バック駐車が苦手から得意になった30代主婦のメモ

バック駐車が苦手だった30代主婦が運転が得意になったコツのメモ

May 2019

あなたのバック駐車はいつも真っ直ぐになっていますか?真っ直ぐだとしても、途中で右や左に無駄なハンドル操作で 方向の調節をしていませんか?

バック駐車を一発で成功させるには、最初に車を傾けるところで決まります。

駐車スペースの入り口に向けた車の後部の位置と向きがずれていると、ずれた分だけ方向を調節して、車止めに達する 前に駐車スペースに納めようと、ハンドルを左右に回す操作も複雑になりま す。

私は自分のバック駐車の癖を分析してみました。私は車を傾ける際に、外側より内側を広く取ろうとする傾向があるよ うです。

そのため、入り口に後部が入ってから、内側を狭めようと車を寄せる操作が必要になり、最初に傾けた方向とは逆の角 度に車を傾けるといった、余計なハンドル操作をしなければならなくなり ます。

車を傾けて、車の内側の後輪なり後ろの角なりを、目標にした入り口のコーナー付近に近づけます。問題はその精度で す。初めの傾け方の精度が低いと、目標への接近精度も低くなるのです。

精度の低い接近は、修正の度合いが大きいので、外から見ると車が蛇行するわけで、あまり上手なバック駐車には見え ません。私は大きな蛇行ではありませんが、無駄な操作を事前に防ぎたいのです。最後には真っ直ぐにはなっても、不満 が残ります。

この原因はどこから来るのか?改善の方法はあるのか?検討してみました。

BlogPaint

心理的な危険回避では?



BlogPaint

車の後部を駐車スペースに向けて傾ける時、その精度に影響を与える心理的要因は何かと考えると、衝突を避けようと する心理、危険を回避する心理があります。

最も大きいのは、車の後方の衝突の回避と前方の衝突の回避です。車の後方の衝突の危険性は、内側の後方の角が、駐 車スペースの隣の車や壁などと衝突する恐れです。車の前方の衝突の危険性は、外側の前方の角が、通路の向こう側の車 や壁に衝突する恐れです。

この2つの衝突の危険を回避しようとする心理な圧迫が、バック駐車のために車を傾ける精度を低くするような影響を 与えているのではないかと考えます。

内側後部の衝突回避



BlogPaint

例えば、運転席側を内側にしてバック駐車をする場合を考えてみます。駐車したいスペースを右側に見て、車を左側に 傾けますが、その傾ける位置や角度は、なんとなくではなくて、駐車スペースの入り口のコーナーを目標にするのが一般 的です。

この場合、車の右側後輪か、あるいは右側後方の角を、駐車スペースの入り口コーナーに近づけるように、最適な位置 と最適な角度になるように、車を左に傾けます。

その時意識する1つ目の心理的要因が、駐車スペースの入り口コーナー付近の車や壁への衝突です。自宅車庫の場合が 最も分かりやすいのですが、駐車スペースの境界が壁だとしたら、それだけでただの白線の境界より余計に避けようと感 じます。あるいは、となりに車が停まっている駐車場でも、車がない場合の白線だけを意識する時より警戒心は高くなり ます。

内側後部の、隣の車や壁などの障害物を避けようとする心理が、物理的に安全な距離よりも余計に離れさせようとする のではないかと推察するのです。サイドミラーは、その障害物の車や壁側に寄った方角から見た景色を写すので、余計に 近くに見えるのです。

外側前部の衝突回避



BlogPaint

運転席側を内側にしてバック駐車をする場合、もう一つ衝突を警戒するのは、助手席側の前部の角です。通路を一杯に 使って車を傾けますが、その判断は、前部の角が正面の駐車中の車や壁に、衝突しない範囲で止めることです。

バック駐車は、駐車スペース入り口に対して、垂直(90度)に近くなる程簡単になります。そのため、出来る限り通 路の幅を活かして、車を大きな角度で傾けるよう意識します。

従って、正面の障害物とギリギリまで接近することが、運転者にとっての心理的な圧迫になります。

バック駐車で意識する3つの点



BlogPaint

これまでに3つの点を意識しました。

  1. 駐車スペース入り口のコーナー
  2. 車の内側後輪または内側後部の角
  3. 車の外側前部の角

バック駐車は、この3つの点をどう意識するかで結果が決まります。中には、点ではなく面で意識する人もいるかも知 れません。例えば、入り口全体を面と捉えて、車の後部全体を面として、入り口の面の枠に車の後部の面を挿入するよう なイメージです。実は、この面の意識は私の最近の課題でもあって、まだ確信には至っていないのですが、他の記事で 「提案」として示しています。

今回の3つの点の意識は、「内側を広く取り過ぎる癖を強制する」意図がありますので、面の意識の提案とは別の試み になり、効果は未知数でまだ仮設の段階です。

3つの点が直線上に並ぶ意味



BlogPaint

先の3つの点は、前から見ると、車の助手席側の全部の角、車の運転席側の後輪または後部の角、駐車スペース入り口 のコーナーと、一つの直線上にはありません。車の中は対角線上になっています。

3つの点が直線上に並んでいないことが、心理的な混乱を起こし、その結果、車を傾ける精度を低くしているのではな いかという仮説です。無意識のレベルの深いところで、すっきりしない迷いを生じさせているのではないでしょうか?

3つの点を以下のように変えてみたらどうでしょうか?

