バック駐車が苦手から得意になった30代主婦のメモ

バック駐車が苦手だった30代主婦が運転が得意になったコツのメモ

カテゴリ: 運転マナー

違反や事故の多くの原因は、スピードの出し過ぎによるものです。そのために注意不足になり、安全確認が遅れ、危険を回避する余裕も少なくなります。

最近、私は気がついたことがあります。スピードの出し過ぎだけでなく、もう一つの原因があることをです。その原因は隠れていて気がつかない人が多いこともです。

それは毎日の運転の中に潜んでいます。特別難しいことでもありません。

しかし、このことを知って、意識しながら運転するのと、そうでないのでは結果が大きく違ってきます。誰でも出来ることなので、同じ運転するのなら意識した方が良いと思うのです。

このことは、久しぶりに東京都内を運転した時に実感しました。それは、運転中にどこを見ているのが良いかということです。

「前を見て運転しているに決まっているだろう?」と思うかも知れませんが、その時の前のどこを見ているかです。
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カーナビだけで運転の余裕は生まれない

先日、新宿から駒込辺りを中心に運転する機会がありました。何車線もある大きな道路から、一方通行が入り組んだ路地まで様々でした。

大きな道路では、次にどこを曲がれば良いか、左右どちらの車線を走っているのが良いかなどに注意して、細い路地では左右に並んだ電柱に接触しないようにしながら、路地が交差する地点の出会いがしらの事故に注意しました。

初めて行く場所でしたので、カーナビを頼りに運転しました。道順はカーナビが教えてくれますが、注意すべきポイントは自分で判断しなければなりません。

カーナビは、「あと700メートルで左に曲がります」、「この先1キロは道なりです」などと指示してくれますから、この先どのような道順かの予測は立てられます。

しかし、目の前の現実の道路では他の車が周囲を取り囲んでいます。700メートル先で左折することは分かっていても、道路の混み具合や駐車中の車が有ったりして、右車線を走らなければならない場合もあります。700メートル先の信号までの間に、いくつも信号が有ったりします。中には右折専用レーンや左折専用レーンがあることもあります。2車線右折レーンの信号もあります。

カーナビはそういう情報も表示はしてくれますが、常にカーナビを見つめていられるわけではありません。瞬時の判断を迫られる場合が多いのです。カーナビは信号通過で、左の車線を通るのを推奨していて、いきなり右折の車線を通るように指示することもあります。カーナビだけで運転の余裕は生まれません。

信号機と付属の道路標識に焦点を当て続ける

私は一般道でも高速道路でも、原則的にはキープレフトで走行するようにしています。これだけでも、追い越し車線を走り続ける時より、違反や事故を起こす可能性は低くなります。キープレフトで、スピードの出し過ぎと、後ろの車への不必要な注意が減るからです。

都内を走行している時、それ以外に注意したことがあります。次の信号機と、その左右に設置されている道路標識です。

信号機と道路標識

<出典画像:『信号機と道路標識』http://livedoor.blogimg.jp/niigata_signal/imgs/f/4/f4e433df.jpg">

信号機と付属の道路標識から得られる情報は、赤(止まれ)・黄(注意)・青(進め)の他に、右折や左折の禁止、Uターン禁止、駐車禁止、速度制限など、その区間を走行するのに必要な情報が満載です。

私は東京の秋葉原で駐車場を探しながら、右折禁止区間で、道路を横断して違反切符を切られた経験があります。その時はカーナビは見ていましたが、道路標識への注意が欠けていました。

普段の走り慣れた道路では感じませんが、走り慣れない場所では、自分の運転の欠点が露出します。道路標識を見ているようで見ていなかったことを実感しました。それ以来、自分の運転の欠点をどう修正したら良いか考えました。

道路標識は、信号と信号の間にも設けられています。しかし、そういうものを一つ残らず見逃さないようにしていては、疲れてできませんので現実的ではありません。

それなら、信号機のところにある道路標識だけでも見るようにしたらどうだろうかと思いました。すると、あることに気がつきました。信号機とその左右に設置されている道路標識を見ることで、

  • 今までより遠くの情報が入って来て、次の動作の運転に余裕が出来た。
  • 右・左折やUターンなどの禁止行為を見逃さなくなった。
  • 信号機の道路標識にはその区間の必要な情報が想像以上に多く表示されていると感じた。

私たちは意外に遠くを見て運転していません。常に次の信号機を意識することで、今までより遠くの情報を早く知ることができます。「あ、あの交差点は右折禁止だな」など、事前に知ることが出来ます。前には良くありました。右折しようとして道路の右側に寄って停車してから、一方通行出口の赤い標識に初めて気がついたことが。

