いながら駐車スペースを探すことは少ないのです。他の人よりも先に空きスペースを探すことで頭は一杯です。

ですから、「あっ、あそこが空いてる!」と見つけたら、直ぐに近づいて、他の車よりも先に駐車するための行動を始めようとします。駐車=バック駐車の習性の人には、空きスペース発見即、バック駐車の準備行動になります。ルームミラーに写る前向き駐車の看板に気がつくのは、バック駐車が完了した後です。もはや、駐車をやり直す段階ではありません。「ま、いいか」で自分を納得させて終わりです。

駐車スペースを見つけた時、その奥の壁に貼ってある看板まで注意して見ていません。何度も利用する駐車場なら分かりますが、偶然利用する場合などは認識しません。

そして、前向き駐車を守ることと車を入れ直すことを天秤にかけた場合、前向き駐車を守ることを選ぶほどの重要性を感じていません。
  • 少しの間だけの駐車だから大丈夫。
  • 長くアイドリングしているわけじゃないから大丈夫。
  • 罰則があるわけじゃないから大丈夫。
  • 他の車もバックで駐車してるから大丈夫。
  • 前向きに入れ直すほどの事でもないから大丈夫。
前向き駐車を看板で警告して守らせるのは、良識ある常連の利用者には伝わりますが、それ以外の利用者には効果的ではありません。

運転者へ伝えるタイミングが遅いのです。駐車スペースを見つけた瞬間に伝えなければ間に合いません。バック駐車の体勢に入ってしまっては手遅れなのです。まだ社会の中の共通認識では、前向き駐車のために車を入れ直すほどの価値観を持つに至っていないからです。

バック駐車の体勢に入る前に伝える

運転中の視界の多くは、前方の道路上に集中します。空間の情報よりも路面からの情報の方が強く伝わってきます。例えば、空間に設置された横断歩道有りの道路標識看板よりも、路面に描かれたゼブラ模様の方が直感的に伝わってきます。

道路標識横断歩道

<出典画像:http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/6d/970fcd48d3a2487899fe045f5d26e61b.jpg?random=b7ba6834ed5146c807a45d4d5a9778eb>

そして、もし歩行者がいた場合、一旦停車するのは路面に描かれた模様や線の前で行います。この模様や線がない場合を想像すると、車が停車する位置の一定さは異なると考えられます。模様や線があるために運転する人をその位置まで誘導します。道路標識の看板だけでは正確に誘導できません。

路面から伝わる情報は、早く強く伝えることと誘導することができます。

前向き駐車の場合でも、看板よりも路面に描いた文字やシンボルで伝える方が、早く強く、そして誘導できるのではないかと考えられます。

駐車場ペイント来客用
<出典画像:http://www.pladan-kako.com/made/up_img/1406598310-027066_4.jpg>

駐車スペースの前の方に「来客用」とあれば、来客でない車が駐車スペースを見つけた時点で、ここは止めてはいけない場所だと判断できます。バック駐車の体勢に入る前に誘導できます。駐車スペースの前に大きく描かれた車いすのマークを見たら、常識のある人なら駐車しません。路面からの情報によって、バック駐車の体勢に入る前に伝わり、他の場所へ誘導させられます。

駐車場ペイント障碍者用
<出典画像:http://www.y-d-k.co.jp/p3-works/2-tosou/images/149/p6-2.jpg。>

駐車スペースの前部に描かれたシンボルや文字に伝達効果があるにも関わらず、「前向き駐車」とペイントされた駐車場を見かけることがほとんどありません。

例えばこんなシンボルが駐車スペースの前部に描かれていたら、バック駐車の体勢に入る前に伝えて、前向き駐車に誘導することが出来るのではないでしょうか?

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イマイチですね。デザインや文字は工夫が必要ですが、方法としては、少なくともこれまでの奥の壁に貼られた看板よりは効果的なはずです。同じデザインなら看板よりも路面にペイントした方が効果は上です。例えばこんなシンプルな看板のデザインがあります。


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<出典画像:https://tse2.mm.bing.net/th?id=OIP.Lh4NSDa91jjlCfHE07uJ3gEsDI&pid=Api>

駐車スペースの奥の壁に貼るのでなく、そのデザインで前の方の路面にペイントすべきです。そして、出来れば、駐車場の通路の入り口近くにも「前向き駐車」を知らせる路面ペイントを施しておくことです。


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バック駐車の体勢に入る前に、いかに早く伝えることができるかがポイントになります。


住宅地と隣接した駐車場では、「前向き駐車でお願いします」と掲示板に書かれ、後ろ向きで駐車しないように警告されているところが多くあります。これは、駐車した車の排気ガスによる住民への被害を防ぐための処置ですが、完全に守られていないのが現状です。

守られない原因として、

  • 前向き駐車はバック駐車より苦労する。
  • 前向き駐車は運転が未熟に見られる。
  • バック駐車が習慣になってしまっている。

のようなことが考えられます。原因の中の、「前向き駐車はバック駐車より苦労する」というのは本当でしょうか?そのように思い込んでいるだけではないのでしょうか?事実なのか先入観だけなのか?

一般的に、前向き駐車は入る時は簡単でも、出る時が難しいと思われています。前向き駐車の利点は入る時の簡単さで、欠点は出る時の難しさと考えられます。本当にそうなのか、確かめてみたいと思います。
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そもそも駐車スペースに入るとはどういうことか?

