教習所の卒業検定の縦列駐車では、一連の流れの中で、各動作の前にしっかり止まってから、ハンドルを切るべきでしょうか?それとも、流れを止めないようにハンドルを切った方が良いでしょうか?

「ええと、次にどうするんだっけ?」などと考えながらハンドルを切っていると、右に切るのか左に切るのか分からなくなってしまいます。スムーズに出来たとしても、縁石から離れすぎていたら、前に戻ってやり直したり、苦手な切り返しをして左に寄って行かなければなりません。

かと言って、ゆっくり止まっていたら、ぎこちなく見られて減点されるのではと不安になります。ミスを少なくして検定に受かるには、どうすれば良いのでしょうか?どうせスムーズには出来ないとしたら、どこで止まって、どこでハンドルを切れば良いでしょうか?

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しっかり止まってハンドルを切る10ステップ

教習所の卒業検定の縦列駐車では、止まらないでスムーズに動作させようとするのは止めましょう。それよりもミスを少なくして精度を上げるやり方に決めます。しっかり止まってハンドルを切る10ステップです。

ポイントは、車をバックさせることとハンドルを切る動作を確実に分けることです。

1. 駐車したいスペースの横で止まり安全を確認する

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実際の場合は車の長さの1.5倍以上のスペースが必要ですが、教習所なのでスペース内の安全確認の目視だけを行います。

2. 駐車スペースの前の車の真横に車を進めて止まる

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駐車スペースの前に車が停まっている設定です。その車と丁度横並びするように車を停車させます。ポイントは両方の車の後部の面が揃うように並ぶことです。お互いの車の長さが違っても、後部の位置を合わせます。

3. ハンドルを駐車スペース側へ一杯に切る

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両方の車が並んだ位置から一杯にハンドルを切っても、内輪差があるのでぶつかりません。内輪差とは、前輪は後輪より外側を通ることです。隣の車の横を通過すれば、後輪が駐車スペースに回り込んでも、前輪はそれより外側を通るのでぶつかりません。だから、並んで止まった状態で、一杯に切ってしまって構いません。

4. バックを始める

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ハンドルは既に切ってあるので、バックを始めると自然に駐車スペース側に回り込んでいきます。駐車スペースと反対側(道路側)のサイドミラーに、駐車スペースの奥の縁石の角が見えたら車を止めます。これで車が駐車スペースへ入っていく角度が決まりました。

5. ハンドルを真っすぐに戻す

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この後、その角度のまま真っすぐにバックするので、そのためにハンドルを真っすぐに戻します。戻す間は車を動かしません。車を止めた状態のままハンドルだけ真っすぐに戻します。

6.バックを再開する

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ハンドルは真っすぐのまま動かさない状態で、バックを再開します。車は駐車スペースに向かって、角度を保ったまま、真っすぐにバックしていきます。駐車スペースの範囲に外側(道路側)の後輪が入ったら止まります。これで両方の後輪が駐車スペースに入りました。

7. ハンドルを道路側へ一杯に切る

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車は止まったまま、前輪を駐車スペースに入れるために、ハンドルを道路側へ一杯に切ります。この段階の時に、このまま車の前部が駐車スペース側に回転したら、前の車と接触しないだけの余裕があることを確認します。余裕がなさそうなら、駐車スペースへの入り込みが浅いので、もう少し深くバックしておきます。

8. バックを再開する

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前輪が駐車スペース側に回り込みます。前の車にぶつからないか、縁石と車の内側後部がぶつからないか、確認しながら慎重にバックします。車が真っ直ぐになったらバックを止めます。これで車全体が駐車スペースの中に入りました。

9. ハンドルを真っ直ぐに戻す。

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車を止めた状態でハンドルを元に戻します。

10. 必要があれば前後、左右の移動調整をする

駐車スペースからはみ出していたり、前後が空き過ぎていたら、切り返しなどをして、適切な位置に移動します。

特に、前輪が駐車スペースに回り込む時に、前の車に接触しないようにくれぐれも注意します。

しっかり止まることはしっかり確認するタイミング

  • 最初の駐車スペースの障害物の確認
  • 前の車の真横に止まって後方の確認
  • 真っ直ぐ駐車スペースまで下がる後方の確認
  • 車の角度を斜めにして前の車との余裕の確認
  • 縁石と車の後方との余裕の確認
  • 車が駐車スペースに完全に収まった状況の確認

ハンドルの操作と車のバックを区別して行えば、車を止めた場面毎に確認のタイミングも生まれます。スムーズに切れ目なく行おうとして、確認を怠たることで失敗し、何度も繰り返すより、多少ぎこちなくても、しっかり止まって確認を入れることの方が、良い結果につながります。

卒業検定のチェック項目にも、バックする前の目視による安全確認、バックする途中での目視による安全確認があります。縦列駐車の各ステップに、「止まる」という工程を挟めば、目視をする切っ掛けも生まれます。

教習所の中の縦列駐車は、日常生活の場面と違って、毎回同じ環境で行います。車をどの位置で止め、どのタイミングでハンドルを切るかを、検定の前に何度も試して再現できる条件が整っています。

しっかり止まって、確認して、そしてハンドルを切る。メリハリのある縦列駐車で卒業検定を乗り切りましょう。