こちらの不注意で起こした駐車場の物損事故。双方の保険会社が間に入って無事に示談が成立した後、迷惑をかけて申し訳なかったという気持ちがある場合、どうするのが良いでしょうか?
- その場で事故の当事者としては一応謝ってはいる。
- 保険会社からは「電話でも大丈夫だと思います」と言われた。
確かに形式的には示談も成立して、事故の後始末は終わったように思えます。でも、気持ちの中にまだ、改めてお詫びしたい思いが残っています。もやもやした気持ちを抑えるより、相手方にお詫びした方が楽になれるのでは・・・。
いざ、このような物損事故の加害者になってしまった時、どうすべきでしょうか?そして、もしお詫びに行く場合には、何か持って伺った方が良いでしょうか?どうすれば「本当にすまなかった」という気持ちを伝えられるでしょうか?
先ず電話でお詫び、その結果を見てお伺い
こちらの「心から謝りたい」という誠意は大切です。謝罪されて嫌な気持ちになる人はいないと思いますが、相手にも都合があります。いきなり訪ねて来られても困る場合もあるでしょう。
先ず、電話でお詫びの気持ちを伝えます。その中で「お伺いしてお詫びしたいのですが?」と尋ねます。その時の相手の応答の様子を感じ取ります。
- 電話のお詫びだけで気持ちが伝わった。
- プライバシーがあるので訪ねて来られても困る。
- お詫びに来るのが常識と思っている。
- 示談に本当は不満を持っていた。
相手によって対応は様々でしょう。その反応に従って、電話だけで済むのか、伺うべきかを判断すれば良いのではないでしょうか。こちらが男性、相手が一人暮らしの女性の場合だってあるかも知れません。一方的にこちらの気持ちを押し付けるのでなく、相手の気持ちを察することも必要です。
最近は保険会社どうしで、事故の一切の後処理をするのが当たり前になってきました。人身事故なら直接お詫びに伺うのは当然ですが、物損事故の場合は、電話でお詫びを伝えなくても、マナー違反とも言えなくなっています。電話でお詫びすることだけでも誠意ある謝罪と言えます。
電話で心からお詫びをする。それで相手が十分に受け止めてくれたらそれで解決。それでも、こちらの申し訳ない気持ちが解消されない、あるいは相手も謝罪を求めている。その場合にはお詫びに伺う。こういうスタンスで良いと思います。
注意としては、既に示談が成立しているので、それを蒸し返すような要求には答えるべきではありますん。「修理の仕上がりが気に入らない」など、保険会社か修理工場に言うべき不満まで受け止める必要はありません。
事故で掛けた責任を無限に負うことは出来ません。物理的な責任と精神的な責任は分けるべきです。物理的な車両の責任は保険で償い、精神的な責任はお詫びの気持ちで償います。
相手方の負担に感じない程度の菓子折り
もしお詫びに伺う場合、大切なのは謝罪の気持ちですが、手ぶらで挨拶もできないので、当たり障りのない菓子折りなどを持参します。
相手が負担に感じるような高価なものは必要ありません。コンビニに置いてある、2,000円から3,000円程度の菓子折りで十分です。
電話だけでお詫びして、まだ何か心にわだかまりが残っていて、お詫びに伺う程ではない場合、菓子折りを宅配で送るという方法もあります。
申し訳ないと思う気持ちは大切にしたい
私が体験した駐車場の物損事故は、ぶつけられた側の立場でした。私の車のワイパーに、ぶつけたと思われる人の連絡先が書かれたメモが挟んでありました。
そこに電話すると会社らしく、当人が電話口に出ると、「担当の部署に回します」の一言だけ。お詫びの「お」の字もありません。実に事務的な対応でした。その時は、ちょっと「ムッ」としましたが、「当て逃げされるよりいいか」と割り切りました。
加害者、被害者が現場にいる場合は、加害者側が誠意をもって謝罪すべきです。過失割合が微妙で難しいケースがあるかも知れませんが、少しでも落ち度があるのなら、申し訳ないと思う気持ちを大切にすべきです。
現場で十分にお詫びすれば、示談成立後に改めてお詫びする必要は少ないでしょう。人身事故なら別ですが、物損事故の場合は現場の謝罪が伝われば、後は保険会社に全て任せて済ませて良いと思います。
その上で、です。それでも「心からお詫びしたい」「本当に申し訳ない」という気持ちが強いなら、自分の心に従うべきです。
事故のあった駐車場が、毎日、あるいは定期的に利用する場合は、また顔を合わせる可能性もあります。そういうことも考慮に入れて、電話もしなくて良いのか、電話だけはした方がよいのか、お詫びに伺うべきなのかを、判断すると良いでしょう。