バック駐車が苦手から得意になった30代主婦のメモ

バック駐車が苦手だった30代主婦が運転が得意になったコツのメモ

October 2019

スーパーの駐車場にバックで車を駐車している時に、サイドミラーを見ていると、ふと頭によぎるものがありました。

バック駐車で真っ直ぐにならずに曲がってしまう原因はここにあるのではないかと閃きました。セオリー通りにやっていても、このポイントを間違えると車体が真っ直ぐになりません。

ここでいうセオリーとは、駐車したいスペースに車の後部を向けて傾け、内側の後輪が隣との境界線付近(ピボットエリア)に来たら車を回転させるというオーソドックスなやり方のことです。

言葉で言うと簡単ですが、この過程で見過ごしてしまうと真っ直ぐに駐車できないポイントがあるのです。
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ピボットエリアのどこで回転するか?

内側後輪をピボットエリアの範囲に入っていても、回転する地点を間違えると車体が曲がってしまう原因になります。

これまで私は、ピボットエリアの中で、遅めのポイントを提案していました。ピボットエリアの1/4の範囲に内側後輪が通過するタイミングを薦めていました。
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しかし、この範囲に内側後輪が通過するタイミングでは遅すぎるのではないかと思い始めたのです。

タイミングが遅いと曲がってしまう理由

ピボットエリアで回転するタイミングが遅くなると、駐車スペースの左側寄りに車が進入し、右側境界線との間が空き過ぎてしまいやすくなるのです。

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車の後部が駐車スペースに入りかけた時点で、左右のサイドミラーを見比べて、左に寄り過ぎていることに気がつきます。

ゆっくり右に回しながらバックしていた状態から、慌ててハンドルを更に右に回して、車の後部を右側に向け、車体を右に戻そうとします。

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しかし、駐車スペースの中で、左右に車体を傾けながら微調整をするには距離が足りないのです。その上、駐車スペースの境界線は、車体が奥に進むほどサイドミラーで確認しずらくなります。

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片側に寄り過ぎたのを、駐車スペースの中で修正しきれずに、車体が曲がったまま車止めまで行ってしまいます。左右にハンドルを切り返す回数が多い程、車体が曲がる確率は高くなります。

ピボットエリアの頂点で回転を始める

この左右にハンドルを切り返す必要がないようにする、少なくともハンドルを回す量を少なくするには、ピボットエリアを内側後輪が通過するタイミングが遅れないようにすることです。

ピボットエリアの1/4に内側後輪が通過してからでは、タイミングが遅れやすいのです。特に狭い駐車場では、タイミングの遅れが大きく影響します。ピボットエリアの頂点を通過するタイミングで回転を始めると理解した方が、多くの場合遅れずに済みます。

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ピボットエリアの前で回転しない

車体が曲がってしまう原因にはもう1つの要因があります。ピボットエリアに近づきながら回転を始めtしまうことです。ピボットエリアの中心点から離れる程、回転半径が長くなるので、駐車スペースの入り口に正確に入る精度が落ちます。

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従って、バック駐車の精度を上げるには、なるべくピボットエリアまで「直線的」に近づいてから回転を始める必要があります。

ピボットエリアで回転する前に、回転を始め、回転しながらバックしていくので、二重の操作によって、正確な位置取りが出来にくくなります。

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車を斜めに傾けた時点では、ハンドルは外側を向いているので、内側に戻しながら直線の位置を維持してバックしていきます。戻す時に直線を通り越して、回転しながらバックしてしまうと入り口に正確に入っていくことが難しくなります。ピボットエリアの頂点までは直線的にバックします。

●ピボットエリアまでは回転せず、直線的にバックする。
●ピボットエリアで回転するポイントは、面でなく頂点に後輪が通過するタイミング。

この2つのことを注意すれば、「どうしてもバック駐車で曲がってしまう」悩みは解決できるはずです。

バック駐車でよく言われる方法に、「ピボットエリア」に後輪を近づけて回転する、というやり方があります。しかし、理屈で分かっていても、実際にやってみても上手く出来ない人も多いと思います。