  1. 駐車スペースの入り口の反対のコーナー
  2. 車の外側後輪または外側後部の角
  3. 車の外側前部の角

つまり、外側前部の角以外の2つの点を変えて、直線上に並ぶ3つの点にするのです。

運転席側を内側にして駐車する場合をシミュレーションすると、駐車したいスペースを右に見て通路を進んで来ます。 駐車したいスペースの前まで来たら、入り口に向かって右のコーナーを意識します。右のコーナーに、車の助手席側後輪 または後部の角を向けるように車を左側に傾けます。傾けるのを止めるのは、助手席側前部の角が、正面に駐車中の車や 壁に衝突しない範囲になります。この時、(少なくとも意識の中では)、助手席側前部の角、助手席側後輪または後部の 角、駐車スペース入り口の助手席側のコーナーと、直線上に並びます。

これまでは、助手席側前部の角は別にして、運転席側の後輪または後部の角と、運転席側の入り口コーナーの2点が直 線上になるように車を傾けていました。バラバラに点を意識して、更に近くに見える後方の衝突を回避する心理的圧迫の ために、運転席側を広く空ける傾向を生じさせたという分析です。

これに対して、外側の3点を直線状に意識した場合は、3つの点が直線上になるために、助手席側の入り口のコーナー を的にして、車の助手席側の後部角から前部角に渡った1本の矢のようなイメージが生まれます。

車の左側側面がこちら側の入り口への方向を押さえられるので、これまでのような運転席側に余分な空間を取っため に、入り口全体から車の後部全体が助手席側にずれてしまう危険性が弱まります。バック駐車で、内側の余裕を余分に取 り過ぎてしまうのを改善できます。

一般的なバック駐車は、内側の要所を重点的に意識しますが、私の今回の仮説は、内側より外側の要所を意識した方法 です。いつも内側が空き過ぎてしまう、外側に膨らみ過ぎて切り返しすることが多いという人は、一度この方法を試みて みてはどうでしょうか?私も今試していますが、中々良い結果が出ています。

4月に新しい会社に車で通うようになった25歳の女性の話です。彼女は短大を卒業した後、地元の信用金庫に努めていましたが、農業をしていた父親の介護が必要になり、畑仕事に追われる母親を手伝うため仕事を辞めました。

昨年父親が他界し、農家の仕事にも見切りをつけました。母親は家の周りに食べる分の野菜だけ作って、後はのんびり老人会のゲートボールなどで過ごしていま。

彼女の新しい就職先は金属加工の工場で、経理の仕事をすることになりました。家からは車で30分程の所で、バスの便はないので家の車で通うことになりました。

彼女の乗る車は軽自動車で、ダイハツのミライ―スというかわいい車です。他にも古い軽トラックがありますが、そちらはマニュアル車で、今では母親しか乗りません。

彼女が免許を取ったのは3年前ですが、ほとんどペーパードライバーでした。もともと運転は好きではありませんでしたが、家にいる間に取っておこうと思ったのです。

彼女の悩みは、会社の駐車場など、どこの駐車場でもそうなのですが、バックで駐車する時に、ハンドルをどちらに回せば車がどう動くとかが分からず、いつも苦労していました。

教習所で習った目印などがないので、自分で考えながら行うのですが、決まった方法が見当たらず、いつも迷いながら駐車をしていたのです。

そんな彼女が、「どっちにハンドルを回せばいいか分かった!」と、バック駐車だけでなく、縦列駐車も苦にならなくなった練習方法を見つけたのです。

ダイハツミライ―ス
<出典画像:『ダイハツ ミライ―ス』https://matome.response.jp/articles/745>

理屈では分かっていても・・・

彼女はどうしてバックになると、ハンドルをどっちに回せばいいのか分からなくなるのだろうと考えました。前に行く時は何も考えなくても、行きたい方へハンドルを自然に回すのに、後ろになると途端にこんがらがってしまうのか。

彼女も理屈では分かっていました。前進でも後退でも、行きたい方へハンドルを回せばよいことは。左後ろへ行きたければ、ハンドルも左へ回し、右後ろへいきたければ、ハンドルも右へ回すということは承知していました。

BlogPaint

しかし、いざバック駐車しようとすると焦ってしまって、頭の中が真っ白になって、どっちにハンドルを回せばいいか分からなくなって、今車がどっちに向いてるのかも分からなくなってしまうのです。

だから時間をかければ、何とかバック駐車できるのですが、その日の調子によって、仕上がりが左に曲がったり、右に曲がったりして、満足のいく駐車が出来ません。

解決するには、じっくり納得のいくまで、自分で試しながら練習を繰り返すしかないと考えました。体に覚えさせるには、どんな方法がいいのだろうかと。簡単で効果的な方法はないか、どこでも出来るような方法は?

直ぐに思いつきませんでしたが、ふと、バック駐車と縦列駐車の車の動きが重なって頭に浮かびました。

バック駐車と縦列駐車の車の動き

バック駐車の動きと縦列駐車は別々のものと思っていましたが、俯瞰して眺めて見ると共通しているように感じました。

バック駐車では先ず、車を駐車スペースの入り口にお尻を向けて傾けます。その後、入り口に向かって斜めにバックしていきます。入り口に車の後部が入ると、今度は真っ直ぐに下がっていきます。運転席を内側にしたバック駐車の場合、平仮名の「く」の字に似たルートをたどります。助手席側を内側にした場合には逆「く」の字になります。

縦列駐車はどうでしょうか?こちらも、最初左後方へバックして、車の後ろ半分ぐらいが駐車スペースに入ったら、今度は真っ直ぐ後ろへ下がります。こちらも「く」の字のルートなのが分かります。

BlogPaint

バック駐車と縦列駐車の動きを見てくると、どちらも斜めに下がった後、真っ直ぐ後ろに下がる動きになります。

ここで彼女は「ピン!」と来るものがありました。「バック駐車には、何か車を回転させるイメージがあるけど、やってることは斜めに下がって、その後真っ直ぐ下がるだけなんだ。縦列駐車も、前の車の後ろに回り込むように思っていたけど、斜めに下がってから、真っすぐに下がるだけ」と、なんだか駐車が単純に思えたのです。

縦列駐車を練習すればハンドルの動きはマスターできる!