それまでは、私は前方の路面を中心に見ながら運転していたことが分かりました。その視界の中には信号機は入っていましたが、その周りの道路標識まで意識が届きませんでした。

信号機を見るようになってから、路面に向かっていた視線が、もっと上の遠方に焦点が変わりました。遠くの情報を早く知ることで出来た余裕は、心を落ち着かせます。

次の信号機と道路標識を見ながら通過して、その時に視点は既に次の信号機に移っています。運転中の視線は、常に信号機から信号機へ、先へ先へと焦点が移っていくという感じになります。

情報を早く知ることで生まれた余裕が運転を上手くし、違反や事故を減らす

信号を見るようになってから、遠くの情報を早く知ることで生まれた余裕が、運転を上手くするように感じました。

前方の左車線で停車している車や、右折待ちの車を発見して、早めに車線変更します。前方の交差点が右折禁止なの早めに知って、レーンの選択を迷いません。その次の交差点まで直進します。Uターン禁止の区間が始まるのを知って、右側に通り過ぎた目的地があってもUターンしないで、次の交差点で右折します。一方通行出口の赤い標識で気がついて慌てる前に、遥か手前で信号機の右・左折禁止の標識で気がつきます。

私は車の運転が上手いというのは、テクニックよりも、違反や事故を起こさないことだと思います。

信号機と付属の道路標識を見る習慣は、普段の走り慣れた道路では気が付きませんが、初めて走る道や、繁華街、都心などの道路を走る時に、運転の判断に余裕をもたらす効果を実感するはずです。

 

 

 

何分も待ってやっと上がった踏切の遮断機。もたもたしてると、また反対側から電車が来そうなので早く渡りたい。

前の車に続くようにして踏切の中に入っていく。もう少しで渡り切れるところで、前の車のストップランプが点灯した。

自分の車はまだ半分が踏切の中に残っている。前の車は止まったまま動かない。どうやらすぐ先の信号が赤で渋滞しているようだ。こんなところで止まっているのは良い気分ではない。

すると警報機のチンチンチンという音と共に、遮断機がフロントガラスの前に降りて来てしまった。前の車は依然として進もうとしない。頭の中が真っ白になってしまった。どうしたら良いのか?

踏切

踏切内で立ち往生した時の対処法

遮断機が下りてしまったら

トラックやバスなどの大型車でなければ、降りてしまった遮断機でも、押し進めば折れることなく持ち上がり、フロントガラスからルーフを滑るようにして、 車は遮断機を擦り抜けることが出来るようになっています。


<出典動画:『踏切脱出訓練』YouTube>

大型車で持ち上がり切れずにへし折ったとしても、電車と衝突しないために、遮断機を押して踏切を脱出することを第一優先に考えます。

遮断機の前に車が止まっていて進めない場合

  • クラクションを鳴らし、窓から手で合図を送って、前の車に非常事態をしたせ、少しでも前に進んでもらうようにします。
  • 前の車が進めない場合は、左側の歩道や右側の対向車線にスペースがあれば、そちらに向かって遮断機を押し進めて脱出します。歩道や対向車線を、車を真横にして塞いでしまっても構わないので、とにかく踏切の外へ車を逃がします。BlogPaint
  • どこにも逃げるスペースがない場合は、ギアシフトをL(MTなら1速)に入れ、前の車をバンパーで押して強引に前へ進みます。前の車はギアシフトをDに入れてブレーキペダルを踏んでいる状態なので、押せば動きます。前の車数台に傷をつけても、電車と衝突することに比べれば遥かに損害は少なくて済みます。

エンジンが動かなくなってしまったら

エンジンが止まってしまった場合、ギアシフトを確認して(AT車はPかN、MT車はN)エンジンがかかるか試します。いつまでも試すのでなく短い時間で見極めます。(最近のMT車は、クラッチを踏んで切った状態でないとエンジンがかからないようになっているので、ギアを入れた状態でセルモーターの力だけで車を動かす従来のやり方は出来なくなっています)

エンジンがかからない場合は、ギアシフトをNにしてから車を降り、踏切に設置されている非常ボタンを押します。非常ボタンがない場合は、車に備え付けの発煙筒を準備します。

発煙筒

<出典画像:『発煙筒』http://blog-imgs-67.fc2.com/k/i/v/kivarn/20140904-1.jpg>
警報機が鳴るまでの間、ギアシフトをN(ニュートラル)にした状態の車を押して脱出することを試みます。付近に人が居れば協力を要請します。車を押す方法ですが、ボディを後ろから押すよりも、前のタイヤを転がした方が少ない力で車を動かせます。