駐車場の1台分の駐車スペースは、おおよそ幅2.5m、奥行5m~6mが標準です。駐車スペースに入るということは、幅2.5mの入り口を通過する時に、車の向きが0度、つまり奥行きの枠の白線と平行になっているということです。
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<画像:駐車スペースの入り口のラインを0度で通過すること>

「入り口を通過する時点で車体が0度になっていること」が、駐車スペースに車を入れるということになります。

駐車スペースの入り口のラインを0度で通過する難易度で、簡単な駐車か難しい駐車か判断できます。駐車スペースの入り口のラインを、入る時と出る時をバック駐車と比較をすれば、前向き駐車の利点と欠点が見えてくるはずです。

入り口のラインを0度で通過する比較

最小回転半径の中心は後輪の車軸の延長線上

前進も後退も同じですが、どんなに小回りで回ろうとしても、最小回転半径より小さくは曲がれません。

最小回転半径とは、ハンドルを一杯に切った状態で回転した時、車の外側の前輪の中心が描いた円の半径のことです。円の中心点は、車の後輪の車軸の延長線上にあります。
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<画像:最小回転半径とは>

前向き駐車とバック駐車を比較する場合にポイントになるのが、最小回転半径の中心点が後輪の車軸の延長線上にあるという点です。

車体が真っ直ぐ=垂直(0度)になるのは、車の後輪の車軸が水平(90度)になる位置ということです。円の中心が前輪の車軸でも車体の中心ではなくて、車の後輪の車軸の延長線上にあるために、真っ直ぐになる位置の基準が後輪になるのです。

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<画像:最小回転半径で回転した車の様子>

前向き駐車は後輪が入り口を通過するのが遅れる

駐車スペースの入り口のラインを前向きに通過する場合と、バックで通過する場合を比較すると、前向きの方がバックに比べて、前輪と後輪の距離=ホイールベースの分だけ車体が0度(垂直)になるのが遅れます。

バック駐車では後輪から入り口のラインを通過します。前向き駐車では前輪から入り口のラインを通過します。入口のラインを先に通過するのはバック駐車の方です。

前向き駐車は後輪が入り口のラインを通過するまで、車体が垂直(0度)にはなりません。0度になっていないまま入り口のラインを通過するということは、隣の車と接触してしまいます。前向き駐車で入り口のラインを通過するためには、ホイールベース分離れた位置から回転しなくてはなりません。

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<画像:前向き駐車はホイールベース分離れて回転する必要>

逆に言えば、バック駐車は前向き駐車に比べて、ホイールベースの分だけ、入り口のラインの近くから回転すれば良いことになります。

前向き駐車の利点と欠点

前向き駐車の利点

  • 駐車スペースに入る時は前進なので安全確認とハンドル操作がしやすい。
  • 駐車スペースに入る時間と手間が少なくて済む。
  • 駐車スペースに入る際の接触事故の可能性は低くなる。
  • 隣接住民への排気ガスの迷惑を防げる。

バック駐車が苦手な人の場合、バック駐車のために起こすであろう事故は少なくなります。

前向き駐車の欠点

前向き駐車は、前輪よりも後から後輪が駐車スペースの入り口のラインを通過するために、入り口のラインで車体が0度になるのが遅れます。車体が斜めに傾いた状態で入り口のラインを通過すれば、隣の車と接触してしまいます。

入り口のラインを通過する時に0度になっておくためには、より遠くから回転を始める必要があります。その余分に必要な距離はホイールベースの距離になります。

  • 駐車スペースに入るための回転に要する距離が大きくなる。
  • バック駐車よりも広い通路が必要。
  • 出ていく際に隣の車や後方を通過する車との接触事故の可能性は高くなる。

接触事故の可能性は、前向き駐車とバック駐車ではどちらも同等と考えられます。ただ、前向き駐車の場合、入り口までの回転に要する距離が大きくなるので、出る時も同じ距離を使って出なければなりません。

通路が広くない駐車場では、前向き駐車で外側一杯から回転して入った場合、出る時も外側一杯に回転しながら出なければなりません。バックで安全確認しながら、外側ギリギリで回転するのは難しい操作になります。

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<画像:前向き駐車の出る時は入る時と同じ軌道が必要>

前向き駐車で入れたのなら、同じ軌道をバックすれば出ることは出来ます。前向き駐車が比較的敬遠されるのは、離れた距離から回転して入ったら、離れた距離まで回転して出なければならないことです。入る時は前進なので、外側に車が並んでいても安全を確保しやすいですが、出る時は後退しながらの安全確認とハンドル操作なので難しく感じるのです。

離れた距離から回転して入ったのに、出る時は短い距離で回転して出ようとして、車の前部の角を隣の車に接触させる事故が起きます。前輪とバンパーまでの距離(オーバーハング)があることと、前輪は後輪より外側を通る(この場合外側のタイヤなので内輪差でなく外輪差)ためです。この点さえ気を付ければ前向き駐車の事故はかなり防げます。(バック駐車でも出て行く時の内輪差と、入る時の後方のオーバーハングはあるので危険度は同等ですが)

広い通路スペースの駐車場なら前向き駐車、狭い駐車場ならバック駐車が有利という結論です。ただ、最近思うのは、前向き駐車の方が安全かも知れないという気がするのです。なぜかというと、バック駐車で入る時と、前向き駐車してバックで出て行く時の、注意の仕方、時間のかけ方、慎重さを比較すると、後者の方が安全に気を使っているように感じるからです。慣れの問題かも知れませんが、前向き駐車を改めて評価する必要はあると思います。

 

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