バック駐車と縦列駐車では、主に注視するサイドミラーが逆になります。例えば運転席側を内側にしてバック駐車する場合は、運転席側のサイドミラーを主に注視します。縦列駐車の場合には、縁石に近い助手席側のサイドミラーを主に注視します(一方通行などで道路の右側に駐車する場合には逆になります)。

そのような違いがありますが、斜め後ろに車をバックさせ、あるところでハンドルを反対方向に回して車の向きを変え、真後ろのバックに切り替えるハンドル操作は似ています。

また、縦列駐車でも車の左後方と縁石の位置関係、左の縁石のラインと車の左側面の平行関係などの確認を、助手席側のサイドミラーでする操作は、バック駐車の場合と共通した操作です。

つまり、縦列駐車のハンドル操作をマスターすれば、バック駐車にそのまま応用できることになります。

彼女は内気な性格なので、用もないのに一人でスーパーなどの駐車場で練習する勇気がありませんでした。幸い近くに広くて人通りの少ない空き地があったので、空き地を囲む塀を縁石に見立てて、縦列駐車の練習をしました。

最初は塀に車を擦りそうになりましたが、ハンドルをどちらに回せば車はどちらに向かっていくのかが、感覚で分かるようになっていきました。

塀に近づく時のハンドルを回す方向、車の後部の角が塀に近づいたら、ハンドルを反対に回して車の向きを変える感覚が身に付いていきました。空き地が良かったのは、縦列駐車を左右の異なる方向から練習できたことです。

彼女のバック駐車はまだ完璧とは言えませんが、もうハンドルをどちらに回せばいいのか迷うことはなくなりました。彼女の理想のバック駐車は、1回で駐車枠のど真ん中に真っ直ぐ駐車することですが、今の彼女のバック駐車は、1回でほぼ真っ直ぐに駐車できるのですが、まだど真ん中には停められないという状態です。

運転歴6年、無事故無違反でゴールド免許の32歳の主婦がいます。彼女は駐車する時には、毎回一発で白線内に入れられるし、他の車にぶつけたりする事は一度もありません。

彼女は昼過ぎから夕方の間だけ、実家のクリーニング店を手伝っています。彼女の仕事は、仕上がった品物の配達や、店では対応できない注文を、取引先の工場へ届ける役目です。使用している車はハイエースです。

彼女の悩みは、「ハイエースだと真っ直ぐに駐車できるのに、普段乗っている軽自動車(ムーブ)だと必ず斜めになってしまう」というものです。

ハイエースの方が大きいから、ムーブよりバック駐車するのは難しそうな気がしますが、彼女にはハイエースの方が綺麗に駐車できるそうです。

これには原因があるでしょうか?

Toyota_Hiace_H200_501
<出典画像:『トヨタ・ハイエース』https://ja.wikipedia.org/wiki/トヨタ・ハイエース#/media/File:Toyota_Hiace_H200_501.JPG>

ハイエースとムーブの大きさの比較

項目ハイエース(スーパーGL)ムーブ(L)
全長4,695mm3,395mm
全幅1,695mm1,475mm
全高1,980mm1,630mm
ホイールベース(前後の車軸中心間の寸法)2,570mm2,455mm
トレッド(左右のタイヤの中心間の寸法)1,470/1,465mm1,305/1,295mm
最小回転半径(最小回転時の前輪外側タイヤの描く円軌道の半径)5.0m4.4m

HiaceVan-Move-1

車の大きさの違いが、バック駐車の際に車が真っ直ぐにならないことに、どのような影響を与えているのでしょうか?

普通免許で乗れる車であるならば、運転の操作や結果に違いが出てしまうのは、そもそも運転の根本が正しくない可能性を伺えさせます。

バック駐車の操作の過程のどこかに問題があるはずです。その前にハイエースとムーブが回転した時の比較を見てみましょう。

ハイエースとムーブの回転の差

HiaceVan-Move-2

白い方がハイエースの回転の様子で、黄色がムーブです。円の中心から車体の側面までの距離の差は、2,706mm-2,261mm=445mmです。一方、車体前部の外側端が描く円の距離の差は、5,707mm-4,738mm=969mmです。

これらのことから次のことが分かりました。

  1. ハイエースは小回りが利く(中心から車体側面までの差が445mmしかない)
  2. ハイエースの外側オーバーハングが大きい(車体前部外側端の円半径の差が969mmもある)

分かりやすく言えば、両者の描く内側の円の半径の差は小さく、外側の円の半径の差は大きいのです。ハイエースはバック駐車する場合には小回りが利きますが、前向き駐車の場合には、前部のオーバーハング(前輪の車軸の中心と車体端との距離)が大きいので広いスペースが必要になります。

最小回転半径の差は、5.0m-4.4m=0.6m=600mmなのに比べて、車体内側側面の円の半径の差が445mmなのでも、ハイエースの小回りの良さを示しています。厳密に言えば、内側の小回りで、バック駐車にメリットのある性能です。逆に言えば、ムーブに比べて外側は大回りの度合いが大きいという性能です。

バック駐車する場合には、回転の内側(車体の内側)を主に注視することになります。ハイエースとムーブでは、回転の内側の半径の差が車体の長さに比べて小さいので、回転の動きに伴う難しさの差も少ないはずです。

