「前向き駐車指定のところで、きっちり守って前向きに駐車してますか?」
飲食店やコンビニだけでなく、色々な施設で前向き駐車の指定があるところが増えてきたような気がするのは、私だけでしょうか?
あるいは、以前の私の意識が低くて、気にしていなかったせいかも知れません。隣接する住人の立場を考えるようになったからでしょうか。
前向き駐車を指定している駐車場は、ほとんどが通路に余裕を持っています。しかし、中には、以前はバック駐車であったものが、前向き駐車に変わったところなどは、同じ通路幅のまま前向き駐車をする必要があります。
たっぷりのスペースがない駐車場では、前向き駐車に苦労している人がいます。
- 斜めに突っ込んだまま身動きが取れなくなる。
- 隣の車にぶつけてしまう。
- 何度も切り返している。
前向き駐車を一発で上手く入れるコツや、何か目安みたいなものはあるでしょうか?
前向き駐車にコツや目安はあるだろうか?
前向き駐車のコツと目安を考える前に、前向き駐車を物理的に眺めてみましょう。参考として、ニッサンノートの前向き駐車に必要な通路スペースや位置関係をみてみることにします。
ニッサンノートのサイズ
項目 | サイズ |
---|---|
全長 | 4,100mm |
全幅 | 1,695mm |
全高 | 1,525mm |
ホイールベース(前後の車軸中心間寸法) | 2,600mm |
トレッド(左右のタイヤ中心間寸法) | 1,480/1,485mm |
最小回転半径(最小回転時の外側前輪の描く円の半径) | 4.7m |
参照したのは、ニッサンノートSタイプの諸元です。ちなみに、ニッサンノートは軽自動車以外で、2018年に最も売れた車だそうです。
ニッサンノートの前向き駐車に必要な条件
ニッサンノートが、一発で前向き駐車するのに必要な通路幅を求めてみましょう。なお、駐車スペースは標準的な、間口2.5m、奥行き5mと想定します。15度づつ回転しさせてみます。
ニッサンノートの助手席側はサイドミラー分で200㎜(20㎝)の余裕をみました。必要な通路幅は7,020mmになりました。バック駐車した場合と比較してみましょう。
なんと、3,914mm以上と狭くて済みます。その差3m以上あります。バック駐車のメリットが視覚的にも分かりますね。
これらのことから、前向き駐車のコツや目安は引き出せるでしょうか?
前向き駐車の目安
先に目安から見てみましょう。一発で前向き駐車できる通路幅7,020mmは、ニッサンノートの全長4,100mmの約1.7倍、全幅1,695mmの約4倍です。
バック駐車が可能な(直角バックが一発で可能な)通路幅3,914mmと比較すると、前向き駐車では約1.8倍必要です。
このような数値的なものは、現場ではほとんど役に立ちませんね。前向き駐車が一発で出来るかどうかの目安にするには無理があります。
むしろ感覚的な目安の方が有効かも知れません。駐車スペースから出来るだけ離れた位置に車を置いて、入り口まで前進で回転して、頭が入り込む時点で車が90度(真っ直ぐ)になるかどうか感じ取るのです。
ちょっと難しいですよね。他には今のところ思いつきません。
前向き駐車のコツ
図を描いてて気がついたのですが、一発で前進駐車をする時、回転の途中では、目的の駐車スぺ―スより外側(図では左隣の駐車スペース)に一旦入り込んでいます。ここに前向き駐車のコツがあるのではないかと感じました。
ギリギリ一発で入れるスペースがある時や、もう少し狭いスペースの時でも、前向き駐車する時に、意外と手前の方で回転しているのではないかという印象を持っています。図で言えば、もっと右側で前進回転をしているのでないかと思います。
通路が狭くて、60度で左隣の駐車枠までしか回転できなかった場合の図です。ここでバックして切り返せば入れます。通路幅は5,536mmです。もし、回転する位置がもっと手前の場合はどうなるか見てみましょう。
手前から回転すると、60度で車の右前部の角が右隣の駐車枠にぶつかると、通路幅は5,960mm必要になります。先ほどより5,960mm-5,536mm=424mm広くなります。
2つのケースを見てくると、両隣にぶつからないように、駐車スペースにもっと頭を入り込める位置があることが想像できます。
60度で最大に入り込める位置を出して見ると、必要な通路幅は4,313mmまで小さくなります。実際にはここまで入り込む危険は冒しませんが、考え方としてはあり得ます。
何が言いたいのかというと、回転を開始する位置で、必要な通路幅は変わってくることです。少なくても、意識しているよりも前の方(今回の場合で言えば左方向)で、回転を始めた方が、入り込め安くなります。
一発で入れそうにない時は、切り返すとしても、無理して枠の中に頭を入れるようなことをせず、車の前部が隣(今回の場合で言えば左隣)の枠の角にぶつかる寸前で切り返すようなイメージが安全かと思います。この図の60度の位置ですね。
この位置で切り返せば、右前部角が右隣の車にぶつかることはありません。隣の駐車スペースの入り口角に車の頭を近づけてから切り返す、これが私が考えるコツになります。この図では60度ですが、もっと狭い通路幅の駐車場では、もっと寝た角度(60度以下の角度)までしか傾けられませんが、切り返しの回数が増えたとしても、安全な切り返しができる方法です。