<出典動画:『平地で車を人力で動かす簡単な方法(なんのことはない)』YouTube>

警報機が鳴っても脱出できない時は、車から離れて安全な場所に退避します。非常ボタンがない場合には着火した発煙筒を振って、近づいてくる電車に知らせます。

タイヤが脱輪して動けなくなったら

タイヤが脱輪して動けなくなった場合は、直ぐに自力での脱出は断念して、乗員全員は車を降り、非常ボタンを押して安全な場所に退避します。

タイヤが脱輪して挟まってしまうと簡単には抜け出せません。脱出よりも、車を乗り捨て、危険を早く知らせることに頭を切り替えます。

<出典動画:『高崎線E231系 前面展望 籠原~深谷駅間で遭遇したハプニング』YouTube>
最悪の場合、車が電車と衝突しても、非常ベルで知らせてあれば、電車のブレーキもかかっているので、車側の破損に比べて、電車内での人的被害は少ないと予想されます。車の損傷の大きさを優先して迷いがちですが、電車の強靭さを信じて車を移動させることは諦めます。

脱出避難後にすることは?

破損の有無に関係なく、遮断機を押して踏切内から脱出した場合や、非常ボタンを押した場合には、必ず鉄道会社に連絡します。連絡先は非常ボタンの近くに掲示されています。ない場合には最寄りの駅に連絡します。

非常ボタンと連絡先

<出典画像:『非常ボタンと連絡先』https://tse4.mm.bing.net/th?id=OIP.ieQQfmVvDYj9AyZGgXSjBwAAAA&pid=Api>
最近の踏切の多くは障害物検地システムを備えています。仮に非常ボタンを押し忘れたとしても、警報機が鳴っている時に踏み切り内を通過すると、そのシステムが作動して、通過しようとする電車の運転士に伝わります。その信号は自動的に電車を停止させますが、信号を解除するには、鉄道の係員が踏切まで行き、安全を確認して解除しないと電車は動かない仕組みになっています。


<出典動画:『【カメラが捕らえた!!】宇都宮線 緊急停止の瞬間!!』YouTube>

鉄道会社の迷惑や損害を出来るだけ少なくする意味でも、速やかに連絡をしなければなりません。

故意による場合でない限り、遮断機の破損の損害を請求されることはないと考えられるので、ためらわず連絡をします。

踏切の車での横断の仕方

  1. 運転席側の窓を少し開け、踏切の手前で一時停止します。踏切によっては左右の見通しが悪い場所があるので、形だけの停車でなく、確実に目視できる位置までにじり寄って電車の接近を確認します。警報機のあるなし、遮断機のあるなしに関係ありません。
  2. 警報機が鳴っていないこと、前方の踏切を出たところに自分の車が進めるスペースがあることを確認したら踏切内へ入ります。踏切の中だけでなく、踏切を出た先の自分のスペースが空くまで待ちます。後ろからクラクションが鳴っても待ちます。BlogPaint
  3. 踏切内は路面に凹凸があるので、AT車、MT車に関係なくギアシフトは変えてはいけません。特にMT車は、クラッチ操作のミスや、ギアの噛み具合の不備で、エンストする可能性はあるので厳守です。

遮断機を破損してでも脱出すべき根拠

法律的な建前では損害賠償の責任はあるが

民法709条では、「故意ではなく過失(注意義務違反)により他人に損害を与えた場合でも損害賠償義務を負うと」定めています。どんな理由があろうと、電車を止める原因を作った人に過失がある場合には、生じた損害を鉄道会社に賠償する責任があります。刑事上の責任とは別に、民事上では、電車を止めた過失に対して、鉄道会社には損害賠償を請求する権利があります。

  • 止まった電車の代わりに運行させるバスの費用。
  • 切符の払い戻しによる損失。
  • 遮断機や電車の修理費用。
  • 電車を止めたことに対する鉄道会社への慰謝料。
  • 事故の処理に対応した職員や要員への人件費。
  • 負傷した乗客の治療費や慰謝料。

これらの全部、または一部の損害を、電車を止めた車の運転手またはその家族に、賠償を求める権利が鉄道会社にあると考えられます。

故意でない限り損害賠償請求されることは少ない


<出典動画:『踏切内で立ち往生!』YouTube>
しかし、踏切の中で車を立ち往生させた過失責任は、故意によるものでない限り、鉄道会社としても損害賠償を求めることは、実際には少ないようです。その理由として、次のような点があげられます。