ムーブの方が真っ直ぐ駐車しにくい原因は、回転の性能の差にはないようです。

長い線のほうが方向が分かりやすい

私が注目したのはボディの長さの違いです。特に運転席から後部までの側面の長さです。一つの目安として、前輪の中心と車体後部端との長さをひっかうすると、ハイエースが3,632mmでムーブが2,925mmです。その差は707㎜です。

HiaceVan-Move-3

サイドミラーから車体の側面と後方の端を見た時、長い方がバックして行く方向を捉えやすくなります。長い物差しの方が短い物差しより、指し示す目標への方向が分かりやすくなります。

BlogPaint

サイドミラーから見た場合には、両者の長さは見た目には大きな差を感じませんが、ハイエースの後部の端はムーブよりずっと先の位置を示しています。サイドミラーが凸レンズのため、ミラーの端に写るものを中央に集めて反射するからです。

BlogPaint

イメージとしては、ハイエースの方が、ムーブより先の方に到達しています。運転席が同じ地点にあった場合、ハイエースの方が、ムーブより先の地点を通過するのを、予測でなく車体を見て確認できるのです。

一般的なバック駐車は、車を傾けた状態で駐車スペースの入り口へ向かっていきますが、車が長いと(物差しが長いと)、駐車スペースの白線と車の側面のラインとの角度の関係で、その車の角度で入れるかどうかの判断もしやすくなります。

BlogPaint

バック駐車の工程が進んで、車が駐車スペースの枠内に入ってきた時、車が長いと車の後部が駐車枠の奥に早く到達するので、車の後方と駐車枠の奥の空きと手前の近い方の車体側面との空き、車体の奥と手前の白線との平行関係を早く確認できます。

BlogPaint

下の動画はハイエースでのバック駐車の様子です。やはり、サイドミラーからも、後方の車体と駐車枠の関係から、車の位置関係を早く察知できるのを感じ取れます。

<出典動画:『駐車の方法』YouTube>

早い方向の把握と小回りの差が少ないこと

ハイエースは長いボディの割には小回りが利くので、バック駐車の時の回転が他の大きな車に比べて小さく操作できることと、ボディーが長いことによって、サイドミラーの中で車の方向や位置を早く知ることができることの2点が、軽自動車のムーブよりハイエースの方が、真っ直ぐに駐車しやすいという現象を生むのではないかと考えられます。

ムーブのバック駐車の仕方にも問題はないか?

ハイエースで出来てムーブで出来ないのは、バック駐車の仕方にも問題があるはずです。

ハイエースで真っ直ぐに駐車できるのなら、ハイエースの駐車の仕方が正しくて(少なくとも32歳主婦の彼女にとって)、ムーブの駐車の仕方が正しくないのです。

ハイエースでは、ボディが長いために、駐車枠に斜めに向かっていく時や、枠に入ってから奥までバックしていく時に、車の側面を1本の線のようにして、駐車枠の白線と絶えず角度や距離を比較しながら操作しているはずです。

ムーブの場合には、サイドミラーに写る車の後部が近いので、車体の側面を線として見ていないのではないでしょうか?むしろ後輪を強く意識してしまって、車体がどちらに向かっていくのかの判断が、車体の側面を物差しのように使った感覚ではなく、後輪を点のように使った感覚で行っていると思われます。

BlogPaint

ムーブのバック駐車が、駐車スペースの枠の白線と、車の後輪とを目安にした、線と点の関係であるのに対して、ハイエースは長い車の側面を物差しのような線として使った、線と線の関係であることが、真っすぐに駐車できる結果になっていると推測します。

従って、彼女の場合、ムーブでもハイエースと同じように、サイドミラーの見方として、車の側面から後部に掛けてのラインを目安にして、駐車枠との角度や位置関係を確認しながらバック駐車するのが良いと思われます。

 

  • あなたは左折を不安に感じたことはありませんか?
  • 安全の確信が持てないまま、なんとなく左折していませんか?

自働車学校でも左折する時の巻き込みは十分注意されます。左のサイドミラーを良く見て、目視でも死角を確認します。私も「巻き込み、良し」などと、声を出しての安全確認をするよう指導を受けました。

そういう危険性は理解しているつもりなのに、何か不安を感じるのはなぜでしょう?

  • 巻き込みを防ぐ対策は十分なのか?
  • 危険は巻き込みだけなのか?

左折と言っても、一つとして同じ交差点はないし、同じ交差点でも時々刻々状況は変化しています。それなのに、「曲がる時巻き込みに注意する」だけで良いのでしょうか?

そういう漠然とした不安を抱えたまま、左折を行っているから不安が残るのです。その不安を解消するには、まだあるであろう危険を洗い出し、いつでも、どこでも通用する安全な左折をルーチン化することです。
car-984159_640

左折のルーチン化に必要なこと

安全な左折をルーチン化するには、

  • 左折に潜む危険を全て洗いだすこと。
  • その危険を防ぐ対策をすること。

です。

左折する場所に合わせて、その都度なんとなく行動するのではなく、どこでも通用するように、予測した危険を回避できるルーチンで行えば、身構えることもなくストレスのない左折が出来ます。

左折には4つの危険が待ち構えている

例えば、ウインカーを出して3秒後に左の車線に移動して、曲がる30m手前で再びウインカーを出し、徐行しながら左折を完了するまでの僅かの間には、事故につながる可能性のある4つの危険が待ち構えています。