「バック駐車でピボットエリアを旋回するイメージが出来ている主婦は少ない」
「なぜバック駐車はピボットエリアまで真っ直ぐ後退した方が良いのか?」

確かにピボットエリアという目に見える標的を置くことで、漠然と行っていたバック駐車の基準とか拠り所ができて、動作が分かりやすくなる利点はあります。

その反面、限定されたポイントに集中し過ぎるあまり、全体の中での車の位置や方向を見失ってしまう可能性もあります。

バック駐車が上手くできない人は、ピボットエリアの狭い範囲でしか判断が行き届かずに、車が斜めになったり、片側に偏り過ぎたりといった、不満足なバック駐車になっていないでしょうか?

そういうバック駐車にお悩みのあなたに、日本刀を鞘(さや)に納める動作をイメージしてはどうかという提案です。
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日本刀を鞘に納める動作とは

そもそも、日本刀を鞘に納める動作とはどういったものかご存知ですか?

一旦抜いた細長い日本刀は、片手で持った刀の切っ先を空中でブラブラさせながらでは、中々さやの口先に収まりません。

右利きを例にとれば、右手に持った日本刀の背の部分(刃先でない方)を鞘の口先に当て、滑らせるようにして切っ先を誘導させます。


(出典:『解説:刀法の納刀』by HoukiryuShiseikan in YouTube)

鞘の口先まで水平に滑らせた切っ先を、収める寸前に直角に近い角度に起こして、鞘の中に真っ直ぐ納めます。

刀を車、鞘を駐車スペースに置き換えてイメージするのです。

刀と鞘は車と駐車スペース

共通ポイントは3つあります。
  • 刀(車)を出来る限り鞘(駐車スペース)に水平に沿って滑るように近づける。
  • 鞘を持つ手の親指が刀がずれないようにガイドする(駐車スペースのピボットエリアを意識すること)
  • 鞘(駐車スペース)に納めるには可能な限り刀(車)を鞘(駐車スペース)に対して垂直に立てる。
駐車したいスペースの入り口のラインに極力近づけながら車体を平行させます。

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刀の場合には、親指のガイドがあるので切っ先が水平から垂直に変わるポイントを過ぎることはありません。車の場合には、物理的に車をガイドするものがありません。それに代わるものとして、ピボットエリアに車体の後部が近づく位置を水平から垂直に変わるポイントにします。

この車体の方向を変えるポイントが手前過ぎても通り過ぎても駐車スペースに綺麗に入れられなくなります。なおかつ、車体の角度は通路幅が許す限り垂直になるようにします。垂直なほど駐車スペースの中央に入れやすくなります。

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バックしながら駐車スペースに納める時、ピボットエリアまで車体の後部角を近づけながら「直線的」にバックします。ピボットエリアと後部角が遠い位置で回転する程駐車スペースの中央に入れるのが難しくなります。ピボットエリアの中心点からの半径が小さい程、駐車スペースの中心が分かりやすいのです。
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ピボットエリアから離れて車を回転させる程、駐車スペースの中心点を判断するのが難しくなります。車が曲がってしまう人、片側に寄り過ぎてしまう人は、ピボットエリアから離れた位置から回転を始めてしまい、駐車スペースの中心より手前か通り過ぎたところで車体が垂直になってしまっています。
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刀を鞘に納める瞬間も、切っ先が鞘の入り口の直ぐ近くで回転しています。鞘の入り口から離れた位置で回転したのでは、切っ先がふらついてとても刀を納めることはできません。


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「刀法の納刀」を無視して、離れた位置から鞘に切っ先を近づけて収めようとしても、切っ先がフラフラして安定せず、正確に入り口に入りません。


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ピボットエリアが刀の場合の親指だと思って、鞘の入り口の角で刀の切っ先を回転するように、車の後部角がピボットエリアの近くになるように回転します。




事故を起こしやすい人は注意をしていないのではなく、注意の払い方に無駄があるのではないでしょうか?