  1. 車の故障や運転手の体調不良が原因である場合、過失責任を問うことが難しいと鉄道会社が判断した。
  2. 運転手に過失責任は認められるが、鉄道会社に実質的な損害が発生しなかったと鉄道会社が判断した。
  3. 運転手に過失責任が認められ、鉄道会社にも損害が発生したが、運転手やその家族に損害賠償を請求しても、支払いは不可能であると鉄道会社が判断した。

自動車保険が適用可能

仮に、鉄道会社から損害賠償を請求された場合、車との衝突により損傷した電車の修理費や、負傷した乗客の治療費などは、車の任意保険(対物、対人)が適用できます。対人、対物の保障は無制限が基本なので、この2つの損害に関しては保険で助けてもらえると考えられます。

全体を通して考えた時に、被害を少なくし損害の賠償を回避できるためには、遮断機を押して脱出したり、非常ボタンを押して知らせるなど、事故を避けようと努力した行動が認められる必要があります。

踏み切り内で立ち往生した場合には、躊躇しないで、遮断機を折ってでも脱出することや、車が動かせない場合には、車を捨てて非常ボタンを押すことを優先させましょう。

教習所で習った運転の基礎と、現実の道路での応用には大きな差があります。教習所で教えられた交通マナーやルールに沿っていない部分が、現実の運転の中には確実にあります。教官の前で行ったら、減点の対象になるであろうギリギリのところで毎日運転しています。

道路の流れに乗れるようになるのは、いずれは時間が解決してくれます。教習所で習った安全運転の基本を大事にしながら、ベテランドライバーの悪いマナーにも屈せずに、流れを切らない運転に慣れて行けばよいのです。

しかし免許取り立ての時期は、戦闘訓練学校から実弾の飛び交う戦場に出たようなものです。「敵の攻め方は教えられたのとは違う」と文句を言っても、八方から予想もしないやり方で飛んで来る弾に対応しなければなりません。自分だけ正しいと思っていても撃たれたら終わりです。

教習所の理想の安全運転から、現実の運転に少しづつ近づけていくのは、理想を捨てるのではなくて、理想の上に積み上げるような意識が良いと思います。基礎と理想は決して無駄なものではありません。我先に行こうとする自分勝手な現実に、ちょっとだけ合わせれば良いのです。

私も時々教習所で習ったことを時々思い出しています。交差点を通過する時は「信号青よし、右よし、左よし」、左折する時は「合図よし、左よし、巻き込みよし」、追い越しする時は「合図よし、ミラーよし」などと、心の中で口ずさんでいます。教習所で教えられた声出し確認は、私の運転の基礎になっています。一方で、「送りハンドル」は駄目だと教えられましたが、右左折する時、ゆっくり曲がる時には送りハンドルにしています。早く回り過ぎるクロスハンドルより安全と分かったからです。

免許取り立ての主婦が、教習所と現実の差に最も戸惑うことが多いと思います。その中で、今回は「法定速度で走っていては遅いのか?」と言う点に注目してみました。慣れれば良いことなのですが、初心者にとっては切実な目の前の悩みです。どうしてそうなるのか。教習所で教わったことと現実の差を悩まないで、納得して受け入れられるための対策です。

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法定速度では遅いの?
法定速度を守って走っていたら、後ろからパッシングされて追い越されたことはありませんか?免許取り立てだからと馬鹿にされたような、邪魔者扱いされたような不快な気分にさせられます。一方で、「自分の運転は下手なのか?迷惑をかけているのか?」と自信を失いかけます。

教習所では法定速度を超えて走らないように指導されます。現実の道路では法定速度では遅く感じられ、車の流れを詰まらせてしまうように思えます。

この差の原因はどこからくるのでしょうか?

実勢速度と規制速度のせめぎ合い
運転者は道路の幅や曲がり具合、車線の数、交通量など、道路環境や交通状況に合わせて、自分が最適だと思う速度で走ろうとします。法律で規制されていることとは別に、本能的に自分で状況を判断して速度を決定しようとします。

このような、ある意味自然の流れで決定される実際の速度を実勢速度と呼びます。実勢速度と言っても、物凄く速く走る車もあれば、物凄く遅く走る車もあります。実勢速度の目安として使われるのが、最も速く走る車の上位15%より下、下位から85%のグループの中での最高速度が使われます。これを「85パーセンタイル速度」と言って、実勢速度として扱っています。