1、左後方から忍び寄る自転車とバイク

左に曲がる車が左後方を直進する自転車に気が付かず、巻き込んでしまった光景を、私は目の前で見たことがあります。自転車を巻き込んでからも、車は数メートル止まりませんでした。

幸いその時の事故は、乗っていた若者が自転車を放り出したのでケガはないようでしたが、車の助手席側のドアには大きな傷が出来、自転車は車の下に歪んで挟まっていました。

左のサイドミラーに写らない死角に入ってしまった自転車やバイクは、左折の最大の危険です。

2、横断歩道に忍び寄る歩行者

左折の場合に遭遇する横断歩道を渡る歩行者は、右折の時より視認しやすいですが、歩道の方から走って来たり、遠慮して車をやり過ごそうとする人がいたり、歩くのが遅くて、こちらが待ちきれない衝動に駆られたり、油断が出来ない危険をはらんでいます。

私の父は、向こうの歩道(左折する運転席から見ると右方向)から横断歩道へ渡ろうとする人がいる時に左折して、後方にいたパトカーに取り締まられた経験があります。

歩行者は横断歩道に足を踏み入れた瞬間で、距離的にも十分に離れていたので、安全に左折したのですが、歩行者を優先しなかったということで切符を切られました。

私は左折する時にこのことを思い出します。渡ろうとする歩行者が、どの位置なら左折しても許されるのか?あるいは許されないのか?

3、前方から忍び寄る右折車

「松本走り」「山梨ルール」などと呼ばれている、左折車に割り込む右折や、「茨城ダッシュ」「伊予の早曲がり」など呼ばれる、青信号直前の右折をする人がいます。恥ずかしながら、私もやっていた一人です。運転熟練者のテクニックだと勘違いしていました。危険極まりない行為だと感じていなかったのです。

このような右折は、本人だけが自己満足する右折で、周囲にどれだけ不快感や恐怖を与えているか自覚していないのです。私もこのような右折をされる側から見た時、「この人うまいな」と思う右折は滅多にありません。「強引だな」と感じる右折ばかりです。

こういう右折を自分もしていたのかと分かりました。事故に直結する行為なので、今まで事故を起こさなかったのは奇跡的な幸運でしかありません。

かつての私のような右折をする人は、まだまだいます。悲惨な事故のニュースが報じられてもです。「自分だけは大丈夫」と思い込んでいるのです。こういう右折車も想定しておく必要があります。

4、内輪差による物や人への接触

自動車学校で経験したような、内輪差を注意しなかったために起きた脱輪は、信号機のあるような交差点では、先ず起きることは少ないでしょう。

起きる可能性が高いのは、信号機のない小さな交差点を左折する時や、道路に面した駐車場への出入りで左折する際に、ガードレールやポール、ブロックに当たったりする事故です。

ただし、繁華街や駅前の歩行者で溢れかえるような交差点を左折する場合には、内輪差によって、歩道ギリギリに立っている歩行者に接触する可能性はあります。

4つの危険の守り方

左折にまつわる危険を4つと割り出しました。この4つの危険への対策をしておけば、どんな場所、どんな状況でも対応できる左折になります。

左後方の自転車とバイクをブロック

左折の最大の危険要素である、左後方から走り抜けていく自転車とバイクへの対策が最重要です。

JAF関連のホームページ(「JAFMate」)では、左後方の自転車やバイクに対して、「幅寄せ」して車の側面に入り込むのをブロックするように推奨しています。

<出典動画:『JAFMate|なるほど運転レッスン「左折のしかた」』YouTube>

その根拠にも挙げているのが、下記の道路交通法の条文です。

「左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつできる限り道路の左側端に沿って徐行しなければならない」(道路交通法34条第1項)

確かにこの条文の主旨を素直に解釈すれば、

自転車やバイクの入り込む余地をなくすために左側端に車を寄せるように理解できます。目的は巻き込み事故の防止です。

しかし、「巻き込みを防ぐため」(目的は?)とかの記述もなく、「あらかじめその前から」(何m手前?)「できる限り道路の左側端」(端から何㎝?)と、曖昧な表現になっています。

  • 目的は巻き込み防止と考えて良い。
  • 何m手前から左側端に寄るかの規定はない。
  • 左側端から何㎝離れて寄るかの規定もない。

曖昧な要素のままでは、普遍的左折のルーチン化ができないので、なんとか明確にしなければなりません。

何m手前から左側端に寄れば良いか?

左折のウインカーを出すタイミングは交差点の30m手前と決められています。このタイミングと左側端に寄るタイミングを連動するのが自然です。従って交差点の30m手前で、ウインカーを出し(安全を確認の上)左側端に寄るとルーチン化します。

左側端から何㎝離れて寄れば良いか?

この疑問の答えは単純ではありません。なぜなら道路には路側帯がある場合とない場合があるからです。路側帯とは歩道がない道路に、歩行者(条件付きで自転車などの軽車両)の安全のために設けた、線で区切られた通行区域です。この路側帯を車やバイクは走行出来ません。

下の写真で見ると、左側は歩道がないので路側帯の白線が引かれています。右側には歩道があるので路側帯はありません。右側の白線は車が走行する領域を示す「車道外側線」と呼ばれる境界線です。

rosokutai

<出典画像:『路側帯』https://c6.staticflickr.com/9/8787/28507833485_f7287b5bfd.jpg

路側帯がない道路なら、道路の左側端に寄せられますが、路側帯がある道路では路側帯より中へは寄せられません。この2つの場合の違いがルーチン化を難しくします。

自転車は、以下の条件を守れば路側帯を通行出来ます。

  • 歩行者の邪魔をしない。
  • 逆走(右側通行)しない。

ということは、路側帯を自転車が走ってくる(中には違反を無視してバイクが走ってくる場合もあります)ので、左折のためにブロックすることは出来ないでしょうか?。

路側帯の幅は道路環境によって異なります。私の家の近所を調べたところ、45㎝、55㎝、60㎝(縁石から路側帯の線の内側までの寸法)の3種類ありました。線の幅15㎝を加えると60㎝、70㎝、75㎝になります。小学校の周囲では1m以上の路側帯になっていました。