私は免許取り立ての頃、後ろから来る車がとても気になって、ルームミラーばかり覗いていました。そうすると、前方や左右への注意が欠けて、はっとした経験があります。

運転が苦手な人程、注意に費やすエネルギーは多いはずです。ただ、そのエネルギーが無駄に使われているのではないかと感じます。

人間の多くの行動は、8対2の割合が自然な現象として説明されています。例えば、100人の会社で、80人はあまり会社に貢献しておらず、20人が会社を支えている。その20人を分離して1つの集団にすると、その中の80%を除いた20%が集団を支える、といった類のものです。

この8対2の割合を、車を運転する時の注意に応用したら良いのではないかという提案です。8対2という割合は、バランスの取れた黄金律のように感じるからです。
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運転中は8対2の割合で注意する

直進している時の注意の割合

直進している時には、80%は正面前方に、20%を左右後方に注意を注ぐという考え方です。そして大事なことは、直進している間はその割合を固定して、首を回して横を見たり、ルームミラーで後ろをずっと見ていたりしないことです。

常に前を向いたまま80%の意識を保ち、左右や後方の気配を残りの20%の範囲内で感じるのです。正面を見ている視界の端の方で20%を感じ取る感覚です。これが直進している時の注意の割合です。

左折する時の注意の割合

左折する時は、80%を左後方、左側面に注を注ぎます。大事な点は残りの20%は前方に持ち続けなければならないことです。

横断歩道を右奥から渡って来る人や自転車がある場合もあります。対向車が割り込んでくる場合もあります。100%左側に注意を向けては危険です。20%は正面に残しておく意識が必要です。

右折する時の注意の割合

右折する時は正面の対向車や、正面からこちらに向かってくる横断者や自転車に80%の注意を注ぎます。残りの20%は右後方から横断しようと近づいてくる人や自転車への注意です。

つい先日、恐ろしい場面を目撃しました。その時私は歩行者で、歩行者用の信号は赤なので立ち止まっていました。目の前には右折待ちの車が、直進してくる対向車をやり過ごしていました。

右折車線の先頭に軽自動車、その後ろはダンプカーです。ダンプカーは前の軽自動車を追い越して、凄いスピードで右折していきました。「こういう人、本当にいるんだ」と驚きました。

もし、軽自動車が同じタイミングで右折しようとしたらどうなっていたでしょう。右折の時でも前方だけに注意していては危険です。

夜間や雨の時の右折で、右後方から走ってきて横断しようとする自転車もあります。私も経験があります。夕暮れの交差点を右折しようとしていた時、黒い服装をした無灯火の自転車が、全速力で横断歩道を右後方から走り抜けていきました。

バック駐車する時の注意の割合

駐車場や車庫にバック駐車する場合には、左右と後方に80%の注意を注ぎます。しかし、20%の注意は前方に残しておかなければなりません。前方を横切る人や自転車、車もあるからです。

左右のサイドミラーやバックモニター、ルームミラーを確認する時も、視野の20%の領域は正面に維持しておきます。ぼんやりとした情景でも良いので、視野の隅に残しておきます。

このように運転中の注意の割合を決めておくと、不必要にキョロキョロしたり、神経を使う割には効率の悪い安全確認にならずに済みます。

まとめ

簡単にまとめれば、正面を向いている時には正面に80%、正面以外を向いている時には正面に20%の注意を残すということです。

カーナビを見る時も、100%見てしまわないで、20%は視界の端に正面を意識します。

厳密には、瞬間的に正面の景色が視界から消える場面はあります。ただ、20%正面を見ていなければならないという意識があると、空白の時間は非常に短くなります。

●1か所に100%の注意を注がないこと。
●正面から目をそらす場合でも20%の意識を残すこと。
●正面を見ている時は、20%を正面以外に注意を向けること。




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