ホンダフィットは魅力の多いコンパクトカーですが、二人で車中泊するのに適した車のように感じます。

運転席と助手席を倒せば、後ろの座席の高さまでフラットに出来ます。後ろの座席を前に倒せば完全にフラットな広い荷台空間になります。このサイズの車で自転車やサーフボードを積める広さです。

遮熱や紫外線カットのガラスを使っているので、厚い日差しの中をドライブするのも快適です。

Honda SENSINGの装備したタイプを選べば、長距離ドライブの安全性も高まります。前の車に自動追尾したり、車線からはみ出すのを感知したり、衝突を予測してブレーキを掛けたり、長旅の疲れをカバーしてくれます。ハイビームとロービームを自動で切り替えてくれるのも便利です。

夫婦二人で、こんな車に乗って全国を車中泊で旅するのも、私の憧れの一つです。今回はホンダフィットが、家の車庫にバック駐車するのに必要な通路幅(道路幅)は、最小でどのくらい必要なのか検討してみました。

HONDA FIT
<出典画像:『HONDA FIT』http://o.aolcdn.com/commerce/autodata/images/USC60HOC081A121001.jpg>

ホンダフィットのボディサイズ

選んだのはHYBRID-S Honda SENSING のFF(燃費は31.8km/Lで乗車定員は5名)と、HYBRID-L Honda SENSING のFF(燃費は34.0km/Lで乗車定員は5名)の2つのタイプです。ボディサイズや最小回転半径が異なるので、どの位の差があるかを見たいためです。価格や燃費だけでなく、小回りで選択する場合もあるでしょう。

HYBRID-S Honda SENSING (FF)の寸法

HONDA-FIT寸法図

<出典画像:『FIT HYBRID-S Honda SENSING寸法図』https://www.honda.co.jp/Fit/common/pdf/fit_spec_list.pdf

項目サイズ等
全長4,045mm
全幅1,695mm
全高1,525mm
ホイールベース(前輪と後輪の車軸中心間の距離)2,530mm
トレッド(内側と外側タイヤの中心間の距離)1,475/1,465mm(F/R)
最小回転半径(最小で回転した時の前輪外側タイヤの軌跡の半径)5.2m

HYBRID-L Honda SENSING (FF)の寸法

項目サイズ等
全長3,990mm
全幅1,695mm
全高1,525mm
ホイールベース(前輪と後輪の車軸中心間の距離)2,530mm
トレッド(内側と外側タイヤの中心間の距離)1,480/1,470mm(F/R)
最小回転半径(最小で回転した時の前輪外側タイヤの軌跡の半径)4.9m

全長、トレッド、最小回転半径の違いが、バック駐車に必要な通路幅に、どの位の差になって表れるのでしょうか?

バック駐車に必要な通路幅

HYBRID-S Honda SENSING (FF)の通路幅

先ず、最小回転半径が5.2mのHYBRID-S Honda SENSING (FF)の方から見てみます。

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1回で直角バック(直角駐車)出来るために必要な通路幅を出してみます。一般的なバック駐車に必要な通路スペースを見る場合にも、直角バックのスペースを見る事で代用できます。なぜなら、一般的な車を45~60度位に傾けるバック駐車は、直角バックの途中の工程だからです。直角バックが出来ることはすなわち、一般的なバック駐車も出来るのです。

駐車スペースの大きさを、間口2.5m、奥行き5mで想定しています。

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通路幅が約4.2m(4.231m)以上であれば、1回で直角バックが可能です。この想定が、一般的な車を傾けるバック駐車のスペースを見るのに有効なのは、60度と75度の工程を抜き出して見ると分かります。

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60度と75度を通路上に抜き出して見ました。一般的なバック駐車では、通路を左の方から駐車スペースに寄せながら進入して来て、左にハンドルを切り、45度から60度の角度に傾けます。ここから、最小回転半径の軌道に沿ってバックしていけばバック駐車が完了します。

この様に、バック駐車の必要なスペースを考察する時に、直角バックのスペースが可能ならば、一般的なバク駐車も可能なスペースと言えます。

ただし、一般的なバック駐車では最小回転半径の円軌道をバックしていくやり方と、直線的に入り口まで接近して、入り口の角(ピボットエリア)を基点に回転するというやり方もあります。離れた位置から最小回転半径の円軌道に乗せるのは難しいので、直線的に入り口までバックする方法の方が成功する確率は高くなります。

HYBRID-L Honda SENSING (FF)の通路幅

次に、最小回転半径が4.9mのHYBRID-L Honda SENSING (FF)の場合を見てみます。

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全長、トレッド、最小回転半径の違いが通路幅の変化にどの位の影響を与えるでしょうか?

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減少した通路幅は、4.231m-4.027m=0.204mで、約20㎝狭くても直角バックが可能になります。20㎝の差を小さいとみるか大きいと見るかは、通路幅の狭い車庫か広い車庫かで変わってくるでしょう。

一般的なバック駐車のイメージも、通路を左から進入して来て、60度以降の軌道に乗せるように車を傾け配置すれば1回で成功できます。

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通路が狭くなると、一般的なバック駐車では、車を傾ける角度が取れなくなっていきます。この図でいうと、45度より立てようとすると通路のスペースが足りなくなります。通路が狭くなる程、一般的なバック駐車より、直角バックの方が駐車しやすくなっていきます。

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この図の場合、一般的な駐車のやり方で、通路を左から進入して来て、この45度の位置に車を傾けるの非常に困難です。

通路が狭い場合には、スタート地点さえ判断できれば、直角バックで駐車する方が楽になります。フィットの場合、車の前輪が目的の駐車スペースの2つ先の駐車スペースの奥のラインに来た辺りに、入り口のラインから車体を約1.2m(HYBRID-L Honda SENSING (FF))または約1.5m(HYBRID-S Honda SENSING (FF))離れて配置すれば、1回で直角バックできます。