ちなみに、路側帯は75㎝以上を原則として、止むを得ない場合は50㎝以上を確保するように規定されているようです。

hakusenhaba-w560

<出典画像:『路側帯の白線幅15㎝』>

路側帯は歩道がない道路に設置されるものなので、比較的大きな道路より、狭い道路に多く設けられています。(歩道がある大きな道路に設置されている路側帯に似た線は、車の走行領域を示す「車道外側線」です)そのため、路側帯を十分広く取れる道路は少ないはずなのです。

そう考えると、75㎝の幅の路側帯を路側帯の標準と捉えても良いのではないかと思います。その根拠は、75㎝というのが道路構造令という道路を作る法律の中で、歩行者の占有幅として採用されているからです。歩行者が通行するのに75㎝の幅を基本にしています。

道路利用者の基本寸法

<出典画像:『道路利用の基本的な寸法』http://www.mlit.go.jp/road/sign/pdf/kouzourei_2-2.pdf

路側帯の中に駐車する場合に、歩行者のために75㎝以上を空けるように規定されている理由も同様の根拠を基にしていると思われます。

左折で問題になるのは路側帯を通行する自転車です。自転車の占有幅は1mと考えられています。75㎝の路側帯は自転車にとって窮屈に感じられます。つまり、75㎝の路側帯ギリギリに幅寄せした場合、自転車をブロックする効果はあると考えられます。バイクなら尚更です。

自転車道幅員の考え方

<出典画像:『自転車道幅員の考え方』http://www.mlit.go.jp/road/sign/pdf/kouzourei_2-2.pdf

ところで、路側帯がない道路では、どのくらいまで側端に寄せれば良いでしょうか?

目安になるのが、路肩を避けた分だけ側端から離れて寄せるという考え方です。厳密に言えば、「保護路肩」と呼ばれる、アスファルトとは別に、コンクリートで出来た、縁石に沿って設けられた構造物です。

路肩というのは、道路の端から車道外側線の間のことです。下の写真は「半路肩」という種類の路肩です。車道外側線がない場合には、「保護路肩」のコンクリートの部分を路肩と呼ぶことになります。左折の場合には「保護路肩」に注目します。

hanrokata-w500

<出典画像:『路肩と保護路肩』https://car-moby.jp/187292

保護路肩の幅は様々で、私が近所を歩いて見ただけでも30㎝弱、40㎝、50㎝の3種類がありました。一般の道路では50㎝幅の保護路肩が最大幅ではないかと思います。

hogorokata30-w560

<出典画像:『約30㎝の保護路肩』>

hogorokata40-w560

<出典画像:『約40㎝の保護路肩』>

hogorokata50-w560

<出典画像:『約50㎝の保護路肩』>

保護路肩の上を走行することは、車両制限令第九条によって禁止されています。保護路肩がない一般の道路では側端から50㎝、保護路肩のないトンネルの中や橋の上は25㎝内は走行が制限されています。

つまり50㎝側端から離れればこれらの制限をクリアすることになります。50㎝の中を強引に入って来る自転車やバイクは考えられないので、ブロックできます。

路側帯の75㎝の幅を標準とし、路側帯のない道路の保護路肩を50㎝を最大とします。75㎝なら両者をクリアできます。路側帯があってもなくても、左折する時には左側端から75㎝まで寄せるというルーチンです。あるいは距離的な数値でなく、路側帯の線までか(路側帯がある場合)、保護路肩の手前まで(路側帯がない場合)というルーチンでも良いでしょう。

法的にも、左折の合図をしている先行車を、後続の車両が妨害することは禁じられています。自転車やバイクよりも前で路側帯や路肩の方へ寄せて行けば、巻き込みを防ぐためのブロックは可能と考えられます。

左折又は右折しようとする車両が、前各項の規定により、それぞれ道路の左側端、中央又は右側端に寄ろうとして手又は方向指示器による合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き、当該合図をした車両の進路>の変更を妨げてはならない。(道路交通法第34条6項)

右折車の動向を見極める

交差点に近づいた時、対向車で右折しようとしている車が、こちらが左折するのを待っているのか、こちらより前に右折しようとしているのか判断する必要があります。

こちらの車と前を走る車との距離が少し空いている場合に、その隙に右折しようとする車があります。「松本走り」「山梨ルール」などと呼ばれる右折の仕方です。

こういう車はかなりの高い確率で判別できます。飛び出せるタイミングを計っているので、静止せずに微かに前進と停止を繰り返しています。

隙間を狙って右折しようとする車は、こちらが左折するためにスピードを緩めた瞬間を察知して右折してきます。そうでない車は微動だにせずに右折車線で静かに待機しています。

右折する車のタイヤの向きでも感じられます。飛び出そうと待ち構えている車は、タイヤの向きを右に向けています。ゆっくり待っている車のタイヤは前方を向けたままが多いのです。

また隙を狙っている車は、停止線より前に出て、少しでも早く右折出来るように詰め寄った位置についています。あからさまに車を傾けている場合もあります。待機している車は、停止線の手前で静かにしています。

