身近な駐車場で両隣の車にぶつけないか、毎日苦労しながら駐車するのは大変です。
車を傾けながらバックと前進で何度も繰り返すより、最初から直角駐車をした方が面倒ではありません。
車を傾けて切り返しを繰り返すやり方より、直角駐車(バック駐車)の方が、コツを覚えれば毎回の駐車は安定します。
注意するポイントは分かっているけど
こういう駐車場でぶつけないように注するポイントは分かっています。
- 対面に駐車している車にぶつけたくない
- 両隣の車にぶつけたくない
つまり自分が乗っている車の中から見て、前に駐車してある車と後ろの両隣の車です。前の車は2台は関係するので、合計4台の車とのスペースを確保することになります。
それが分かっていても常に不安があるのは、
- ぶつかる限界が分かっていない
- 直角駐車の適切な開始位置が分かっていない
理屈があいまいだから、毎回の駐車が不安定で一定にならないので、楽に駐車できないのです。
対面の車にぶつかる限界は?
対面に駐車している車との間隔で関係する要素は、前輪から車体前面の先端までの距離であるフロントオーバーハングです。
車種によっても大小あります。特にバックする時には車体前部が外側に膨らみます。これは前輪は後輪より外側を通る内輪差が生じるからです。
どのくらい外側に膨らむのかは、最小回転半径とボディ最小回転半径の差でわかります。最小回転半径は外側の前輪のタイヤの中心が描く円で、ボディ最小回転半径は車体前部のバンパーの外側先端が描く円で、どちらも同じ中心で描かれる円です。
最小回転半径とボディ最小回転半径の差が分かれば、回転する時にどのくらい外側に膨らむのかが把握できます。
参考までにトヨタ車のいくつかの車種の最小回転半径とボディ最小回転半径を見てみましょう。(代表的なグレードに絞っています)
車種 | 最小回転半径 | ボディ最小回転半径 | 差 |
---|---|---|---|
プリウスPHV | 5.4m | 5.8m | 0.4m |
アクア | 4.8m | 5.3m | 0.5m |
センチュリー | 5.9m | 6.3m | 0.4m |
クラウン | 5.5m | 5.9m | 0.4m |
シエンタ | 5.2m | 5.3m | 0.1m |
ハイラックス | 6.4m | 6.8m | 0.4m |
ランドクルーザー プラド | 5.8m | 6.2m | 0.4m |
ヴィッツ | 4.7m | 5.0m | 0.3m |
他の車種、他社の車のデータが見つかりませんでしたが、おおむね同様な数値だと推定できます。最大でも0.5m(50㎝)程です。
つまり自分の乗っている車の外側の前輪のタイヤの中心から、外側に50㎝膨らんで車は回転するということです。これはハンドルを一杯に切った時にです。ハンドルを一杯に切った時が最大に膨らみます。
タイヤの中心から車体側面のバンパーの端までおよそ10㎝程です。概算ですが車体の前部外側のバンパーから40㎝ぐらいが、他の車とぶつかる限界になります。
自分の駐車場で車から降りて、運転席から見た距離感と実際の距離の違いを確かめます。運転席から見た感覚で、どのくらいまで近づけて良いか把握しておくことです。
少しづつ車をバックさせながら、車を降りて確かめてみたら良いでしょう。40㎝を基準にどれだけ余裕を持てるのかです。
出来るだけ外側から円を描いてバックしたいので、対面する車との距離感の把握は必須です。
外側後方の車の先端と隣の車との間隔が確認できない
左側からバックする場合は右側後方の先端、右側からバックする場合は左側後方の先端は、サイドミラーかバックモニターで感覚的に判断するしかありません。
バックモニターでは不十分の角度ですし、サイドミラーでは実際の間隔を掴むのは難しいです。
運転席から見えにくい、判断しずらい方法で確認するよりも、運転席から近い部分で確認するべきです。
曲がる方向の内側、つまり左側からバックする場合は左側後方、右側からバックする場合は右側後方は、サイドミラーで隣の車との間隔が確実に確認できます。
曲がる方向の内側で隣の車との間隔をギリギリまで詰めるようにすれば、反対側は余裕ができるので安全性は高まります。
つまり確認しやすい方を基準にして、そちらで隣の車との間隔を一定に安定させるようにします。
外側後方を無視するというのではなく、内側を詰めていれば外側は安全だという考え方です。
慣れてくれば、どこまで詰めれば良いのか分かってきます。安全で丁度良い間隔で一定に入っていけるようになります。
内側も外側も両方に神経を散らばせるより、確認しやすい内側を重点を置いて、一定の間隔の基準を持ちましょうということです。
直角駐車の適切な開始位置
狭い駐車場という前提なので、出来るだけ外側から円を描いてバックします。
直角駐車(バック駐車)の開始位置の目安は、駐車したいスペースから2台目の駐車スペースの奥の境界線(2台目と3台目の境界線)が、助手席の窓に来た位置です。
『バック駐車(直角駐車)を理論的に考察【感覚でなく数字で説明】』
この位置を基準にして一度試します。内側の隣の車を回り切れなければ開始位置を後ろにして、間隔が空き過ぎたら開始位置を前に調節します。
物理的に一度で直角駐車(バック駐車)が出来ない程の狭い駐車場の場合でも、なんとなく感覚的で、いつもどこか違う駐車の仕方より、一定した直角駐車(バック駐車)で、少ない切り返しで行った方がずっと楽で安全です。