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つまり、現実の車の流れの85%の人がその速度以下で自主的に走っている速度になります。「85パーセンタイル速度」であれば、85%の人が満足して走れる速度になります。

しかし法定速度は実勢速度(85パーセンタイル速度)になっていません。それよりもおよそ10km/hから15km/h遅い設定(基準速度)になっています。

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<出典画像:「速度規制の目的と現状」警察庁交通局

現実の車の多くは実勢速度=85パーセンタイル速度で走っています。その流れの中に、免許取り立ての法定速度を順守した車がいたら、流れ滞らせるような存在になってしまいます。

ベテランドライバーにとっても、10㎞/hから15km/hの実勢速度と法定速度の差が、建前の法律順守と実際の走行速度の矛盾になっています。速度規制の取り締まりがこの差の中で、取り締まり担当者の任意の範囲で行われる場合があるからです。15km/hオーバーで捕まらない場合もあれば、5㎞/hで捕まる時もあり得るのです。

「自分は捕まったのに他の車は捕まらなかった」「法定速度では遅くて走っていられない」実勢速度と法定速度の差の矛盾の中で、「見つからない限り法定速度を違反しても実勢速度で走る」選択をせざるを得ません。

法定速度でなく実勢速度で取り締まってくれれば、違反したとしてもドライバーも納得しやすくなります。「85%の人が満足している速度を超えてしまったのなら自分が悪い」というわけです。
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しかし、実勢速度(85パーセンタイル速度)と法定速度の間は、建前上は違反ですが実際にはグレーゾーンになっています。取り締まり担当者の任意な判断に任されています。1㎞/hでもオーバーしたら即アウトという訳でもなく、15㎞/hまでなら容認されている訳でもありません。私も、法定速度で走るパトカーを追い越して、何事もなく過ぎ去って行った車を何度も見た事があります。(片側2車線の道路ですが)

なぜ実勢速度では駄目なのか?
警察が速度を規制する判断の元になる要因は3つあります。
  1. 市街地の事故の危険性があるかどうか。
  2. 中央分離帯があるかどうか。
  3. 歩行者を保護することが出来るかどうか。
これらの3つの要因は、日本特有の事故の発生原因になっているという主張です。
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<出典画像:「速度規制の目的と現状」警察庁交通局

他の先進国と比べて、車と住環境の近さ、車と歩行者の近さ、対向車と分離されていない道路環境の不整備が根拠となって、実勢速度のまま野放しに出来ない理由になっています。

今後の速度の規制は、生活道路(住居地など)での事故を防止するために低速化させ、一方、幹線道路の整備による高速化の2つの方向に向かうことが予想されます。

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<出典画像:「速度規制の目的と現状」警察庁交通局

法定速度があるから実勢速度もある程度の範囲で収まっているという考え方もできます。

警察の主張は理解できたけどどう対応する?
うっかりスピード違反で捕まってしまった時は、素直に納得できない時もありますが、私たちの安全のための速度規制です。事故にならずに罰金で済むことに感謝すべきなのかも知れません。

確かにある程度交通量があって、車の流れも比較的早い広い道路では、法定速度で走っていては、後続車をイライラさせたり、無理な追い越しをさせて、返って危険を高めてしまうことにもなります。

しかし、住宅地や狭い生活道路では、法定速度以下で走ることが重要に感じられます。私も運転歴を重ねる程、30㎞/h規制されたような道を走る度に、危険を予測しながら走る様になりました。

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<出典画像:「速度規制の目的と現状」警察庁交通局

歩行者に30㎞/hで衝突した場合と50㎞/hの致死率の差を知れば、納得されると思います。「あの路地から子供が急に飛び出して来たら?」という警戒心が強くなってきます。

だから、こう思うのです。歩行者が不意に飛び出さないような大きな道路では、実勢速度(法定読度の10㎞/hから15km/h程度のオーバーを限度に)の流れに乗って走り、いつ急ブレーキを掛けるか分からないような生活道路では、法定速度をしっかり守る。こんな感じの対応で良いのではないでしょうか?

40㎞/h以上の道路では車の流れに沿って走り、30km/h以下の道路ではより慎重に法定速度を守る。

実勢速度(85パーセンタイル速度)という現実も警察は理解しています。特に危険が予測されないような道路では、この実勢速度を警察も実際には尊重しているのではないかと思います。車のスピードメーターの精度にバラツキがあるからとかいう問題ではなくて、そういう認識があるから、多くのドライバーの経験則のように、実勢速度以内なら取り締まりを受けないことが多いのではないでしょうか。


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