<出典動画:『ドラレコ 割り込み右折はやめてくれ!側面にぶつけるぞ!』YouTube>

このように、右折しようとしている対向車を素早く感じ取ったら、余裕を持って先に行かせてしまいます。意地を張って競り合うのは危険です。「負けるが勝ち」という戦法です。

横断歩道の左右の歩行者を確認する

横断中の歩行者を確認すれば、歩行者が歩き過ぎるまで手前で停車しますが、問題は横断しようと左右から近づいてくる歩行者や、まだ横断歩道の遠くを歩いている歩行者(広い交差点の場合)を確認した時です。

物理的に車を先に行かせることが可能な場合に、横断歩道の手前で停止する確かな心づもりを持っていないと、早く行きたい誘惑に負けてしまいます。

法的にも、横断しようとする歩行者がある時には、手前で停止しなければなりません。「横断しようとする歩行者」は、目の前だけでなく、横断歩道の左右を確認する必要があります。横断中の歩行者だけでなく、横断歩道を渡ろうとする歩行者も確認する必要があります。

<出典動画:『横断歩道上に歩行者がいるのに…』YouTube>

時には後続の車からクラクションを鳴らされる可能性はありますが、人身事故を起こしてしまうより遥かにましです。それに、私の父が経験したように、警察官が目撃していたら、即取り締まりの対象になることでしょう。

内輪差は後輪で回る意識で防ぐ

内輪差というのは、曲がる時に後輪は前輪より内側を通る性質のことです。自動車学校で左折で脱輪してしまう原因は、前輪で角を曲がる意識のためです。前輪は角を曲がれても、後輪がその内側を通るので縁石に乗り上げてしまいます。

内輪差を考慮して角を曲がるには、後輪で角を曲がるように意識することです。

<出典動画:『ハンドル早く切りすぎだよ!』YouTube>

左折のルーチン

以上で、4つの危険から自分の車を守りながら左折するルーチンの準備が出来ました。

  1. 交差点の30m手前で左折をする合図を出す。
  2. ルームミラー、左サイドミラー、目視の順で左後方、左側面の安全を確認して路側帯または保護路肩まで左に幅寄せする。この時、車の左側面に自転車やバイクが走行している場合には、それらの後方に下がり、決して前に出ようとしない。
  3. 路側帯または保護路肩まで寄せたまま(自転車やバイクをブロックしたまま)、交差点まで徐々に速度を落として行く。この時、対向車線の右折車の動向を確認し、割り込み右折をする気配なら先に右折させる。
  4. ハンドルを左に回す直前に、左サイドミラー、目視で車の左後方、左側面の安全を確認し、同時に横断歩道左側の歩行者の存在を確認する。歩行者があれば停止する。
  5. 徐行しながら左折を開始し、横断歩道の手前で、横断歩道の右側の歩行者の存在を確認する。この時、割り込み右折の存在も確認する。歩行者があれば停止する。
  6. 歩行者がいないことを確認して左折を完了する。

ポイントは、

  • 左に曲がる前に、巻き込みの確認、対向車の割り込み右折を確認する。
  • 左にゆっくり曲がりながら、横断歩道の左右の歩行者と右側から来るかもしれない割り込み右折を確認する。

言葉で書くと簡単ですが、極短い時間の中での操作です。イメージから言えば、横断歩道を中心にして、左側の注意に6割、右側の注意に4割といった配分です。

防衛戦のための武器

安全な左折をするためのテクニックとして、「送りハンドル」をマスターすることと、意識の持ち方として、「横断歩道の手前で一時停止するぐらいの警戒感」の維持をおすすめします。

確認の時間を作る送りハンドル

「送りハンドル(プッシュプルハンドル push pull handle)」というのは、自動車学校で教えられる「クロスハンドル cross handle」と違って、腕を交差させないハンドルの回し方です。

ハンドルを左右の手をずらすようにして、少しづつ回すので、一気に大きく回転することが出来ません。このことが、左折のようにゆっくり曲がりながら、確認する作業が多い場面では有効に働きます。一瞬で回り込まないので、危険を察知した時に停車しやすいのです。

巻き込みや歩行者を確認しても、クロスハンドルでは途中で回避するのが非常に困難です。送りハンドルなら回転する量が少なく遅いので、瞬時に停車して被害を軽度に抑えられます。

<出典動画:『クルマの運転の基本 ~ハンドル操作(回し方)~ 「プッシュプルハンドル」』YouTube>

送りハンドルで左折すると、クロスハンドルよりゆっくり左折するので、その分周囲の確認をする時間を作ることが出来ます。

送りハンドルは、内輪差の事故を防ぐ効果もあります。ゆっくり、少しづつ角を曲がるので、大きく内側に食い込むことがないからです。

私は、送りハンドルを覚えてから、クロスハンドルを使う割合が大きく減りました。急いだり、狭い場所で大きく車を回転させる場面は、運転している中でそんなに多くはないのです。

事故の起こる確率は車を回転したり、方向を変化させる時が高いのです。送りハンドルで時間的な確認の余裕が出来るのは、事故防止に大きく影響します。

一時停止するぐらいの警戒感

路線バスの後ろに、「左折の時には一時停車します」という表示がされているのを目にします。

バスのような大型車だから慎重なのだと思いますが、一般車もこのぐらいの気持ちで運転した方が良いと思います。

一般車がバスのように堂々と停車すると、かえって後続車には危険ですので、瞬時に停車できる速度で左折する意識、警戒感が必要だと思います。横断歩道の周りには、地雷が埋まっているぐらいの慎重さが必要です。

左折は思っている程、単純ではないのです。

<出典動画:『JAF Mate|「危険予知」前車に続いて交差点を左折します。』YouTube>

結婚したり家族が増えたりして、それまで乗っていた軽自動車のスズキワゴンRから、セダンのスバルレガシィB4に乗り換えを検討している人もいるでしょう。

同じ軽からセダンの乗り換えでも、ワゴンRからレガシィB4への流れって、分かるような気がします。街中の生活の走りだけでなく、休日のレジャーの走りを想像させます。

私はワゴンRから中古のエルグランドに乗り換えた時には、車幅の広さと車の重量感に面食らった記憶があります。あまりの燃費の悪さに長くは乗り続けませんでした。近所の店に買い物に行くのに、車体が大き過ぎて狭い駐車場で苦労したのも原因です。

憧れだけで車を選ぶと後悔します。乗り換えた後の生活のイメージを考えておく必要があります。

軽自動車からセダンに変わると、内輪差の違いによる左折や右折時の巻き込みや脱輪、後ろのトランクのスペース(オーバーハング)の違いによる下がり過ぎての衝突、加速の違いによりアクセルを踏みすぎての速度の出し過ぎ、車高(最低地上高)の違いによる底部の擦りなど、多くの注意する点があります。

ワゴンRからレガシィB4では、車のサイズも大きく変わります。バック駐車する時にどう変わるのか比較したいと思います。

LegacyB4-6gene

<出典画像:『レガシィB4』https://www.subaru.jp/legacy/b4/>


ワゴンRとレガシィB4の車のサイズ(諸元)

項目ワゴンR HYBRID FZ(4WD)レガシィB4(AWD)
全長3,395mm4,800mm
全幅1,475mm1,840mm
全高1,650mm1,500mm
ホイールベース2,460mm2,750mm
トレッド(前/後)1,295/1,290mm1580/1595mm
最小回転半径4.4m5.6m

wagonR-size

<出典画像:『ワゴンR HYBRID FX 寸法図』https://www.suzuki.co.jp/car/wagonr/detail/spec_fz.html

LegacyB4-size

<出典画像:『レガシィB4 寸法図』https://www.subaru.jp/legacy/b4/spec/spec.html

2019年10月に発売予定されている新型レガシィ(7代目)では、全長だけ40㎜延びて、4,840mmになるという情報があります。2019年5月現在の現行モデルは6代目です。今回は現行モデル(全長4,800mm)を参照しています。

<出典動画:『All-New 2020 Subaru Legacy | New Model Walkaround』YouTube>

全高だけワゴンRの方が大きいです。私ももっと若い時は天井の高い車が、圧迫感がなく見晴らしが良くて運転しやすく感じましたが、少しずつ歳を重ねていくと、そういうことより、心地よいシートにゆったりもたれて運転したくなります。

横風の強い高速道路などでは、車高の高い軽自動車はハンドルを取られる程振られます。そういう時、車高が低く重心の低いセダンが余裕で追い越していく後ろ姿を眺めるのは、乗り換えたいと感じる場面かもしれません。

ワゴンRとレガシィB4のバック駐車の比較

ワゴンRのバック駐車に必要な通路幅

最も通路幅(道路幅)が狭くて済むバック駐車は直角バックです。1回でできる直角バックに必要な通路幅(道路幅)が最小と考えることができます。

wagonR-1

最小回転半径の中心は、後ろの車軸の延長線上にあります。15度づつ回転させてみます。駐車スペース(車庫)を間口2.5m、奥行き5mで想定します。

wagonR-2

ワゴンRを直角バック1回で駐車するためには、3,298mm以上の通路幅(道路幅)が必要です。その時のスタート地点は、駐車スペース入り口の水平ラインから車体側面を813mm離して、運転席が2つ先の駐車枠の中央付近に来た位置になります。

ワゴンRの全幅は1,475mmですので、2.5mの間口の駐車スペースの場合、片側512.5mmの空きが出来ます。両側に駐車中の車があっても、乗り降りは楽です。

レガシィB4のバック駐車に必要な通路幅

サイズも最小回転半径も大きいので、どれだけの差が出るでしょうか?

Legacyb4-1

レガシィB4が1回の直角バックに必要な通路幅(道路幅)は4,851mm以上必要です。そのためのスタート地点は、駐車スペース入り口の水平ラインより、車体側面を1,748mm離し、運転席が2つ先の駐車枠の奥の境界線に来た位置になります。

Legacyb4-2

レガシィB4の全幅は1,840mmですので、2.5mの駐車スペースの間口の場合、c駐車した時の車の片側の空きは330㎜になります。特に支障のある狭さではありません。

ワゴンRとレガシィB4を比較すると、必要な通路幅の差は、4,851mm-3,298mm=1,553mmと、1.5m以上もあります。直角バックする場合には、入り口水平ラインから、1,748mm-813mm=935mmも余計に車体側面を離し、駐車枠の間口の半分程(約1.25m)遠くからスタートする必要があります。

直角バックでなく、一般的な車を傾けるバック駐車の場合でも、ワゴンRに比べてレガシィB4では、1.5m以上余計に通路幅が必要になるということです。

一般的な駐車場では通路幅は5m以上取ってありますので心配ありませんが、自宅の車庫の前の道路幅が5m以下の場合には、数度の切り返しが必要になるでしょう。(4,851mm以上あれば直角バックなら1回で可能ですが)

セダンと言っても、レガシィB4は、高級SUVに近い印象を受けます。私はSUVっぽいゴツゴツしたデザインはあまり好きではありません。レガシィB4みたいな落ち着いたデザインの方が魅力を感じます。フルモデルチェンジの新型レガシィB4が街中を走るの早く見たいです。

 

 

 

↑このページのトップヘ